「その金額は、身に覚えがありません」。もしも、事務所というものに口があったとしたら、少しとがらせて、こんなふうにでも言うのだろうか。松岡農林水産相の資金管理団体の事務所を巡る光熱水費の謎は、そんな空想を誘う。

“具体金额我没有印象”。如果事务所有嘴的话,也会稍稍带着怒气这样说吧。关于松冈农林水产大臣的资金管理团体事务所的照明、取暖、用水等费用之谜引发如此联想。

議員会館にある事務所の光熱水費は、もともと無料だという。従って、政治資金収支報告書に事務所の光熱水費として計上された5年分の約2880万円は、「事務所くん」には本来なら覚えのないものだろう。それともこの事務所には、無料の対象から外れるような特別に高価な仕掛けでもあるのだろうか。

据说议员会馆中事务所的照明、取暖、用水等费用原本是免费的。因此对于以事务所光热水费名义列入其“政治资金收支报告书”中的5年来总费用约2880万日元,“事务所先生”是原本就没有印象呢。还是该事务所另有其他不在免费范围内的昂贵设备。

★【計上 けい-じょう 】 [0]  (名)スル一つ一つ挙げて全体の数値に組み入れること。「特別費として予算に―する」
★【仕掛け  しかけ】1((やりかけ))[しはじめ]开始做,着手;[途中]做到中途,制作中.¶~の仕事/手头上的工作; 还未做完的工作.2((装置))装置,结构中.¶時計の~/钟表的结构.¶電気~のおもちゃ/电动玩具.3((規模))规模.¶~が大きい/规模巨大.4((仕掛け花火))烟火.5((からくり))手法,招数,诀窍.¶どんな~があるかわからない/不知道用的什么手法.¶別に種も~もない/既没有弄虚,也没作假;并没有什么秘密,也没什么消息.

空想のついでに、イソップ物語の「木こりと斧(おの)」の話に飛んでみよう。木こりが誤って斧を川に流してしまう。現れた神が金の斧を手に「お前のか」と聞く。正直者の木こりは違うと答え、次に神が示す銀の斧でもないと言う。最後に本人の斧を出すとうなずいたので、神は三つとも、木こりに与えた。

/联想之余,讲一下伊索寓言中“樵夫和斧头”的故事。樵夫一不留神将斧头掉入河中。河中出现的神拿出一把金斧头问他“这是你的吗?”。正直的樵夫说“不是”,接着神拿出银斧头,他又说“不是”。最后,神拿出樵夫的斧头时,他才点头,后来神将三把斧头都送给了樵夫。

★【樵 きこり】山林の木を伐ること。また、それを職業とする人。樵夫。

それを聞いた男が、わざと斧を流す。神が金の斧を示すと「それだ」と答え、自分の斧も没収されてしまう。

一位男子听说这件事后就故意将自己的斧头掉入河中。当神拿出金斧头给他看时,他说“是”,结果自己的斧头也被没收了。

松岡氏と同様に議員会館だけを事務所にする幾つかの議員のところでは、光熱水費は計上されていないという。「うちの事務所の水は、他のとは違って金の色」とでも言うのでは、「斧」を失うことになるだろう。

据说与松冈大臣一样仅将议员会馆用作事务所的其他几位议员并未将照明、取暖、用水费用列入开支。若是说“我们事务所的水与别人的不同,是金色的”,就会失去“斧头”。

松岡氏のホームページには「真実一路」が信条とある。北原白秋が「巡礼」でうたった。「真実一路ノ旅ナレド、/真実、鈴フリ、思ヒ出ス」。その立派な信条に沿って、鈴を振って思い出し、よく説明してみてはどうか。
 
松冈大臣的主页上有这样一句信条:“真实一路”。北原白秋在《朝拜》中唱道:“真实一路之旅/真实、铃声,一一忆起”。按照这一美好信条,摇着铃回忆一下,好好向大家解释解释,如何?

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