日语文学作品赏析《耳目記》
作者:芥川龍之介
来源:青空文库
2010-01-06 00:00
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僕等の性格は不思議にも大抵 頸 すぢの線に現はれてゐる。この線の鈍 いものは敏感ではない。
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それから又僕等の性格は声にも現れてゐる。声の堅いものは必ず強い。
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筍 、海苔 、蕎麦 、――かう云うものを猫の食ふことは僕には驚嘆する外 はなかつた。
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或狂信者のポルトレエ――彼は皮膚に光沢 を持つてゐる。それから熱心に話す時はいつも片眼をつぶり、銃でも狙 ふやうにしないことはない。
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僕は話に熱中する度に左の眉 だけ挙げる人と話した。ああいふ眉は多いものかしら。
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僕は教育なり趣味なりの大抵 同程度と思ふ人々に何枚かの女の写真を見せ、一番美人と思ふのを選んで貰つた。が、二十五人中同じ女を美人と言つたのはたつた二人ゐただけだつた。即ち女の美醜 を定 めるのさへ百分の四以上を超 えないらしい。しかもこれは前に言つたやうに教育なり趣味なりの程度の似よつた人びとの間 だけである。
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或果物問屋 の娘の話。――川に西瓜 が一つ浮いてゐると思つたら、土左衛門 の頭だつたのです。
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僕は肥 つた人の手を見ると、なぜか海豹 の鰭 を思ひ出してゐる。
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僕は女の人生の戦利品を三つ記憶してゐる。
一つは長女に後 を向けて次男に乳をのませてゐる女親。
一つは或女給の胸に下 つたいろいろの学校のメダルの一ふさ。
一つは或玄人上 りの細君 の必ず客の前へ抱 いて来る赤児。
僕等の性格は不思議にも
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それから又僕等の性格は声にも現れてゐる。声の堅いものは必ず強い。
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或狂信者のポルトレエ――彼は皮膚に
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僕は話に熱中する度に左の
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僕は教育なり趣味なりの
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或
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僕は
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僕は女の人生の戦利品を三つ記憶してゐる。
一つは長女に
一つは或女給の胸に
一つは或
(昭和二年四月)
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