「今日はこのとおり,朝から雨模様です。」とお天気キャスターがテレビで話しています。さて,雨は降っているでしょうか,それとも,降っていないのでしょうか。

天气主播在电视中播报到:“今天如您所见,从早上开始就是‘雨模様’。”那么雨到底是下了还是没下呢?

問1 「雨模様」とは,本来どのような意味でしょうか。

答 雨が降りそうな様子,という意味です。

问题1:“雨模様”的正确意思是什么?

答:形容雨将下未下的样子

「雨模様」を辞書で調べてみましょう。

「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)

あめもよう【雨模様】雨が降り出しそうなようす。あまもよう。雨催(あまもよい)。

「岩波国語辞典 第7版新版」(平成23年・岩波書店)

あめもよう【雨模様】今にも雨が降りそうな空の様子。あまもよう。あまもよい。 ▽雨の降る様子を言うのは誤用。

让我们查一下辞典中对“雨模様”的解释吧。

《日本国语大辞典 第2版》(2000~2002年/小学馆)

あめもよう【雨模様】:将要下雨的样子。又作:あまもよう。雨催(あまもよい)。

《岩波国语辞典 第7版新版》(2011年/岩波书店)

あめもよう【雨模様】:天空马上就要下雨的样子。又作:あまもよう。あまもよい。 ▽形容下雨的样子属误用。

辞書が示すように,本来,「雨模様」は「雨が降りそうな様子」を示す言葉です。元々は「あまもよい」「あめもよい」と言われていました。「岩波国語辞典」には,「雨の降る様子を言うのは誤用」との解説もあります。

また,いずれの辞書も,「あめもよう」と「あまもよう」の二つの読み方を採用しています。上に挙げた辞書は,「あめもよう」を主な見出しにしていますが,例えば,「新明解国語辞典 第7版」(平成24年・三省堂)では,「あまもよう」が主になっており,「あめもよう」で引くと「あまもよう」を参照するよう導かれます。

如辞典所示,“雨模様”本是形容“雨将下未下的样子”的意思。原本还有“あまもよい”和“あめもよい”等说法。《岩波国语辞典》中还指出了“形容下雨的样子属误用”。

另外,无论哪本辞典中都有“あまもよう”和“あまもよう”两种读法。上文列举的辞典中都是将“あめもよう”作为索引,但像《新明解国语辞典 第7版》(2012年/三省堂)中的索引则是“あまもよう”,查“あめもよう”被引导至“あまもよう”。

なお,下記のとおり,「最近の言い方で」と断りながらも,「雨が降っている様子」という意味を加えている辞書もあります。

「明鏡 第2版」(平成22年・大修館書店)

あめもよう【雨模様】(3)〔最近の言い方で〕小雨が降ったりやんだりすること。「式典はあいにくの―の中で行われた」

此外,如下文所示,一些辞典会标注出“最近的用法”然后加上“正在下雨的样子”的意思。

《明镜 第2版》(2010年/大修馆书店)

あめもよう【雨模様】(3) (最近的用法)形容小雨时下时停。例句:典礼在突来的—中举行。

問2 「雨模様」について尋ねた「国語に関する世論調査」の結果を教えてください。

答 本来の意味である「雨が降りそうな様子」と答えた人が4割台前半,本来の意味ではない「小雨が降ったりやんだりしている様子」と答えた人が4割台後半という結果でした。

问题2.“国语知识社会调查”中关于“雨模様”的结果如何?

答:回答正确意思“雨将下未下的样子”的人占4成多,而回答错误意思“小雨时下时停的样子”的人接近5成。

平成22年度の「国語に関する世論調査」で,「外は雨模様だ。」という例文を挙げ,「雨模様」の意味を尋ねました。結果は次のとおりです。(下線を付したものが本来の意味。平成15年度調査の結果も併せて示しました。)

〔全 体〕

雨模様  例文:外は雨模様だ。 平成22年度調査・平成15年度調査

(ア)雨が降りそうな様子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43.3%・38.0%

(イ)小雨が降ったりやんだりしている様子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47.5%・45.2%

(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  4.8%・9.4%

(ア),(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  3.2%・6.3%

分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  1.2%・1.1%

2010年度的“国语知识社会调查”中,我们以“外面雨模様。”为例,询问受访者“雨模様”的意思。结果如下。(划线答案为正确的意思。2003年度调查的结果也一并展示。)

(全部)

雨模様  例句:外面雨模様。 2010年度调查/2003年度调查

A.形容雨将下未下的样子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43.3%/38.0%

B.形容小雨时下时停的样子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47.5%/45.2%

C.A和B都对・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  4.8%/9.4%

D.A和B都不对・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  3.2%/6.3%

不知道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  1.2%/1.1%

「雨模様」

“雨模様”

全体の調査結果を見ると,本来の意味である(ア)「雨が降りそうな様子」と回答した人の割合は4割台前半で,それを上回る4割台後半の人が本来の意味とは異なる(イ)「小雨がふったりやんだりしている様子」を選んでいます。過去の調査(平成15年度調査)と比べると,本来の意味である(ア)を選んだ人は5ポイント増加していますが,本来の意味とは異なる(イ)の方も2ポイント増加しています。

根据调查结果整体来看,回答正确意思A“形容雨将下未下的样子”的人占4成以上,而有接近5成的人选择了错误意思B“形容小雨时下时停的样子”。通过与过去的调查(2003年度调查)相比较我们可以发现,虽然选择正确意思A的人增加了5%,但选择错误意思B的人也增加了2%。

年代別に見ると,30代~50代では,本来の意味ではない(イ)「小雨がふったりやんだりしている様子」を選んだ人の割合が,本来の意味を選んだ人の割合を大きく上回っている一方で,20代以下の若年層と,60歳以上の高齢層では,本来の意味である(ア)「雨が降りそうな様子」と回答した人が(イ)を選んだ人の割合を上回っています。若年層と高齢層で本来の意味を選択する人の割合が高いという傾向は,平成15年度調査でも同様でした。

从不同年龄层结果来看,30~50岁年龄层选择错误意思B“形容小雨时下时停的样子”的比例远高于选择正确意思的比例。而在20岁以下的年轻层和60岁以上的高龄层中,回答正确意思A“形容雨将下未下的样子”的比例要高于选择B的比例。年轻层与高龄层中选择正确意思的人的比例较高这一倾向,在2003年度的调查之中也是如此。

「雨模様」の元々の形である「あまもよい」「あめもよい」の「もよい」とは「催す」の意です。「眠気を催す」と言った場合,まだ眠ってはいない状態を示しますから,「雨もよい」も「雨を催す=これから降りそうな」という意味だということになります。「もよい」が「模様」に変化して「雨模様」と言われるようになったことで,「催す」の意味が見えにくくなり,雨が降っていない状況を想像するのが難しくなってしまったのでしょう。

“雨模様”的原形“あまもよい”和“あめもよい”中的“もよい”是“征兆”的意思。我们说“想睡”的时候,表达的是一种还没睡着的状态,所以“雨もよい”也就是“雨を催す(要下雨)=これから降りそうな(将要下)”的意思。因为“もよい”演变成了“模様”,“雨模様”广为传播,“征兆”的意思就难以被发觉,人们也就很难想象雨没有下的情况了吧。

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