关键字:西郷隆盛 一所懸命 パラソル
たいへん酔っていた。私と同じくらいにふらふら酔って診察室に現われたので、私は、おかしかった。治療を受けながら、私がくすくす笑ってしまった。するとお医者もくすくす笑い出し、とうとうたまりかねて、ふたり声を合せて大笑いした。  その夜から私たちは仲良くなった。お医者は、文学よりも哲学を好んだ。私もそのほうを語るのが、気が楽で、話がはずんだ。お医者の世界観は、原始二元論ともいうべきもので、世の中の有様をすべて善玉悪玉の合戦と見て、なかなか歯切れがよかった。私は愛という単一神を信じたく内心つとめていたのであるが、それでもお医者の善玉悪玉の説を聞くと、うっとうしい胸のうちが、一味爽涼を覚えるのだ。
他也醉得很厉害。当他和我一样醉醺醺得出现在诊疗室里时,我感到很是滑稽。我一边接受治疗,一边偷偷地笑了起来。于是医生也跟着哧哧地笑开了,最后我们俩终于忍不住齐声大笑起来。 打那一夜以后,我们便成了好朋友。比起文学,医生更热衷于哲学。我也觉得谈论那方面的话题更为轻松一些,所以聊得颇为投机起劲。医生的世界观属于那种也可以称之为原始二元论的一类东西,在他看来,世间万象全是好人与坏人的交战。他的这种观点真算得上干脆畅快。尽管在我的内心深处竭力想相信爱这个单一神,但一听到医生关于好人坏人的论点,郁闷的胸膛毕竟蓦然感觉到了一阵清爽。