「演説」という言葉は、福沢諭吉による訳語だという。「演説とは英語にて『スピイチ』と言い、大勢の人を会して説を述べ、席上にて我思うところを人に伝うるの法なり」(『学問のすゝめ』岩波文庫)。

"演说"这个词,据说是福泽谕吉创造的。福翁在他的《劝学篇》中曾有言,“演说一语,英文叫作‘Speech’,就是集合许多人讲话,即席把自己的思想传达给他们听的一种方法。”

「演説」は出身藩だった旧中津藩で使われていた「演舌書」なる書面に由来するという。「舌」という語句が俗なために「説」に換えた。福沢本人がそう述べたと慶応義塾のホームページにはある。

据福泽谕吉考据,“演说”这个词是由江户时代中津藩统治的领地使用过的“演舌书”一词演化而来(按,中津藩是福泽谕吉及其生夫两代人都曾为之效力过的主家,福翁本人对藩内的风土人情自是非常了解)。由于“舌”这个字显得比较鄙俗,所以后来就换成了“说”。这种说法,庆应大学的网站上录有福翁本人的原话为证。

昨日の国会での施政方針演説で、安倍首相は、福沢の「出来難(いできがた)き事を好んで之を勤むるの心」という言葉を引用した。困難なことにひるまず、前向きに取り組む心こそが、明治維新から近代日本をつくっていったのではないかと述べた。

在昨天国会召开的施政方针演说中,安倍首相引用了福翁的名句“好难事并为之之心”。首相说,正因为日本人民具有不畏艰难、勇往直前的性格,才得以自明治维新以来开辟出现代化日本的光明大道!

支持率が下がる中で、明治という時代の勢いにことよせて心意気を示そうとの思いは理解できる。しかし、演説にカタカナが目につく首相が「カントリー・アイデンティティー」をまた持ち出したのは、やや理解しにくい。

安倍首相在支持率不断下滑的时刻,意图借古讽今、假托明治以言志的心情是可以理解的。但是,在演说中以使用外来语而闻名的安倍首相,随后抛出的“country(国家)・identity(自我统一性)”等词,就令人十分费解了。

首相は「カントリー……」は「我が国の理念、目指すべき方向、日本らしさ」だという。昨年の所信表明演説での言い方の繰り返しだが、その中身とカタカナで呼ぶ必然性が、よく見えない。


首相说:“所谓的‘country……’,正是我们国家的理念、奋斗的目标、日本民族的代名词。”虽说这也是对去年表志愿演说的一种重复的说法,但我们却难看出演说中这些外来语的必然性。

福沢は、演説や講義での、やさしい行き届いた説明の大切さも説いている。例えば「円き水晶の玉」を、「円きとは角の取れて団子のような」「水晶とは山から掘り出す硝子(ガラス)のような物」と解き聞かせれば、相手が子供であっても腹の底からよく分かるはずだという。首相の「我思うところを人に伝うるの法」は、これからのようだ。


福泽谕吉在其演说和讲义中,谈到了简明、周到的说明的重要性。福翁举了个例子,拿“圆状水晶石”这个东西来说,将其拆开来解释的话,即“圆为形状的一种,饭团就是圆状物”、“所谓水晶就是从山中挖出的类似于玻璃的东西,听者就算是小孩子,也会非常明白的。安倍首相的“把自己的思想传达给他人的方法”,好像还未臻成熟。