日本を訪れた駐在員や外国人は、日本の子どもの振る舞いを見て、しばしば驚く。

来访日本的逗留者或外国人,常常惊讶于日本孩子的举止。

日本人の子どもは騒がしくなく、大人っぽくて、自己充足的。欧米人は自国の子どもに比べるとき、日本人の子どもに対してこのような印象を持つ。なぜ日本人の子どもはお利口なのか。

日本娃娃不吵不闹,跟小大人似的,自己跟自己玩儿。欧美人比较起自己国家的孩子时,对日本人的孩子即有着上述印象。那为何日本孩子那么乖巧呢?

日本在住外国人はそれぞれに理由を説明する。「日本人の子育てが厳しいから。」、「日本は治安がいいので、小さいうちから自立した行動を教えるチャンスがあるのよ。」、「日本人は欧米人より、子どもを子ども扱いしないわ。」…e.t.c.

住在日本的外国人说出了各种各样的理由,“日本人家教严厉”“日本治安好,从小就教育孩子自立行动”“日本人比起欧美人,像对待成人一样对待孩子”等等。

子どもの成長は複雑で、文化や子どもの気質、母親の性格など、多くのファクターに影響を受けているのは言うまでもない。だからこそ、子育てに対する質問は後を絶たないのである。

孩子的成长过程十分复杂,自不必说,会受到文化、孩子的气质、母亲的性格等众多因素的影响。因此,育儿问题是说不尽的。

日本人の典型的な子育てスタイルってなに?

日本人典型的育儿方式是?

ドイツの発達心理学者ハイジ・ケラーによると、子育てスタイルは大きく2つに分けられる。「近位」と「遠位」だ。簡単に言うと、近位的子育て法とは、母と子の一環した長期にわたるボディーコンタクトがある子育て法だ。対する遠位的子育て法は、アイコンタクトや顔の表情、言葉に重きを置いたものである。

德国发展心理学家Heidi Keller指出,育儿方式分为2种,“近位”和“远位”。简单来说,近位育儿,是指母亲和孩子长期有身体接触环节的育儿法。而相对的远位育儿法,则是以眼神交流、脸部表情及语言表达为主的方法。

日本では、近位的子育て法が一般的。川の字になって親子が一緒に寝る、一緒にお風呂に入るなど、欧米ではあまり見られない母と子の体の触れ合いが日本では標準である。

日本一般以近位育儿法为主。亲子成川字型一起睡觉,一起洗澡等,在欧美不太常见的母子身体接触却是日本的标准模式。

日本人の母親は、子どもが求めているものを先回りして読むのが得意だ。なかでも、騒ぎを起こす前に予想することは優先事項である。さらに、日本の母親は子どもと一緒にいる時間が欧米人より長い。子どもが2歳になるではほぼ毎日四六時中一緒にいることが多い。ある調査によると、日本人が赤ん坊と一緒にいない時間は、週に平均で2時間程度。アメリカ人は約24時間なので、差は歴然としている。

日本母亲非常擅长事先了解孩子的需求。其中,会预先准备应付会引起吵闹的事件。而且,日本的母亲和孩子在一起时间远比欧美人长。孩子在2岁前,大多数几乎每天24小时和母亲在一起。根据某调查表明,日本人不和婴儿在一起的时间,每周平均约2个小时。而美国人约24小时,差别显而易见。

日本人は、ベビーシッターや祖父母に子どもを預けて、夫婦で映画を観に行ったり、夫婦だけで旅行に行くようなことはしない。日本の文化では、これはあまり良いようには思われないからだ。日本で責任感のある母親として認められたいのなら、子どもが生まれてからの最初の2年間は(最低でも)、付きっきりになってあげなくてはいけない(しかし、現状は変わりつつあり、以前に比べてワーキングマザーは増加傾向にある)

日本人不会把孩子寄放在保姆或祖父母那里,而夫妻自己去看电影、二人世界去旅行什么的。在日本文化里,这是一种不太好的表现。在日本想要被当作是个有责任感的母亲,从孩子出生到2最(最低限度),必须和孩子在一起(不过现在状况已有所改变,和以前相比,非全职主妇有增加的倾向)。

欧米人からの視点だと、日本の子育ての仕方は「甘やかしている」ように映るかもしれない。欧米では、一般的に母親が子どもに自立していくよう働きかける。欧米では、生まれて間もないころに母親に依存している赤ん坊を、少しずつ自立させていく必要があると考えるからだ。子どもの自立を助ける一つの方法に、子どもの自己表現を評価し、伸ばすという方法がある。欧米人の母親は、子どもが騒がしくするのを認めてあげることこそが、自己表現と自己主張という極めて重要なスキルを伸ばすのために必要だと考えている。子どもが騒ぐのをやめさせたいと思う衝動は、とても大切な教訓を学ぶ機会を子どもから奪うことにつながるのである。

从欧美人的观点来看,日本的育儿方法可能显得有些“娇惯”。一般欧美的母亲总是促使孩子自立。刚出生不久依赖母亲的婴儿,就考虑让他一点点开始自立起来。帮助孩子自立的方法之一,便是不断表扬、褒奖孩子的自我表现。欧美的母亲认为,孩子吵闹是一种自我表现和自我主张、十分重要的技能,是成长中的必需品。那种制止孩子吵闹的冲动,会剥夺孩子学习重要教训的机会。

日本人の子育てでは、どんな大人に育つのか?

日本的育儿法,会造就怎样的大人?

典型的な日本人の子育て法(近位的子育て法)の結果がどうなるのかを理解するには、まず自己制御性を理解することが重要だ。自己制御性とは、自分の感情や行動、思考や注意などをコントロールし、モニターできる能力をさす。

要理解典型的日本育儿法(即近位育儿法)的成果,首先要理解自我控制性。所谓自我控制性,即指能控制自己的感情、行为、思考、注意力等的监控能力。

例えば、親の言うことを聞く力や、自立して感情的な悲痛から立ち直れる力、しなくてはいけないことを最後までやり通す力、失敗した後の行動力などである。

例如,倾听父母之言的能力、自己从悲痛情感中振作的能力、必须要做的事情坚持做完的能力、失败后的行动力等。

ハイジ・ケラーは、日本の子育て法である近位的子育て法と、幼児期の自己制御力にはっきりとした相関関係があると説いている。つまり、一般的に日本の子どもたちは欧米の子どもに比べ、自己制御力という点で優れているのだ。反対に、欧米的子育ての遠位的子育て法は、幼児期の自己認識力を伸ばす子育て法である。

Heidi Keller认为,日本的近位育儿法,和幼儿期的自我控制力息息相关。换言之,一般的日本孩子就比欧美的孩子自我控制力更强。相反,欧美的远位育儿法则是一种拓展幼儿期自我认知能力的方法。

自己認識力とは、自分の考えや感情は、他人とは違うことを理解する能力である。

所谓自我认知能力,则是一种能理解自己的想法、情感与他人不同的能力。

欧米人の子どもは、自己制御力という観点では日本人の子どもに劣るが、環境の中で自分も役者なのだと認識するのが早いのだ。自分がいる環境に影響を与え、コントロールする力があることを早い時期から認識し始めるのである。「僕が泣いたから、お菓子をくれた」、「私が駄々をこねたから、ママが元気づけてくれた」など、自分の行動によって、どのように周りが動き、どのような影響を与えるのかを理解する能力に長けているのである。

欧美的孩子虽说在自我控制力方面比日本孩子差,但他们在环境中,很快能认识到自己也是社会中的一名演员。自己能影响所在的环境,从很早时期就开始拥有控制力。例如“我一哭,就会给我点心”“我要是撒娇,妈妈就会振作起来”等,能充分理解自己的行为会对周围造成什么的影响。

共感力の重要性

共鸣能力的重要性

集団主義社会で、集団のハーモニーを重要視する日本の社会では、自分の行動が他人にどういう影響を与えるかを理解しておくことが何よりも重要である。よって、共感する力が日本文化の中核となっているが、これは親がするしつけでも同じである。対する欧米人は相手の気持ちを察することよりも、命令に応じるコンプライアンスを重要視する(言葉による命令や罰を与える)。

在日本这个重视团队协调的集体主义社会中,能理解自己的行动对他人造成什么样的影响比什么都重要。因而,产生同感的能力是日本文化的核心,这和父母的教育是一样的。相对来说,欧美人比起察觉对方的心情,更重视顺从命令(即言语命令及给予惩罚)。

日本でのしつけとは

日本的教育

日本はどちらかというと厳しい文化だと捉えられるので、多くの外国人が日本の家庭でのしつけは厳しいのではないかと予想するが、これは必ずしもそうではない。欧米人の親がルールを守ることや罰の一貫性を重要視するのに対して、日本人の親はルールを曲げることも状況によってはあるし、罰を与えることをあまりしない。

日本相对来说是一个文化严谨的国家,大多数外国人都觉得日本家庭教育恐怕十分严厉。当然这也不一定。对于欧美家长重视守规则、一贯性惩罚,日本父母根据情况不同改变规则时有发生,基本上不会惩罚孩子。

その代わりに、日本人の子どもは小さなコミュニティー(学校、部活、塾など)に入れられ、そこで協調性や協力の仕方などを学んでいく。このようなコミュニティーからの社会のプレッシャーが、ルールの執行者となり、間接的にコンプライアンスを求め、子どもたちに適切な行動と従順性を教えるのだ。

反而,日本的孩子从小被送入集体中(学校、俱乐部活动、私塾等),在那里学习协调性和合作方法等。像这样,从集体中体会社会的压力,成为规则的执行者,间接性地学会顺从,教导孩子们做出适当的行为及温顺的表现。

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