福田総理大臣:

昨年私は、安部前総理大臣からバトンを引き継ぎまして、9月26日に総理に就任以来、1年近くたちました。

与党が過半数割れをするという状況のなか、困難を承知で引き受けをしたということであります。正直申しまして、最初から政治資金の問題、年金記録問題、防衛省の不祥事等々、次から次へと積年の問題が顕在し、その処理に忙殺されました。

そのなかでも将来を見据えながら、目立たなかったかもしれませんけれども、これまで誰も手をつけなかったように国民目線での改革に着手しました。

最終決着はしていませんけども、その方向性を打ち出せたと思っております。さらに、今年に入ってからは経済景気問題が大きな課題として浮上しました。なんとかして強力な対策をしていかなければいけないと思ったわけでございますが、その体制を整えることを目的に8月に改造を断行致しました。強力な布陣の下で、先週金曜日に総合的な対策の元を取りまとめることができました。臨時国会では、この対策を実施するための補正予算、消費者庁設置法など国民生活にとって一刻の猶予もない重要な案件を審議致します。先の国会では、民主党が重要案件の対応に応じず、国会の駆け引きで審議引き延ばしや審議拒否を行った。

その結果、決めるべきことがなかなか決まらない。そういう事態が生じたほか、何を決めるにも時間がかかったということは事実でございます。

今、日本経済は、また国民生活を考えた場合に今度開かれる国会で、この様なことは決して起こってはならないこと。そのためにも体制を整えたうえで国会に臨むべきであると考えました。国民生活のことを第一に考えた時、今ここで政治の駆け引きで政策の歩みを止めることがあってはなりません。

この際、新しい布陣の下に政策の実現を図って参らなければいけないと判断をし、私は本日辞任をすることを決意致しました。