時代小説を読んでいると「口入れ屋」という稼業が時おり出てくる。奉公口や日雇いの仕事を斡旋(あっせん)する業者である。店に来る町人や浪人者の人物を瀬踏みしつつ、職をあてがう。小説のこと、情に厚い善人もいれば、腹の黒いのも登場する。

在读时代小说的时候,偶尔里面会出现一些‘职业介绍者’。这是斡旋主人与打零工之间关系的人。首先让来店里的商人与没有工作的人先体验下,然后再给他们介绍工作。在小说里,既有心地善良的好人,也有心黑之人。

当節は代わって、人材派遣会社である。和紙に筆の時代と違って、日雇いの場合だと、携帯電話やメールで働き手を指図して派遣する。規制緩和の波に乗って、業界全体で大きく売り上げを膨らませている。

现在这则被人才派遣公司代替了。与用笔在和式纸上写字的时代不同,雇佣人的时候,就用手机与电子邮件去指挥派遣工作人员。乘着规则缓和这波浪潮,业界全体的营业额都大幅度的膨胀了。


腹の「黒っぽい」業者もあるようだ。日雇い派遣者からの不透明な天引きが、業界あげての問題になっている。一度の勤務ごとに数百円。名目は「業務管理費」「データ装備費」などさまざまだが、使途ははっきりしない。

好象内心‘全是黑的’业者也是有的。从被派遣的人员这里扣除不透明的金额已经成了整个业界的问题了。每次的工作大概扣除数百元。名目是五花八门“业务管理费”,“数据修饰费”等,但用途却是很不清晰的。


保険料だと説明されたのにケガをしても出ず、「詐欺」と怒る人もいる。厚生労働省は一斉指導に乗り出すことになった。全額返還を決めた大手もあるが、業界全体の総額は100億円を超すと見られる。ちりも積もればと言うが、取りも取ったりである。

虽然说明了是保险费用但有的被雇佣者受伤的时候却不给钱,因而觉得这是‘欺诈’而愤怒的人也是有的。厚生労働省也同时着手处理此事。虽然其中有的大公司决定要全额返还金额,但业界全体的总额估计要超过100亿日圆。虽说是积少成多,但这也是不断压榨的结果。

〈搾取した金は善窃取した金は悪〉と、川柳家の井上剣花坊(けんかぼう)は詠んだ。昭和初期に川柳を「社会詩」と言った人だ。「搾取が善」とは無論、資本家への痛烈な皮肉である。ひそみに倣って、不透明な天引きをどんな種類の「取」とみなすべきか。

川柳家的井上剣花坊曾咏唱过‘压榨的钱是善的,而窃取的钱则是恶的’。他是在昭和初期将川柳说成‘社会诗’的人。‘压榨是善的’,这不用说就是对资本家的严厉的讽刺。我们应该将这种东施效颦,扣除不透明的金额看成是何种‘取’呢?

〈明日と云(い)ふ希望を暗い国に置き〉という、やりきれない句も剣花坊にある。日雇い派遣者には、低賃金に悩む若い世代も多いという。希望まで失うことのないよう、国にはきっぱりした姿勢がほしい。

剣花坊还有一句很辛酸的句子“将明天这个希望放在黑暗的国家里”。据说在被派遣者当中,也有许多烦恼工资低的年轻人。为了不至于连希望也失去,希望这个国家能有一个明确的姿态。


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