「きみ、芥川賞を貰う前に、芥川賞、知っとった?」。遠藤周作に聞かれた開高健は「あたりまえでしょう」と答えた。

“在获得芥川赏之前,你听说过芥川赏吗?”对于远藤周作的询问,开高健回答说:“那是当然啦。”
 
「いつ頃、知っとった?」「子供の頃から知っておったですよ」「情けないことだが、ぼくは堀田(善衛)さんが貰うまで、芥川賞って知らなんだよ」(『芥川賞の研究』日本ジャーナリスト専門学院出版部)。

“大概什么时候知道的呢?”“我早在孩提时代就知道这个奖了。”“很惭愧,我直到堀田(善卫)得奖才知道芥川赏这个奖。”(《芥川赏的研究》日本新闻记者专门学院出版部) 

40余年前の対談だが、ふたりの醸し出す対照的な雰囲気が伝わってくる。芥川賞は、早世した芥川龍之介と親しく、「文芸春秋」を創刊した菊池寛が直木賞と共に1935年に創設した。「亡友を記念するという意味よりも、芥川・直木を失った本誌の賑やかしに、亡友の名前を使おうというのである」と、賞の構想を述べている。

虽然是四十多年前的对话了,但还是传达出那种营造的对比气氛。“芥川奖”是曾创办《文艺春秋》的菊池宽为纪念英年早逝的芥川龙之介,于1935年共同设立该奖和直木奖。菊池设立这两个奖的初衷是“想纪念已故的朋友,但更想让失去芥川、直木两位得力干将的本刊能重新振作起来。”
 
136回目の受賞者に決まった青山七恵さんは、23歳の旅行会社員だ。一昨年に文芸賞を受け、2作目で芥川賞を手にした。「ひとり日和(びより)」(文芸秋号)は、初めて親元を離れた20歳のフリーターの女性が主人公で、遠縁にあたる70代の女性・吟子の家に居候する。

被评为第136届获奖者的青山七惠是一名23岁的旅行社员工。前年,她获得了文艺赏,这次是凭借第二个作品而获得芥川赏。《一个人的晴天》(文艺秋刊)的主人公是一名20岁的自由职业女性,第一次离家寄宿于70多岁的远方亲戚吟子家。
 
東京の四季の移ろいを背景に、失恋や転職などどこにでもありそうな日常がつづられる中で、やや謎めいた吟子の存在と、その言葉に面白みがある。「型からはみ出たところが人間。はみ出たところが本当の自分」。あるいは「外の世界って、厳しいんだろうね」と問われ、答える。「世界に外も中もないのよ。この世はひとつしかないでしょ」

故事以东京的四季变换为背景,叙述的都是像失恋、换工作等任何地方都有的日常生活,在这日常生活中,有一个有点像谜一般的吟子和吟子有趣的语言。如“摆脱固定模式的时候才是人。脱离出来的时候才是真正的自己。” 或者,被问及“外面的世界,是很残酷的吧”,回答则是:“世界没有里外之分呢。这个世界只有一个吧。” 

世代を超えた会話は、現実には希薄になった。それを、居候が感じ取る「日和」の中に映し出す趣がある。

隔代的对话,在现实生活中已经很少见了。这是寄人篱下的生活所感受到的“晴天”中呈现出的一种情趣。

芥川龙之介代表作《罗生门》简介