脱出ドアは3つだけ&ほぼ満席…でも全員生還
安全门只有3个&几乎满座......依旧全员生还
2024年1月2日17時47分頃、JAL(日本航空)の新千歳発羽田行きJL516便が、羽田空港第2ターミナル前のC滑走路で海上保安庁の飛行機と衝突し、炎上しました。衝突後のJAL機はみるみる火がまわり大破しましたが、この機の乗客367人、乗員12人の計379人は、18時5分に全員が脱出しています。
日本时间2024年1月2日17点47分左右,JAL(日本航空)从新千岁机场起飞,飞往羽田机场的JL516次航班,在羽田机场第二航站楼C跑道与海上保安厅飞机相撞起火。相撞后的客机眼看着火损毁严重,但机内367名乘客、12名机组人员共计379人,于18点05分全部平安逃生。
損壊状況から見て犠牲者が多数出ても全く不思議ではなさそうな状況下、今回同機の乗員・乗客が“全員生還”を遂げたことについて、海外メディアでは同機の搭乗していた乗員の行動に対し「奇跡」「信じられない」などとも報じられました。この“奇跡の18分”実現の要因には、どのようなものがあったのでしょうか。
从飞机损坏程度来看,这场事故即便造成众多死伤也毫不奇怪,而这次机内所有乘客和机组人员却“全员生还”,很多海外媒体纷纷报道该航班机组人员的行动“真的是奇迹”、“难以置信”。那么,这“奇迹的18分钟”究竟为何能够实现呢?
JL516便に使用されたのは、JALの国内幹線向け主力機「エアバスA350-900」。この機の客席数は369です。発表された乗客数からすると、ほとんど満席の状況であったことがわかります。
JL516航班使用的是日本航空公司国内线主力机型“空中客车A350-900”。该机型载客量为369人。对比公布的乘客人数,可以看得出来这趟航班是几乎满座的。
さらにこの機体は左右に各4つ、計8か所にドアがあり、地上での緊急脱出時には、これらのドアから「脱出用スライド(すべり台)」が出て、乗客はそこから滑り降りる形態をとっています。旅客機では実用化に不可欠な「型式証明」取得の際、「機内の半分の脱出ドアを使用して、乗客・乗員全員が90秒以内に機内から脱出できる」という、いわゆる「90秒ルール」があり、機体はそれに基づいて設計されます。
机体左右各有4个机舱门,共计8个机舱门,在地面紧急逃生时,这些门会伸出“逃生用滑梯”,供乘客滑下逃生。获得作为客机使用不可或缺的“型号合格证”时,会有一个“90秒原则”,即“机舱内一半的门将作为逃生安全门使用,保证所有乘客及机组成员在90秒内撤离机舱”,飞机机体要根据这一原则进行设计。
しかし、以下のJALの報道発表によると、同便は満席であるだけでなく、「脱出ドアの半数以上が使用不可」という状況だったことがわかります。
然而,据日航发表的内容可知,该航班发生事故时,不仅乘客几乎满员,还面临着“超过一半的安全门无法使用”的状况。
「脱出時に機内のアナウンスシステムが不作動となったため、客室乗務員がメガホンと肉声でご案内を実施した。安全に脱出できる出口を客室乗務員が判断し、3箇所の非常脱出口から乗客乗員全員が脱出した」(JALの広報発表資料より)
“由于撤离时机内的广播系统已经瘫痪,乘务人员只能用话筒或大喊为乘客做出指引。乘务人员分辨出可以安全撤离的逃生出口,带领全体乘客和机组人员从3个逃生口安全撤离”。(据日航发布资料)
この状況下で全員脱出を達成したプロセスについて、JALが3日夕刻に記者会見を実施。同社の幹部の一人は「非常ドアの操作などの緊急脱出訓練は全乗務員が年に1回、丸1日かけて行い、ブラッシュアップしています。個人的には、その結果が出たのではないかと考えています」とコメントしています。
针对机组人员在这一状况下全员平安撤离一事,日航在3日傍晚召开了记者会。一位公司干部称:“全体乘务人员每年都会进行一次包括逃生安全门的操作在内的紧急撤离训练,每次训练要花费一天的时间练习复习。我个人认为,这次安全撤离就是这一训练的结果”。
「奇跡の18分」実現の経緯
“奇迹18分”的行动经过
「まずパイロットは着陸接地後、突然の衝撃を察知しました。その後結果的に機体は滑走路の右側に反れました。機体停止後、パイロットは当初、火災の認識はなかったそうですが、CAからの報告をうけ、所定の手続きを踏んだうえ、脱出を指示しました。パイロットは脱出前の最終客室チェックをした際に、取り残されていた方も何名かいたため、機長がお客様に脱出するようご案内し脱出を確認したうえ、最終的に後方左側のドアから脱出しています」
“首先,飞行员在着陆接地后发现了突然的撞击,之后机身向跑道右侧倾翻。飞机停止后,飞行员一开始没有发现火灾,后接到乘务人员的报告,在履行了规定的手续之后,下达了逃生指令。飞行员在撤离前对客舱进行了最终检查,当时还有几位乘客留在舱内,机长指引并确认了乘客安全撤离后,才最后自左后方舱门撤离”。
「客室では機体が完全停止した後、まずお客さまのパニックのコントロールをしました。そのさい、CAが左側のドアから火が見えると報告をうけ、機長に報告し脱出指示をもらい、脱出を開始しています。客室は着陸の際に煙が入り始め、機内に充満していたようです」
“客舱内,飞机完全停止滑行后,乘务人员首先对乘客的恐慌情绪进行了安抚和控制。同时,乘务人员接到左侧门有火光的报告,立即向机长报告并获得逃生指令,开始指引乘客逃生。飞机着陆时,客舱已经开始进烟,舱内充满烟雾”。
「脱出時、機長の指示で左右の最前方ドアから脱出を実施したものの、客室最後部は、右側のドアの近くから出火が確認されたために開けることができないとCAが判断しました。一方で、左側は出火がないことを確認したため、ドアを開放しています。なお、何らかの理由で機内のインターホンや通信システム(PAシステム)が故障したため、機長の承認を得る前に、日頃の訓練のケーススタディをもとに、CAの判断でドアを開放しています。ほかのドアが開けられなかったのは、その部分のドアの保安を担当したCAが『火災が確認され、危険を伴うため使わない』という判断をしたと考えられます」
“撤离时,原计划遵循机长的指示,通过最前方左右两扇舱门进行逃生,但由于客舱尾部右侧门附近确认着火,乘务人员判断不能打开舱门。同时已确认左侧没有着火,因此打开了左侧舱门。而机内内线和广播系统也不知为何出现了故障,于是乘务人员在得到机长指示之前,便根据日常的训练,打开了可以逃生的舱门。之所以没有打开其它舱门,是因为负责这部分舱门的乘务人员判断‘确认着火,可能会发生危险因此没有打开’。”
JALの経営陣は脱出までのプロセスをこのように話します。
日航运营人员是这样描述当天的整个撤离过程的。
また、報道されている現地の動画などを見ると、同便の乗客の多くが、CA(客室乗務員)の指示に従い冷静に行動している様子も見られます。迫る恐怖のなか、乗客の方がプロの判断をしっかり仰いでいたことも、「奇跡の18分」を生み出した要因のひとつであることは間違いなさそうです。「安全のため『手荷物を持たずに脱出していただきたい』というお願いを、お客様が受け入れて下さったことが、今回の迅速な脱出につながった要因のひとつと認識しています」(JAL)
此外,从媒体报道的现场视频来看,机舱内多数乘客都十分冷静地在乘务人员的指示下有序撤离。乘客在身临恐怖之中还能切实听从乘务人员的专业判断,无疑也是这“奇迹18分”能够最终实现的一大原因。“我认为乘客能听从乘务人员为了大家的安全‘请在撤离时不要携带随身行李’的请求,也是本次能够迅速撤离危险区域的一大重要原因”。(日航)
なお、JL516便と衝突した海上保安庁機の乗員は、機長を除く5人が亡くなっています。事故原因の調査については、今後、国土交通省・運輸安全委員会(JTSB)の調査官に委ねられ、JALも全面協力する姿勢を示しています。
目前,与JL516航班客机相撞的海上保安厅飞机中,除机长之外,共有5人死亡。事故原因今后将由国土交通省运输安全委员会(JTSB)调查员进行调查,日航也表示将全力配合调查。
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