【日影】《情书》02
彼の暴動も空しく
―(1)―
でもあいつは仕事をさぼってばかりで、ほとんど働いてくれませんでした
藤井君、ちょっとこっちやってください
あいつとにかくたくさんの本を借りてくの
それも青木昆陽の伝記とか、マラルメの詩集とかいう類の本
―(2)― こんなの読むの
読むわけないじゃん、
藤井樹 ストレートフラッシュ
要するに、あいつは誰も借りてない白紙のカードに自分の名前を書くのを楽しんでただけなの
飽きれた私は彼にこう言いました
馬鹿じゃない
―(3)―
飽きもせずに、 ―(4)―
とにかく、変なやつでした
結局あたし達は図書室員送りにされました 要するに誰も借りないような本ばかりだったの でも彼にはこのいたずらがよっぽど気に召したみたいで しょっちゅうやってました