日本語教師養成講座を受講して日本語を教え始めた新米の先生からこんな質問を受けた。「『重さ』と『重み』の違いをどう教えればいいですか」である。これは正に日本語教師泣かせの質問の一つであり、私も過去に同じような質問をされてとても困ってしまった経験がある。

在日语老师培训的讲座上,一位刚开始从事日语教学的老师向我提出了这样一个问题。“我应该如何说明「重さ」与「重み」的区别呢”。这确实是一个能让日语老师为难的问题,我过去也曾经被问到相同的问题,十分苦恼。

初級で先ず簡単な形容詞を導入する。「長い・短い」「大きい・小さい」や「重い・軽い」などである。そしてしばらくして形容詞の名詞化も教えなければならな い。いわゆる「長さ」「大きさ」や「重さ」などである。これは「長い」「大きい」や「重い」の「い」を「さ」に変えればいいのだからさほど難しくはない。

我们先引入一些初级的简单的形容词。「長い・短い」「大きい・小さい」和「重い・軽い」等等。然后需要教大家形容词的名词化形式,即「長さ」「大きさ」和「重さ」这些。将「長い」「大きい」和「重い」的「い」变成「さ」就行了,并不是很复杂。

ここまでは何も問題ないのだが、中級レベルになると形容詞を名詞化するもう一つの方法も必要になってくる。いわゆる「み」をつけた「重み」などである。この 「み」が加わってくると日本語教師は大変である。まず学習者は「長さ」「大きさ」や「重さ」と同じように全ての形容詞に「み」が付くと思ってしまう。当然 「長み」「大きみ」そして「重み」である。しかし日本人は「長み」や「大きみ」などは使わない。

到这里为止是没有问题的,但是到了中级水平,还有一种将形容词名词化的方法也需要掌握。即加上「み」,变成「重み」这样。一加上了「み」,日语老师就开始感觉为难了。首先学习者会错误地认为与「長さ」「大きさ」和「重さ」一样,在所有的形容词后加上「み」。当然,「長み」「大きみ」和「重み」这些词都存在,但是日本人不使用「長み」和「大きみ」等词。

そして当然こんな質問が待っている。「長み」や「大きみ」はなぜ使わないんですか・・・。またどうして「重み」はあるのに「軽み」はないのか・・・。さらに「あつみ」も「厚み」はちゃんと辞書にあるのに「暑み」は辞書に出ていない・・・。こんな質問をするのはかなりの上級者で、先生を困らせようとする意図もありありなのだが・・・確かにややこしい。

然后问题也就随之而来了。为什么不使用「長み」和「大きみ」等词呢?另外为什么有「重み」这个词,却没 有「軽み」这个词呢?「あつみ」和「厚み」在字典里都明确写着,但是字典里却没有「暑み」这个词……抱有这些疑问的人都是日语高级学习者,虽然没有故意为 难老师的意思,但是这些问题确实很纠结。

でもこのようなこと我々日本人はほとんど考えたこともないが、改めて質問されると困ってしまう。「暖かみ」はあるのに「涼しみ」はない。「甘み」はあるのに「しょっぱみ」はない、でもどうして・・・とても説明できない。無いものは無い、でも日本語教 師としては何とか格好つけたい。開き直ってこんな教え方をしている。「『さ』は全ての形容詞に付くから安心してください。でも『み』は残念ながら、ごく限られた形容詞にしか付かないので、どんな形容詞に付くのか、先生と一緒に勉強していきましょう」である。

但是日本人几乎不思考这些问题,再一次被问到我感到很苦恼。有「暖かみ」这个词,却没有「涼しみ」这个词。有「甘み」这个词,却没有「しょっぱみ」这个词。这是为什么呢?……我无法解释啊。没有就是没有,但是作为日语老师,不管怎样都要想方设法去解释说明下。于是我突然态度一变,这样说道:“『さ』可以接在所有的形容词后面,这大可放心。但是很遗憾,『み』只能接在几个非常有限的形容词后面。那么到底能接在哪些形容词后面呢,跟老师一起学习研究下吧”。

そして次の質問が「さ」と「み」と両方ある例えば表題の「重さ」と「重み」の違いである。これもなかなか説明しにくい。でも日本人は特別習った記憶はないがちゃんと使い分けてい る。「重さは10kgです」のように具体的な程度などを表す場合は「重さ」を用いる。一方「重みのある言葉」や「伝統の重みを感じる」などその人の主観的、感覚的な判断によるような場合には確かに「重み」がしっくりくる。やはり「重みは10kgです」は違和感がある。しかし学習者にはとても難しい。でも上級者になれば「厚さ」と「厚み」の違いなども何となく分かってもらわなければならない。

接下来的问题是「さ」和「み」同时存在的情况了。例如标题中的「重さ」与「重み」的区别。这个非常难以解释清楚。虽然日本人没有特别学习过,但是却能清晰地区别使用。像「重さは10kgです」这样表示具体重量的时候,使用「重さ」。另一方面,像「重みのある言葉」和「伝統の重みを感じる」等根据人的主观上的感觉来判断的时候,适合使用「重み」。例如「重みは 10kgです」这样说的话,就会有一种不协调的感觉。但是对于学习者来说很难理解。但是如果成为了高级学习者的话,就必须掌握「厚さ」と「厚み」的区别 等。

「首相であれば使う言葉にもう少し『重み』を持ってほしいですね。人間性にもあまり『厚み』が感じられません」 うーん、正にその通り。でもこんなこと日本語上級者に言ってもらいたくはないのだが・・・。

“如果是首相的话,希望首相的话语里多一些‘威严’。在人情味里也不怎么能感受到‘深度’”。嗯,确实如此。并不想让日语高级学习者说这些话,但是没办法……

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