75年前の冬のこと、5人の乗った飛行艇「白鳩号」が大阪から福岡へ向かっていた。折からの吹雪に艇は針路を失う。空中分解して山に墜落し、全員が帰らぬ人となった。

事情还得从75年前的冬天说起,有5个人乘着“白鸠号”飞艇从大阪飞往福冈。途中遭遇风雪飞艇迷失了航向。最后飞艇在空中解体、坠落山崖,全体乘员都成了不归人。

原因は詳しく調べられたようだ。調査はまず、機体の散乱具合をもとに、時計の針を戻しながら、どんな順序で分解が進んだのかを突き止めた。さらに、さまざまな実証をへて、空中分解の端緒となった「翼の銅線の切断」にたどり着いた。

曾对事故原因进行过详细调查。调查首先是从机体残骸开始的,根据散乱的情况倒推时间,来查明机体是分什么顺序解体的。进一步通过各种物证,最终发现了空中解体的线索——“机翼铜线断裂”。

物理学者の寺田寅彦は、報告を読んで感心したらしい。「下手な探偵小説よりおもしろい」と感想を残している。そして、「銅線を強くすれば、少なくとも同じ原因による事故はなくなるわけだ」と事故調査の本質を突いた。「犯人捜し」ではなく、「再発の防止」が、調査の目的なのである。

物理学家寺田寅彦读了这份报告后似乎心绪难平。“比蹩脚的侦探小说强一点”这是留给他的第一印象。随后他又提出了事故调查的实质——“如果铜线结实的话,至少同样的事故肯定不会再发生。”调查的目的不是要“揪出凶手”而是要“预防重蹈覆辙”。

那覇空港で中華航空機が炎上した事故は、調査が進むにつれて、相当な燃料漏れがあったとわかってきたようだ。目撃者によれば「ジャージャー漏れていた」らしい。

中华航空公司(“华航”)班机在那霸机场燃烧、爆炸事故的调查有了一定的进展,初步认为是大量燃料泄漏造成的。目击者称“哗啦哗啦的漏”。

水も漏らさぬはずが、なぜ蛇口でもひねったようになったのか。突き止め、対策が取られなければ、同じ旅客機に命を預ける気にはなれない。ベストセラー機で知られ、国内でも10機が飛んでいる。

本应滴水不漏,可却像是拧开水龙头似的哗哗地流。必须彻底查明原因采用措施解决,否则又会有多少乘客坐上同样的飞机白白送命。出事班机是非常畅销的机型,在日本国内就有10架左右正在运营。

75年前の新聞には、白鳩号の操縦士は「日本屈指」だったとある。腕前で飛んだ時代から、いまや技術のを集めたハイテク機である。800人を乗せる超大型機など、寅彦は想像もしなかっただろう。だが、力説した「真相を明らかにして後難をなくす」大切さは、時を経ても変わってはいない。

75年前,“白鸠号”的飞行员被当时的报纸誉为“日本王牌”。从早先徒手操作飞行的时代跨越到当今配备尖端技术的高科技飞机。至于能乘坐800名旅客的超大型飞机,更是寅彦先生所无法想象的。但是,要强调的是“查明真相、杜绝后患”是非常重要的,也是经过时间洗礼亘古不变的