毛むくじゃら
ところが、蟹というものは、あまり大きなものではありません。 蟹と比べたら、狸はとんでもなく大きなものであります。 その上、狸というものは、体中が毛むくじゃらであります。 ですから仕事はなかなかはかどりません。 蟹は口から泡をふいて一生懸命鋏を使いました。 そして三日かかって、やっとのこと仕事は終わりました。 「じゃ、約束だから、私のお父さんの毛もかってくれたまえ。」 「お父さんというのは、どのくらい大きな方ですか。」 「あの山くらいあるかね。」 蟹はめんくらいました。 そんなに大きくては、とても自分一人では、間に合わぬと思いました。 そこで蟹は、自分の子どもたちを皆床屋にしました。 子どもばかりか、孫もひこも、生まれてくる蟹は皆床屋にしました。 それでわたくしたちが道端に見受ける、ほんに小さな蟹でさえも、ちゃんと鋏を持っています。
螃蟹並不是體型很大的動物,跟螃蟹比起來,貍貓卻是不得不得了的動物。再加上貍貓這種動物,全身上下都是濃密的毛,所以工作一直無法順利進行。螃蟹嘴裏吐著泡沫,拼命揮動著剪刀。花了三天的時間,終於把工作結束了。 「那麼,你答應過我的,也要剪我爸爸的頭髮。」 「您父親體型多大呢?」 「大概有那座山那麼大吧。」 螃蟹嚇了一大跳。心想,那麼大的話,實在不是自己一個人可以應付得來的。 因此螃蟹讓自己的小孩都成了理髮師。不只是小孩,孫子和曾孫子,所有未來將出生的螃蟹也全都成了理髮師。 因此,就連我們在路邊看到的很小很小的螃蟹,也都隨身帶著剪刀了。