英国寓言
間もなくメンドリは、まっ白になった粉の袋をかついで帰ってきました。  そして、大声で言いました。 「おいしいパンを焼くのよ。誰か、手伝ってちょうだい」  すると、アヒルは、 「そんなめんどうな事は、大きらい」  ブタは、 「そんなしんどい事は、大きらい」  ネコは、 「そんなじゃまくさい事は、大きらい」  誰も、手伝ってくれません。  しかたなくメンドリは、1人でパンを焼きました。  とってもいい香りのパンが、焼き上がりました。 「さあ、子どもたち。パンを食べましょう」  メンドリとヒヨコたちがパンを食べ始めますと、みんなが集まってきました。  アヒルが、 「おいしそうね。そのパンを、わたしにもくださいな」  ブタが、 「うまそうだな。そのパンを、ぼくにもくださいな」  ネコが、 「いい香りね。そのパンを、わたしにもくださいな」  すると、メンドリが言いました。 「いいですよ。このパンを作るのを手伝ってくれた人から、順番にあげます。さあ、誰が最初に手伝ってくれましたか?」  それを聞いて、アヒルもブタもネコも、恥ずかしそうに帰って行きました。