仕事が立て込む。さらに、あちこちから声がかかる。体がもたないなどと言いつつ、笑顔でこなそうとする。いつでも便利な「コンビニ記者」などと周りから呼ばれる、そんな青年が、昔いた。

工作任务繁重,还要应付方方面面交待的临时任务。嘴上说着身体吃不消了,却还要面带笑容地完成任务。这样的年轻人以前被周围人称作使用顺手的“便利记者”。

★【立て込む  たて‐こむ】〔自五〕①多人数がこみあう。雑踏する。また、仕事用事などが、一度に重なる。「―んでいて手が離せない」②家屋が隙間なく立ち並んでいる。
★【熟す こなす】〔他五〕①砕いてこまかにする。土などを砕いてやわらかにする。②食物を消化する。③思うままに扱う。自由に扱う。「楽器なら何でも―す」④動詞に付いて、その動作を要領よくうまくする意を添える。「機械を使い―す」⑤思うままに処分する。征服する。四河入海「大敵の西夏を―さんと」⑥仕事をすませる。処理する。「一日で―す」

仕事が、各人に完全に平均して課せられることは多くない。仕事の量と難しさに多少のデコボコがあるのが、世間の大方の職場だろう。しかし、それが限度を超えて続けば、健康や命にもかかわってくる。

工作完全平均地分配给每个人的情况不多。工作量与工作难度有一定的差别,这是社会上大多数职场的情况吧。可是如果一直超负荷地工作下去,会影响到健康或生命。

★【課する かする】 [2]  (動サ変)租税?仕事?責任などを義務として負わせる。「税を―する」「任務を―する」
★【大方 おお-かた】[0](名)(1)大部分。大半。「―の人は賛成している」(2)世間一般。「―の御批正を請う」「―の予想どおり」

東京都内の民間病院の小児科(しょうにか)医師が、うつ病にかかって自殺したのは過労やストレスが原因だとして、妻が労災を認めるよう訴えた訴訟で、東京地裁がそれを認めた。多い時は、宿直が月に8回もあって睡眠不足に陥ったと認定し、自殺は過労が原因とした。

度疲劳和精神压力大,向东京地方法院提起诉讼,要求承认丈夫为因公死亡。东京地方法院支持了她的请求。法院认为该儿科医生每月最多时值8天夜班,经常睡眠不足,裁定其自杀的原因为过度疲劳。

★【宿直 しゅく-ちょく】[0] (名)会社学校などで,夜そこに泊まって警戒などに当たること。また,その人。

被告となった労働基準監督署の側は、発症の原因は小児科医個人の「脆弱(ぜいじゃく)性」と主張していたが、判決は退けた。人が、どれほど「脆(もろ)く弱い」のかを決めるのは難しいのではないか。数値にはなじまないし、本人が亡くなっているのだから。

被告劳动标准监督署方面指出产生抑郁症的原因为儿科医生个人的“脆弱性”,判决中法院予以驳回。很难确定人有多么脆弱吧。不宜用数值量化,再说本人已死亡。

90年2月、環境調査会社の男性が突発性心機能不全で亡くなった。40歳で、その頃は月に370時間も働いていたという。朝出勤する時、幼子が言った。「おとうさん、またあそびにきてね」。戸が閉まると母親にたずねた。「おとうさんのおうちはどこなの」(全国過労死を考える家族の会編『日本は幸福か』教育史料出版会)。

1990年2月,环境调查公司一位男性因突发性心肌梗塞死亡。据说该男性40岁,当时每月工作370小时。他早晨上班时,幼子对他说:“爸爸,再来玩啊”。关上门后问妈妈,“爸爸的家在哪里呀?”(全国考虑过劳死问题家属会编,《日本幸福吗》,教育史料出版会)。

「おとうさんなんでしんだんだろうね。はたらいてつかれたの?……しゃしんにうつっているおとうさんほしい」。父あての手紙は、その死への幼く切ない問いかけだ。

“爸爸为什么会死呢?是工作累的吗?……我想要照片上的爸爸(活过来)”。一封寄给父亲的信表达了年幼的孩子对父亲之死的疑问。

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