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【有声日语文学作品】236吾輩は猫である(47)
主人公が死ぬところは鬼気人を襲うようだと評したら、僕の向うに坐っている知らんと云った事のない先生が、そうそうあすこは実に名文だといった。それで僕はこの男もやはり僕同様この小説を読んでおらないという事を知った」神経胃弱性の主人は眼を丸くして問いかけた。 「そんな出鱈目をいってもし相手が読んでいたらどうするつもりだ」あたかも人を欺くのは差支ない、ただ化の皮があらわれた時は困るじゃないかと感じたもののごとくである。 然而,当时的听众大约一百人,竟然无不凝神倾听. 接下来,还有更逗趣的故事哪。不久前,在一个某某文学家莅席的会议上,谈吾輩 猫 ところがその時の傍聴者は約百名ばかりであ起了哈里森①的历史小说《塞奥伐洛》,我评论说:‘这部作品是历史小说中的白眉,尤其女主人公临死那一段,写得真是鬼气森森。’坐在我对面的那位‘万事通’先生说:‘是呀!是呀!那一段的确是妙笔生花。’于是,我知道,那位先生和我一样,还未曾读过这篇小说哩!” ①哈里森:(一八三一——一九二三)英国法学家、文学家、哲学家。 患神经性胃炎的主人瞪大了眼睛问道:“你如此妖言惑众,假如对方真的读过,那可怎么得了?” 这番感慨仿佛在说:骗人倒也无妨,只是一旦被剥掉画皮,岂不糟糕? 这篇材料你能听出多少?点击这里做听写,提高外语水平>>
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【有声日语文学作品】232吾輩は猫である(43)
关键字:吾輩 猫 非常に嬉しい。これなら立派なものだと独りで眺め暮らしていると、夜が明けて眼が覚めてやはり元の通り下手である事が朝日と共に明瞭になってしまった。 主人は夢の裡まで水彩画の未練を背負ってあるいていると見える。これでは水彩画家は無論夫子の所謂通人にもなれない質だ。 主人が水彩画を夢に見た翌日例の金縁眼鏡の美学者が久し振りで主人を訪問した。彼は座につくと劈頭第一に「画はどうかね」と口を切った。主人は平気な顔をして「君の忠告に従って写生を力めているが、なるほど写生をすると今まで気のつかなかった物の形や、色の精細な変化などがよく分るようだ。 我万分高兴,这太棒了。我呆呆地欣赏,不觉
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【有声日语文学作品】218吾輩は猫である(29)
关键字:吾輩 猫 吾輩の倍はたしかにある。吾輩は嘆賞の念と、好奇の心に前後を忘れて彼の前に佇立 して余念もなく眺めていると、静かなる小春の風が、杉垣の上から出たる梧桐の枝を軽く誘ってばらばらと二三枚の葉 が枯菊の茂みに落ちた。大王はかっとその真丸の眼を開いた。今でも記憶している。その眼は人間の珍重する琥珀というものよりも遥かに美しく輝いていた。 块头足足大我一倍,堪称猫中大王。咱家出于赞赏之意、好奇之心,竟然忘乎所以,站在它面前,凝神将它打量。不料,十月静悄悄的风,将从杉树篱笆探出头来的梧桐枝轻轻摇动,两三片叶儿纷纷飘落在枯菊的花丛上。猫大王忽地圆眼怒睁。至今也还记得,它那双眼睛远比世人所珍爱的琥珀更加绚丽多彩。 这篇材料你能听出多少?点击这里做听写,提高外语水平>>
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【有声日语文学作品】225吾輩は猫である(36)
关键字:吾輩 猫 そこでおとなしく「君などは年が年であるから大分とった ろう」とそそのかして見た。果然彼は墻壁の欠所に吶喊して来た。「たんとでもねえが三四十はとったろ う」とは得意気なる彼の答であった。 彼はなお語をつづけて「鼠の百や二百は一人でいつでも引き受けるがいたちってえ奴は手に合わねえ。一度いたち に向って酷い目に逢った」「へえなるほど」と相槌を打つ。黒は大きな眼をぱちつかせて云う。「去年の大掃除の時だ。うちの亭主 が石灰の袋を持って椽の下へ這い込んだら御めえ大きないたちの野郎が面喰って飛び出したと思いねえ」 于是,咱吾輩 猫 そこでおとなしく「君などは年が年であるから大分とった ろう」とそそのかして見た。果然彼は家用软话挑逗他说: “老兄德高望重,一定捉过很多老鼠吧?” 果然,他在墙洞中呐喊道:“不算多,总有三四十只吧!” 这便是他得意忘形的回答。他还继续宣称:“有那么一二百只老鼠,俺大黑单枪匹马,保证随时将它消灭光!不过,黄鼠狼那玩艺儿,可不好对付哟!我曾一度和黄鼠狼较量,倒血霉啦!” “咦?是吗?”咱家只好顺风打旗。而大黑却瞪起眼睛说: “那是去年大扫除的时候,我家主人搬起一袋子石灰,一跨进廊下仓库,好家伙,一只大个的黄鼠狼吓得窜了出来。” 这篇材料你能听出多少?点击这里做听写,提高外语水平>>
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【有声日语文学作品】227吾輩は猫である(38)
关键字:吾輩 猫 ちっと景気を付けてやろうと思って「しかし鼠なら君に睨まれては百年目だろう。君はあまり鼠を捕るのが名人で鼠ばかり食うものだからそんなに肥って色つやが善いのだろう」黒の御機嫌をとるためのこの質問は不思議にも反対の結果を呈出した。彼は喟然として大息していう。「考げえるとつまらねえ。いくら稼いで鼠をとったって――一てえ人間ほどふてえ奴は世の中にいねえぜ。人のとった鼠をみんな取り上げやがって交番へ持って行きゃあがる。交番じゃ誰が捕ったか分らねえからそのたんびに五銭ずつくれるじゃねえか。うちの亭主なんか己の御蔭でもう壱円五十銭くらい儲けていやがる癖に、碌なものを食わせた事もありゃしねえ。 “不过,老鼠嘛,只要仁兄瞪它一眼,它就小命玩完。您捕鼠可是个大大的名家,就因为净吃老鼠,才胖得那么满面红光的吧?” 这本是奉承大黑,不料效果却适得其反。大黑喟然叹曰: “唉,思量起来,怪没趣的。再怎么卖力气捉老鼠,能像人那样吃得肥嘟噜的猫,毕吾輩 猫 ちっと景気を付けてやろうと思って「しかし鼠なら君に睨まれては百年目だろう。君はあ竟是举世罕见哟!人们把猫捉的老鼠都抢了去送给警察。警察哪里知道是谁抓的?不是说送一只老鼠五分钱吗?多亏我,我家主人已经赚了差不多一元五角钱呢。可他轻易不给我改善伙食 这篇材料你能听出多少?点击这里做听写,提高外语水平>>
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【有声日语文学作品】231吾輩は猫である(42)
关键字:吾輩 猫 通人論はちょっと首肯しかねる。また芸者の妻君 を羨しいなどというところは教師としては口にす べからざる愚劣の考であるが、自己の水彩画にお ける批評眼だけはたしかなものだ。主人はかくの ごとく自知の明あるにも関せずその自惚心はなか なか抜けない。中二日置いて十二月四日の日記に こんな事を書いている。 昨夜は僕が水彩画をかいて到底物にならんと思っ て、そこらに抛って置いたのを誰かが立派な額に して欄間に懸けてくれた夢を見た。さて額になっ たところを見ると我ながら急に上手になった。 这番“行家论”,咱家有点不敢苟同。并且羡慕别人的 老婆是艺妓云云,作为一名教师来说,也是碍难出 口
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【有声日语文学作品】228吾輩は猫である(39)
关键字:吾輩 猫 おい人間てものあ体の善い泥棒だぜ」さすが無学の黒もこのくらいの理窟はわかると見えてすこぶる怒った容子で背中の毛を逆立てている。吾輩は少々気味が悪くなったから善い加減にその場を胡魔化して家へ帰った。この時から吾輩は決して鼠をとるまいと決心した。しかし黒の子分になって鼠以外の御馳走を猟ってあるく事もしなかった。御馳走を食うよりも寝ていた方が気楽でいい。教師の家にいると猫も教師のような性質になると見える。要心しないと今に胃弱になるかも知れない。 哎呀呀,人哪,全是些体面的小偷哟!” 咱家一听,就连一向不学无术的大黑都懂得这么高深的哲理,不禁满面愠色,脊毛倒竖。由于心头不快,便见机行事,应酬几句,回家去了。 从此,咱家决心不捉老鼠,但也不当大黑的爪牙,未曾为猎取老鼠以外的食物而奔波。与其吃得香,莫如睡得甜。由于住在教师家,猫也似乎沾染了教师的习气,不当心点儿,说不定早吾輩 猫 おい人間てものあ体の善い泥棒だぜ」さすが無学の黒もこのくらいの理窟はわかる早晚晚也要害胃病的。 这篇材料你能听出多少?点击这里做听写,提高外语水平>>
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【有声日语文学作品】192吾輩は猫である(03)
关键字:吾輩 猫 そうして穴の中から時々ぷう ぷうと煙を吹く。どうも咽っぽくて実に困った。これが人間の飲む煙草というものである事はようやくこの頃知った。 この書生の掌の裏でしばらくはよい心持に坐っておったが、しばらくすると非常な速力で運転し始めた。書生が動くのか自分だけが動くのか分らない が無暗に眼が廻る。胸が悪くなる。到底助からないと思っていると、どさりと音がして眼から火が出た。それまでは記憶しているがあと は何の事やらいくら考え出そうとしても分らない。 ふと気が付いて見ると書生はいない。たくさんおった兄弟が一疋も見えぬ 还不时地从一对黑窟窿里咕嘟嘟地喷出烟来。太呛得慌,可真折服了。如今总算明白:原来这是人在吸烟哩。 咱家在这名学生的掌心暂且舒适地趴着。可是,不大工夫,咱家竟以异常的快速旋转起来,弄不清是学生在动,还是咱家自己在动,反正迷糊得要命,直恶心。心想:这下子可完蛋喽!又咕咚一声,咱家被摔得两眼直冒金花。 只记得这些。至于后事如何,怎么也想不起来了。 蓦地定睛一看,学生不在,众多的猫哥们儿也一个不见, 这篇材料你能听出多少?点击这里做听写,提高外语水平>>
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【有声日语文学作品】215吾輩は猫である(26)
关键字:吾輩 猫 ほかに悪口の言いようを知らないの だから仕方がないが、今まで辛棒した人の気も知らないで、無暗に馬鹿野郎呼わりは失敬だと思う。それも平生吾輩が彼の背中へ乗る時に少しは好い顔でもするならこの漫罵も甘んじて受けるが、こっちの便利になる事は何一つ快くしてくれた事もないのに、小便に 立ったのを馬鹿野郎とは酷い。 元来人間というものは自己の力量に慢じてみんな増長している。少し人間より強いものが出て来て窘めてやらなくてはこの先どこまで増長するか分らない。 因为除此之外他再也不知道还有些什么骂人的脏话,有什么办法!不过,他丝毫也不理解人家一直克制自己的心情,竟然信口骂声“混帐东西”,这太不像话。假如平时咱家爬上他的后背,他能有一副好脸子,倒也甘愿忍受这番辱骂。可是,对咱家方便的事,没有一次他能痛痛快快地去做。人家撒尿,也骂声混蛋,嘴有多损!原吾輩 猫 ほかに悪口の言いようを知らないの だから仕方がないが、今まで辛棒した人の気も知らないで来人哪,对于自己的能量过于自信,无不妄自尊大。如果没有比人类更强大的动物出现,来收拾他们一通,真不知今后他们的嚣张气焰将发展到何等地步! 这篇材料你能听出多少?点击这里做听写,提高外语水平>>
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【有声日语文学作品】202吾輩は猫である(13)
关键字:吾輩 猫 この小供というのは五つと三つで夜になると二人が一つ床へ入って一間へ寝る。吾輩はいつでも彼等の中間に己れを容るべき余地を見出してどうにか、こうにか割り込むのであるが、運悪く小供の一人が眼を醒ますが最後大変な事になる。小供はことに小さい方が質がわるい猫が来た猫が来たといって夜中でも何でも大きな声で泣き出すのである。すると例の神経胃弱性の主人は必ず眼 をさまして次の部屋から飛び出してくる。現にせんだってなどは物指で尻ぺたをひどく叩かれた。 所谓“孩子们”,一个五岁,一个三岁。到了晚上,他们俩就住在一个屋,睡在一个铺。咱家总是在他们俩之间找个容身之地,千方百计地挤进去。若是倒霉,碰醒一个孩子,就要惹下一场大祸。两个孩子,尤其那个小的,体性最坏,哪怕是深更半夜,也高声号叫:“猫来啦,猫来啦!”于是,患神经性消化不良的主人一定会被吵醒,从隔壁跑来。真的,前几天他还用格尺狠狠地抽了咱家一顿屁股板子哪! 这篇材料你能听出多少?点击这里做听写,提高外语水平>>