300メートルの上空から、「星の湖のようにパリの明かりが見えた」とリンドバーグは回想している。米国の東岸を飛び立った小型機を操り、「翼よ、あれがパリの灯だ」で知られる初の大西洋横断飛行を成し遂げて、きょうで80年になる。

林德伯格回忆道,从300米的高空“能看见灯火辉煌的巴黎象星星闪烁的湖泊”。他驾驶小型飞机从美国东海岸起飞,第一个完成了如他那句名言“机翼啊,那就是巴黎的灯火!”所说的横越大西洋的飞行,至今天已有80年了。

パリに着陸すると、歓迎の群衆が殺到した。機体はもみくちゃにされ、記念品にするために部品がもぎ取られた。人の波で翼が折れるのではないかと、リンドバーグは心配になったそうだ。

飞机刚在巴黎着陆,欢迎的人群就蜂拥而来。机身被挤得一塌糊涂,飞机零部件也被拆下来当作纪念品。据说林德伯格很是担心机翼会不会被人潮挤断。

時は移り、簡単には折れそうもない巨大な翼が、先ごろ名古屋から米国に空輸された。長さ30メートルのそれは、米ボーイング社の新旅客機「787」の主翼である。請け負った三菱重工業が、まず1号機用に作ったものだ。

时过境迁,前些时候,一个看过去并不那么容易折断的巨型机翼从名古屋空运到了美国。那机翼长30米,是美国波音公司新型客机‘787’的主翼,是它的承包公司、三菱重工业首先为1号机制作的。

空に浮く力を得る主翼は、飛行機のシンボルであり生命線だ。その主翼を、ボ社が外注するのは初めてという。日本の「ものづくり」の確かさゆえだろう。ボ社では787を「メード・ウイズ・ジャパン(日本との共作)」と呼んでいるそうだ。

获取空中浮力的主翼是飞机的象征物和生命线。据说,波音公司将主翼外包,这是第一次。这是缘于日本的“制造技术”可靠吧。听说波音公司把“787”称为“made with Japan”(美日合造)。

787の翼は最先端の素材だが、空の大先輩である鳥の翼は前肢が進化してできた。羽ばたいて飛ぶ鳥の出現は1億年あまり前である。ところが空を飛ぶための体の変化は、さらに1億年以上前の爬虫類(はちゅうるい)から始まっていたことが、最近の研究で分かってきた。

787的机翼采用最先进的材料,但空中老前辈——鸟类的翅膀却是由前肢进化而来的。展翅飞翔的鸟类是在1亿多年前出现的。然而,最近的研究表明,为完成在空中飞翔而进行的身体变化是从比鸟类还要早1亿多年的爬虫类就开始了。

計り知れない時をかけて、鳥は空へ上がり、飛行を研ぎ澄ましてきた。片や人間は、引力に逆らう技術を手中にして、まだ百数年である。とても大空で我が物顔などできない。謙虚に、慎重に、翼の安全を目指してもらいたい。

历经了无以估量的漫长时光,鸟类飞上天空,而且精进了飞行本领。而另一方面,人类掌握了逆抗引力的技术不过才100多年。在广阔的天空中实在不能自以为是。希望还要谦虚、谨慎,以确保飞行安全。

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