日本大学入試問題1999年国語I問題一
来源:沪江博客
2008-06-26 12:09
次の文章を読んで,後の問い(~)に答えよ。(配点 50)
傍線部~は熟語の一部である。これにあたる漢字を含むものを,次の各群の~のうちから,それぞれ一つずつ選べ。解答番号は~。
傍線部「私は,この聞きかじったばかりの「ホットな知識」を何とか友だちに伝えようと懸命になった」とあるが,この『ホットな知識』は,小学校にあがって間もないころの筆者に対して,どのような影響をもたらしたか。その説明として最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
傍線部「そもそもどうして私は,当時のこの年齢にはふさわしいと思えない「宇宙」についての話題などを,それも,ことさら理屈っぽいしかたで友だちに提供しようとしたのだろうか」とあるが,「ことさら理屈っぽいしかたで友だちに提供しようとした」理由の説明として最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
傍線部「このことは,この年齢くらいの子どもにとってある普遍的な意味を提供してはいないだろうか?」とあるが,ここで筆者はどのような問題を考えようとしているのか。その説明として最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
破線部「友だち」(第六段落)について,この段落に登場する「友だち」は,本文における筆者の考え方によれば,どのような子ども像を表しているといえるか。最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
本文において,筆者は,どのように論旨を展開しているか。その説明として最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
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傍線部~は熟語の一部である。これにあたる漢字を含むものを,次の各群の~のうちから,それぞれ一つずつ選べ。解答番号は~。
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クゲンを呈する。 | |
クテンをつけ忘れる。 | |
お金をクメンする。 | |
新技術をクシする。 | |
イク同音に答える。 |
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優勝をキガンする。 | |
財産をキフする。 | |
会のキソクを守る。 | |
注意をカンキする。 | |
学問のキソをつくる。 |
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食糧をキョウキュウする。 | |
年末にキョウリへ帰る。 | |
採決をキョウコウする。 | |
絵をキョウバイにかける。 | |
キンキョウを報告する。 |
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事業にトウシする。 | |
乳牛をシイクする。 | |
権力をコウシする。 | |
計画をジッシする。 | |
社会にホウシする。 |
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原料をカコウする。 | |
負傷者をタンカにのせる。 | |
外出をキョカする。 | |
商品のカカクを調べる。 | |
病状のケイカをみる。 |
傍線部「私は,この聞きかじったばかりの「ホットな知識」を何とか友だちに伝えようと懸命になった」とあるが,この『ホットな知識』は,小学校にあがって間もないころの筆者に対して,どのような影響をもたらしたか。その説明として最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
その知識は未知の世界が確かに存在するということを暗示するものであったので,未知の世界へのあこがれが強められ実際に体験してみたいという思いを抱くことになった。 | |
その知識は果てしなく広がっている神秘的な世界を想像させるものであったので,これまでの生活の中では経験したこともないような不思議な感覚が新たに付け加えられることになった。 | |
その知識は同年代の友だちがだれひとりとして知らない大人の世界の情報であったので,友だちに説明しようとしても理解してもらえず大きな謎(なぞ)が心に残ることになった。 | |
その知識は宇宙という非日常の世界がどのようなものであるかを考えさせるものであったので,それまでに日常生活の中で身につけてきたものの見方が根底から揺り動かされることになった。 | |
その知識は無限に広がる別の世界がどこにあるかということを知らせる情報であったので,驚いてすぐに友だちに話してはみたものの十分に説明ができず自らの幼さを思い知らされることになった。 |
傍線部「そもそもどうして私は,当時のこの年齢にはふさわしいと思えない「宇宙」についての話題などを,それも,ことさら理屈っぽいしかたで友だちに提供しようとしたのだろうか」とあるが,「ことさら理屈っぽいしかたで友だちに提供しようとした」理由の説明として最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
親から与えられた知識は絶対的な真理にも等しいものであったが,自分では感覚的に理解できないもどかしさを友だちと分かち合い,その知識によってもたらされた不安を取り去りたかったから。 | |
変なことを言うやつだと友だちにからかわれながらも,自分が手に入れた真理をどこまでも主張することで,たとえ友だちから理解されなくても大人の仲間入りをした喜びを失いたくなかったから。 | |
無神論者に向かって神の存在を主張するときのように,納得してもらえないとわかっていても,友だちに新しい世界像を伝えて,同じ世界を友だちと共有する喜びを味わいたかったから。 | |
これまでの知識では処理しきれない不気味なものについて友だちに何度も繰り返し説明を試みることによって,少しずつ不気味さを取り払い,ごく当たり前のこととして納得したかったから。 | |
自分が提供した話題を単なる知識として受け取るのではなくて,友だちにはどんな時でも真実を探究する態度を忘れず,自分自身の問題として真剣に考えてほしいと願っていたから。 |
傍線部「このことは,この年齢くらいの子どもにとってある普遍的な意味を提供してはいないだろうか?」とあるが,ここで筆者はどのような問題を考えようとしているのか。その説明として最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
幼児期から児童期への移行においては,想像力をはたらかせて精神的に背伸びをするということが必要であり,その時期に大人に保護されることは自立への意欲を損なうのではないかということ。 | |
幼児期から児童期への移行においては,自分のなじんできた身体感覚が一度は否定される必要があり,そうした時期に友だちと対決することが成長するための条件になるのではないかということ。 | |
幼児期から児童期への移行は,幼児期において無意識のうちにかかえこんだ存在の不安を,友だちとの協力関係によって乗り越えようとする努力のなかで成し遂げられるのではないかということ。 | |
幼児期における認識は,立つことに始まる成長のなかで形成された身体感覚に基づいているが,大人から与えられる知識によってさらに安定した児童期へと移行していくのではないかということ。 | |
幼児期における認識は,大人とのコミュニケーションのなかで培われた身体感覚によって支えられているが,その感覚のありようが変革されることで児童期へと移行していくのではないかということ。 |
破線部「友だち」(第六段落)について,この段落に登場する「友だち」は,本文における筆者の考え方によれば,どのような子ども像を表しているといえるか。最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
「友だち」は,一面的な見方しかできない大人びた頑固な考え方を嫌い,常に柔軟で自由な想像の世界に遊びたがっている子ども像を表している。 | |
「友だち」は,日常生活のなかで身につけてきた感覚を唯一のよりどころとしながら,安定した世界に身を置いている子ども像を表している。 | |
「友だち」は,自分たちの認識のあり方をあらためて吟味することもなく,自己中心的な態度をひたすら守ろうとしている子ども像を表している。 | |
「友だち」は,最先端の科学的な知識を取り入れようとすることよりも,これまでの仲間同士のつながりを大切にしようとしている子ども像を表している。 | |
「友だち」は,親から言われたことをそのまま受け売りする安易な態度に反発し,自分たちの世界を守り抜こうとしている子ども像を表している。 |
本文において,筆者は,どのように論旨を展開しているか。その説明として最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
筆者は,新しい知の体系への入門として簡単な思い出話をまず提示し,次に幼いころの内面の世界を克明に論じることで,新しい知の体系そのものの複雑さをきめ細かくとらえようとしている。 | |
筆者は,具体的な思い出話によって文学的な世界を提示し,その後でそれとは対照的な知の世界に論及することで,移行期における想像力と認識の問題をそれぞれの側面から深くとらえようとしている。 | |
筆者は,幼いときに経験した出来事を具体的に描き,そのときの自分の気持ちを自問自答しながら分析することで,新しい知の体系へと進んでいく移行期のようすを論理的にとらえようとしている。 | |
筆者は,幼いころの思い出を語りながら,一方でコミュニケーションに関する議論を具体的に展開することで,感性的な知のあり方と理性的な知のあり方の違いを客観的にとらえようとしている。 | |
筆者は,幼いときの時代背景を説明したうえで身近な友だちとの思い出を語り,その後で自分自身の内面を省みることで,時代状況に規定された知のあり方を分析的にとらえようとしている。 |
問1 | 問2 | 問3 | |
正解 | 5 | 4 | 3 |
配点 | 2 | 2 | 2 |
問4 | 問5 | 問6 | |
正解 | 1 | 2 | 4 |
配点 | 2 | 2 | 8 |
問7 | 問8 | 問9 | |
正解 | 1 | 5 | 2 |
配点 | 8 | 8 | 8 |
問10 | - | - | |
正解 | 3 | - | - |
配点 | 8 | - | - |
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