5.0 「猫」と「犬」の違い

「犬は人に付き、猫は家に付く」これはイヌとネコの性質を表す上で最も分かりやすい例えである。
飼い主がペットを置き去りにして転居したとする。両者とも初めのうちは飼い主の帰りを待つが、一定の期間が過ぎるとイヌは飼い主を探すためその場を離れるのに対し、ネコは今までと変わらずテリトリー内で平然と暮らし続ける。 このような性質のため、ネコはイヌに比べて環境の変化に敏感であり、転居の際には十分に気を遣わなければならない。 猫を置き去りにすれば、たいていの場合野良猫として暮らすしかなく、環境にもよるが平均余命は極めて短くなる。
引っ越しをする際、連れていこうとすると嫌がることから、「猫は家に付く」と言われ、そのまま置いてけぼりにされることがあるが、実際には単に「引っ越し」の概念を理解できず、テリトリーを離れることに不安を持っているだけである。元々捨て猫だった場合など、再度捨てられる不安から泣きわめく場合もある。無理やりにでも新居に連れていってやれば、家具についた匂いや飼い主がそこで暮らしていることを確認して、自分の新しい居場所であることを理解し、何の問題もなく飼い主と暮らす。
日本では「ネコは自由気ままな動物」だからつなぎ止めるようなことをせず、家(敷地)の出入りも自由にさせておくことを普通と考えている人が多い。確かに法的にもイヌに関しての規制は多いが、ネコに関しては(ほとんど)ない。

6.0 終わりに
猫のオトナは、自分だけのなわばりを持ち、そのなかでひとりで生活していく動物である。つまり、社会生活たるものに縁がないわけで、孤独愛好者であり、個人主義者といえよう。大和民族は世界で一番孤独感の強い民族である。おそらくその故に、日本人は猫が好きである。

参考文献

「1」 李娇(2009)——《我的第一本日语阅读书》——中国宇航出版社
「2」 崔香兰(2006)——《日本文化概况》——大连理工出版社
「3」 白幡洋三郎(2007)——『知らなきゃ恥ずかしい日本文化』——上海译文出版社
「4」 张敬茹(2002)——《日语泛读教程3》——南开大学出版社

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