そして、減点対象の項目です。

接下来是扣分项。

□31 「本はもっぱら速読で読んでいる」
速読は、話し言葉で書かれたもの(ビジネス書など)には有効かもしれませんが、密度のある文章(小説、専門書など)は速読には向かないように思います。ビジネス文書などの翻訳では速読の手法で読まれることを意識しつつも、自分の心の栄養のためには、速読できないような内容のみっちり詰まった本も読むべきです。このことは作家の平野啓一郎氏が「スローリーディング」として提唱しています(『本の読み方 スロー・リーディングの実践』)。

□31 “习惯快速阅读书籍”
速读对于用口语写成的书(商务书籍等)或许有效,但对于内容充实的文章(小说、专业书籍等)就不太适合了。大家在翻译商务文书等内容时,除了意识到这些内容会成为大家速读的对象以外,为了给自己内心增加养分,也应该看看内容充实、需要一字一句慢慢咀嚼的书籍。作家平野启一郎就在以“慢读”为主题来宣传这件事情(《阅读法 慢读的实践》)。

□32 「最近、仕事(勉強)に関係ない本は読んでいない」
仕事の本しか読んでいないと、精神的にすさみます。精神の安定、ひいては訳質向上のためにも、仕事に関係ないものもたくさん読みましょう。個人的には、大きな締切を無事に越えて久しぶりに仕事に関係ない本を開く瞬間を「しいたけ戻し」と読んでいます。干し椎茸が戻るように、じわ~っと幸せなひとときです。

□32 “最近只读和工作有关的书”
如果一味只读和工作有关的书籍,会让精神颓废。为了精神上的安定,进而提高翻译质量,也多读些和工作无关的东西吧。就我个人而言,我把顺利完成一个大项目后久违地翻开和工作无关的书籍的那一瞬间称作是“香菇泡发”。正如干香菇被泡发了一样,幸福感就这样慢慢地蔓延开来。

□33 「日本語の本は読まない」
翻訳者のアウトプットは日本語なので、むしろ日本語の読書量を多くしましょう。翻訳者は英語をたくさん読むべきと考えている人が多いようですが、それは誤解です。アウトプットが日本語なら、日本語のインプットを(英語の何倍も)増やさなければなりません。

□33 “不读日语书”
译者的输出语是日语,所以更要提高日语的阅读量吧。很多译者似乎都觉得应该多读英语,其实这是误解。如果日语是输出语,就必须要先不断输入(应为英语的好几倍)才行。

□34 「2000円以上の本は読まない」
本はあまり値段で区切らずに、少しくらい高い本も思い切って買って読みましょう。本が高いと文句を言う人は、間接的に「翻訳料が高い」と言っているのに等しく、自分の首を絞めていると思います。

□34 “不读2000日元以上的书”
不要用价格去划分书籍,有时也不妨狠狠心买本稍贵的书读读吧。埋怨书贵的人,等于间接在说“翻译费高”,我觉得这是搬起石头砸自己的脚。

□35 「日本語の表現の幅なんて、今さら広がらないと思う」
これは難しい問題です。文学の翻訳家のなかには、日本語の表現を「磨く」のは不可能だと言う人もいます。しかし実務系に関しては、参入当初は素人レベルだった日本語を、叩いて磨いて商品レベルに引き上げていくものだと思います。

□35 “认为事到如今日语表达能力没有提升的空间了”
这个问题其实很难说。也有的文学翻译家认为要想磨练日语表达那是不可能的。但是关于实务翻译,在初入这个领域时,一般日语尚处于门外汉水平,个人认为应该对其加以磨练并慢慢提升到可售卖水平。

ただそのためには、しっかりした日本力が基盤として存在することが前提です。そして、しっかりとした日本語力は、それなりに長期的に、それなりに大量の読書をすることで確立していくものです。日本語の表現力は一朝一夕で身につくものではありません。意識すれば日々進化し、意識が低いと徐々になまるものです。トレーニングと一緒です。

只是这个前提是你拥有坚实的日语基础。而这坚实的日语基础也是靠相对长期的、大量的阅读来慢慢实现的。日语表达能力不是一朝一夕练成的。有意识地去培养则日日进步,稍有懈怠就慢慢退步了。这和锻炼是一个道理。

私自身について言えば、「女子大生のような訳」と言われてから6年後、ISSの翻訳コースでは「硬い訳はやめましょう」と何度も言われました。その間の数年はお堅い論文ばかり読んでいたので、20代半ばの女子とは思えないようながちがちの文章を書くようになっていたのです。先生には「翻訳というのは、相手にまったくストレスを与えずにす~っと入っていくような文章を書かないといけないのですよ。会社帰りのサラリーマンが電車の中で広げる週刊誌やマンガ本、あのくらいストレスなく理解できないといけない。電車の網棚から『少年ジャンプ』を拾って読んでみなさい」と言われました。

就我自身情况来说,在被人教训说“翻译像女大学生水平”的六年后,又在iss翻译课中好几次被提醒说“不要翻得这么生硬”。因为在这数年间我一头栽进了那些古板的论文堆里,逐渐练就了硬朗的文风,看着完全不像是出自二十过半的女生之手。老师曾这样跟我说:“做翻译这事儿啊,你写的东西绝不能给读者造成什么压力,得让人轻轻松松就看进去了。要像下班回家的白领们在电车里翻看的周刊杂志或者漫画书一样,读起来没有压力。你去电车网架上拿几本《少年JUMP》好好读读看。”

真面目そのものの元大学院生には網棚の雑誌を拾うことはできませんでしたが(笑)、当時『週刊文春』『AERA』や女性ファッション誌などには赤線を引きながら読んでました。そうやって肩肘張ってる点に問題があるのですが、とにかく当時は「ストレスなく頭に入ってくる表現」を手に入れようと必死でした。

虽然我这个极其认真的原大学研究生当时并没有那么去做(笑),但也买了《周刊文春》、《AERA》以及一些女性时尚杂志边用红笔标记边学习。尽管那点骄傲确实存在着一些问题,但当时的确是拼了命地去搜集“轻松易懂的表达”。

えらそうな話になってしまいますが、今まで誰も言ったことのないことを言葉にした文章に常に触れたい、それによって自分も、これまで誰も日本語で言ったことのないことを表現したい、という思いは常に持っています。そのために精力的に読書を続けています……と言いつつ、何も考えずにただ楽しむ本もかなりあるのですが。とにかく読書です!!

说了这么些自以为是的话,其实我时常抱有这样的想法——希望能经常接触一些前人所未写过的文字,从而,自己也想说一些前人没有用日语说过的东西。为了这个目标我坚持不懈地读着书……话说回来,当然也会经常不带任何目的地去享受阅读。总之多读书就对了!!

给迷惘的你:日本翻译工作者谈翻译行业

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