万叶恋歌 「-樁之章-」(石田彰) 10 永不忘记
10 忘れた日はない 文化祭から数日経った。放課後、俺は生徒会室に行く途中、一人で歩いている彼女を見つけた。声をかけようか悩んでいると、彼女は俺の姿に気がついたのか。こっちへ向かってきた。 「これから生徒会に行くのか?」 「あ、俺も。」 「え、元気がない?そんなことはない。ただ、ちょっと悩み事あるだけだ。」 「悩み事なら相談に乗る?じゃ~お言葉に甘えようかな~お前は、初恋の人って覚えてるか?」 「覚えてない。そっか。実は、ずっとそのことで悩んでるんだ。小さい頃一緒に雪だるまを作った女の子がいるんだ。それ以来会ってないけど、ずっと忘れられない。やっぱり自分がこの世に生まれてきて、一番最初に恋をした人だからかな。今も初恋の女の子の夢をときどき見るころがある。その夢を見た朝は、絶対に悲しい気持ちになるんだ。」 「何?もう一度初恋の女の子に会いたいから悩んでるかって?ふんふん~あたり。さすがだな。ずっと考えてたんだけど。初恋の女の子に会ったら、面と向かって言いたいことがあるんだ。俺は、出会った時からずっと好きだった……今も……忘れた日なんてないって…… ---秋の 木の下隠り行く水の 我れこそ増さめ 思ほすよりは--- 表には出さないけど、私のほうがあなたを思っている。あなたが私を思うよりも。 俺は彼女の目をまっすぐ見つめた。心の中でお前に言ってるんだ。お前が俺の初恋なんだと、何度も呼びかけた。胸が苦しくて、呼吸がうまくできない。早くこの気持が彼女に伝わればいいのに……彼女が全部思い出してくれればいいのに……
文化祭过后的某天。放学后,我在去学生会室的路上,看到了孤单一人的她。正犹豫要不要打招呼时,她好像也看到了我,朝这边走来。 “要去学生会?” “啊,我也是。” “诶,不舒服?没那回事。只是,有点烦心事而已。” “心烦的话可以找你聊聊?那~我就不客气了~你还记得你的初恋吗?” “不记得了。这样啊。实际上,我一直在为这件事烦恼。小的时候,有个女孩和我一起堆过雪人。那之后虽然没有再见过,可是我一直没能忘记她。毕竟,她是我出生后第一个喜欢上的人吧。现在也时常会梦到她。每次做了这样的梦,早晨醒来后就会觉得有点悲伤。” “什么?因为想再见她一面所以烦恼?呵呵~答对了~不愧是你啊。我一直在想,如果见到那个初恋的女孩,一定要当面对她说:我从遇到你的时候开始,就一直喜欢你……现在也是……从没有一天忘记过……” 『秋山树下水,潜流长;较君相思意,我恋深更强。』 从外表或许无法看出,我在想念着你,一定比你想念我更甚…… 我直视着她的眼睛。在心中不断地呼喊:我在对你说啊!你就是我的初恋啊!胸口好痛,无法呼吸。能早一点把我的心情传达给她就好了……她能早一点回忆起一切就好了……