【有声日语文学作品】26.銀河鉄道の夜⑿ (宮沢賢治)
作家であり、詩人であり、教育者でもあった宮沢賢治。明治、大正、昭和の激動の時代を生きた
彼は多くの作品を残し、38歳の若さでこの世を去りました。このサイトでは、初稿が書かれてから
80年近く経った今もいまだに多くの人に愛され、読み続けてられている童話「銀河鉄道の夜」に
スポットを当て、賢治の内面を探りながら読み解いていきます。どうぞお楽しみ下さい。
八、鳥を捕(と)る人
「ここへかけてもようございますか。」
がさがさした、けれども親切そうな、大人の声が、二人のうしろで聞えました。
それは、茶いろの少しぼろぼろの外套(がいとう)を着て、白い巾(きれ)でつつんだ荷物を、二つに分けて肩に掛(か)けた、赤髯(あかひげ)のせなかのかがんだ人でした。
「ええ、いいんです。」ジョバンニは、少し肩をすぼめて挨拶(あいさつ)しました。その人は、ひげの中でかすかに微笑(わら)いながら荷物をゆっくり網棚(あみだな)にのせました。ジョバンニは、なにか大へんさびしいようなかなしいような気がして、だまって正面の時計を見ていましたら、ずうっと前の方で、硝子(ガラス)の笛(ふえ)のようなものが鳴りました。汽車はもう、しずかにうごいていたのです。カムパネルラは、車室の天井(てんじょう)を、あちこち見ていました。その一つのあかりに黒い甲虫(かぶとむし)がとまってその影が大きく天井にうつっていたのです。赤ひげの人は、なにかなつかしそうにわらいながら、ジョバンニやカムパネルラのようすを見ていました。汽車はもうだんだん早くなって、すすきと川と、かわるがわる窓の外から光りました。
赤ひげの人が、少しおずおずしながら、二人に訊(き)きました。
「あなた方は、どちらへいらっしゃるんですか。」
「どこまでも行くんです。」ジョバンニは、少しきまり悪そうに答えました。
「それはいいね。この汽車は、じっさい、どこまででも行きますぜ。」
「あなたはどこへ行くんです。」カムパネルラが、いきなり、喧嘩(けんか)のようにたずねましたので、ジョバンニは、思わずわらいました。すると、向うの席に居た、尖った帽子をかぶり、大きな鍵(かぎ)を腰(こし)に下げた人も、ちらっとこっちを見てわらいましたので、カムパネルラも、つい顔を赤くして笑いだしてしまいました。ところがその人は別に怒(おこ)ったでもなく、頬(ほほ)をぴくぴくしながら返事しました。
「わっしはすぐそこで降ります。わっしは、鳥をつかまえる商売でね。」
「何鳥ですか。」
「鶴や雁(がん)です。さぎも白鳥もです。」
「鶴はたくさんいますか。」
「居ますとも、さっきから鳴いてまさあ。聞かなかったのですか。」
「いいえ。」
「いまでも聞えるじゃありませんか。そら、耳をすまして聴(き)いてごらんなさい。」
二人は眼(め)を挙げ、耳をすましました。ごとごと鳴る汽車のひびきと、すすきの風との間から、ころんころんと水の湧(わ)くような音が聞えて来るのでした。
「鶴、どうしてとるんですか。」
「鶴ですか、それとも鷺(さぎ)ですか。」
「鷺です。」ジョバンニは、どっちでもいいと思いながら答えました。
「そいつはな、雑作(ぞうさ)ない。さぎというものは、みんな天の川の砂が凝(こご)って(读错)、ぼおっとできるもんですからね、そして始終川へ帰りますからね、川原で待っていて、鷺がみんな、脚(あし)をこういう風にして下りてくるとこを、そいつが地べたへつくかつかないうちに、ぴたっと押(おさ)えちまうんです。するともう鷺は、かたまって安心して死んじまいます。あとはもう、わかり切ってまさあ。押し葉にするだけです。」
「鷺を押し葉にするんですか。標本ですか。」
「標本じゃありません。みんなたべるじゃありませんか。」
「おかしいねえ。」カムパネルラが首をかしげました。
「おかしいも不審(ふしん)もありませんや。そら。」その男は立って、網棚から包みをおろして、手ばやくくるくると解きました。
「さあ、ごらんなさい。いまとって来たばかりです。」
「ほんとうに鷺だねえ。」二人は思わず叫(さけ)びました。
译文:
第八章 捕鸟人
“坐在这可以吗?”
二人身后传来一个嘶哑而又亲切的男人声音。
这是一个身穿破旧外套的人,一个大白布包裹搭在两个肩头,留着红胡须,背有些驼。
“可以。”焦班尼耸了耸肩,作为打招呼。那人胡梢略带微笑,把行李轻轻放到行李架上。焦班尼心头猛然涌起一阵说不出的心酸和悲伤,他默默地注视着正面的大钟。远处传来一声清脆的哨音,火车缓缓启动。柯贝内拉不住地观察着车厢的天花板,一只独角仙落在电灯上,投下一条巨大的阴影。红胡子像老朋友似地含笑注视着焦班尼和柯贝内拉的一举一动。火车速度逐渐加快,芒草与河水交替从车窗流过。
红胡子畏畏缩缩地向他俩询问:“你们二位,去哪儿呀?”
“想到哪儿就到哪儿。”焦班尼略有些难为情地回答。
“那太好了。这列火车实际上哪儿都可以去。”
“你去哪儿呀?”柯贝内拉突然气冲冲地冲那人问。焦班尼愣了一下,不禁笑了起来。这时,坐在对面的一个头戴尖顶帽、腰挂一条大钥匙的男人,也望着这边笑了。柯贝内拉也不由得红着脸笑了起来。红胡子虽然没有生气,但面部有些痉挛,紧张地说:“我马上就下车,我是靠捕鸟谋生的。”
“捕什么鸟?”
“仙鹤、大雁,还有白鹭和天鹅。”
“仙鹤多吗?”
“多得是。仙鹤一直都在叫呢,你没听到吗?”
“没有啊。”
“现在还在叫呢,你仔细听。”
他们俩竖起耳朵,仔细倾听。从咣当咣当的车轮声和风吹芒草声浪之间,传来一阵如泉水涌流的声响。
“你是怎么捉仙鹤的呢?”
“你是说仙鹤呢,还是白鹭?”
“先说白鹭吧。”焦班尼觉得随便说什么都行,敷衍着说。
“捉这家伙最容易不过了。白鹭是天河的白沙凝固而成的。
她们终究是要回到河边来的,只要你在河岸上埋伏等待,当白鹭们飞回来,双腿将要着地还没着地的一瞬间,‘啪’地扑上去按住,就抓到了。白鹭马上就会僵硬,老老实实地死去。之后就不用说了,把它压缩起来就是了。“
“你是说把白鹭压缩起来吗?是做标本吗?”
“什么标本,人们不是常吃的吗?”
“奇怪啦。”柯贝内拉歪着头说。
“没什么可奇怪的,你们看。”说着,男人从行李架上取下自己的大包裹,敏捷麻利地解开袋子。
“来,你们看,这是刚捉来的。”
“真是白鹭!”两人不约而同地惊叫起来。
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