日语文学作品赏析《講演軍記》
作者:芥川龍之介
来源:青空文库
2010-01-06 00:00
僕が講演旅行へ出かけたのは今度里見□ 君と北海道へ行つたのが始めてだ。入場料をとらない聴衆は自然雑駁 になりがちだから、それだけでも可也 しやべり悪 い。そこへ何箇所もしやべつてまはるのだから、少からず疲れてしまつた。然し講演後の御馳走 だけは里見君が勇敢に断 つてくれたから、おかげ様で大助かりだつた。
改造社の山本実彦 君は僕等の小樽 にゐた時に電報を打つてよこした。こちらはその返電に「クルシイクルシイヘトヘトダ」と打つた。すると市庁の逓信課 から僕等に電話がかかつてきた。僕は里見君のラジオ・ドラマのことかと思つたから、早速 電話器を里見君に渡した。里見君は「ああ、さうです。ええ、さうです」とか何 とか云ひながら、くすくすひとり笑つてゐた。それから僕に「莫迦莫迦 しいよ、クルシイクルシイですか、ヘトヘトだですかときいて来たんだ。」と云つた。こんな電報を打つたものは小樽市始まつて以来なかつたのかも知れない。
講演にはもう食傷 した。当分はもうやる気はない。北海道の風景は不思議にも感傷的に美しかつた。食ひものはどこへたどり着いてもホツキ貝ばかり出されるのに往生 した。里見君は旭川 でオムレツを食ひ、「オムレツと云ふものはうまいもんだなあ」としみじみ感心してゐただけでも大抵 想像できるだらう。
改造社の
講演にはもう
雪どけの中にしだるる柳かな
(昭和二年六月)
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