むかしむかし、ある村に長者(ちょうじゃ)が住んでいました。

很久很久以前,有个村子里住着个富翁。

この長者はとても大金持ちですが、ひどいけちん坊で、人の為にお金を出した事が一度もないのが自慢です。

虽然那富翁很有钱,可是却是个铁公鸡,对从未为了别人出过钱的事情引以为傲。

そのくせに、ただでもらえる物は、たとえゴミでももらって来るのです。

相反的,能免费拿的东西即使是垃圾也要拿。

そしてそんな調子で貯め込んだ小判を、長者は夜になると土蔵(どぞう→そうこ)の中で一枚一枚数えるのが大好きでした。

而且对于这样存起来的小金币,富翁很喜欢在夜深人静时去仓库里一枚一枚地数。

ある日の事、いつもの様にお金を数えていた長者が首を傾げました。「あれ?おかしいぞ」大切にしまってある小判が、一枚足りないのです。

有一天,像往常一样数金币的富翁歪着脑袋在想。「呀?好奇怪啊」一直珍视的小金币少了一枚。

そして次の日になると、また小判が一枚足りないのです。「もしかすると、泥棒に盗られたのかもしれない」

第二天,又少了一枚。「可能是被小偷偷走了」

そこで長者は、次の夜から土蔵を見張る事にしました。

于是富翁从第二天晚上开始就看守仓库。

長者は土蔵のかげに隠れてジッと待っていますが、誰一人やって来ません。

富翁躲在仓库后面等着,可是没有人来。

ところが真夜中になった頃、土蔵の中からヒソヒソと話す声が聞こえて来たのです。「土蔵には、誰もいないはずだが」

可是到了半夜,仓库里传来窃窃私语声。「仓库里应该没有人啊」

長者は土蔵の中を覗いてみて、びっくり。何と長者の大切な小判たちが集まって、「おら、もうこの家にいるのは嫌だ。ここの旦那は、人にお金をめぐむという事を知らない」「そうだ、そうだ。貯めるばかりで使う事をしない。こんな家は、早く逃げ出してしまおう」と、話し合っているのです。

富翁往仓库里一看,大吃一惊。富翁重要的小金币们居然聚集在一起,商量说「唉,再也不想呆在这个家里了。这个老爷不知道把金币分给别人」「是的是的,光知道存钱却不用钱。这样的家要快点逃出去」

長者は慌てて、土蔵の中に飛び込みました。「待て!待て!お前たちはわしの物だ。もう一枚も、どこへも行かさんぞ!」

富翁慌了,飞奔进仓库里。「等等!等等!你们是我的。一枚也不许再跑!」

しかし小判たちはいっせいに動き出して、ジャラジャラと土蔵の外へ出て行ったのです。「こら! 待てー!」長者は追いかけましたが、小判たちはあっという間に姿を消してしまいました。

但是小金币们全体出动,兹拉兹拉地向仓库外边走去。「喂!等一下!」富翁追了出去,可是小金币们一下子就不见了踪影。

さて、山奥まで逃げて来た小判たちは、「こうやって逃げて来たのはいいが、これからどこへ行こうか?」と、立ち止まりました。

话说小金币们逃到了山里后却停住了。「这样逃出来是不错,可是以后要去哪里呢?」

すると、一枚の小判が言いました。「この山に、炭焼きの藤太(とうた)と言う男がいる。藤太は貧乏なのに大変な働き者で、困った人の面倒もよく見るという話だ」

这时一枚小金币说话了「这座山里,有个烧炭的叫做藤太的男子。听说他虽然很贫困可是努力工作,还会帮助有困难的人呢」

「そう言えばこの間も、炭を焼いて一生懸命に貯めたお金を、病気で寝ているおじいさんにそっくりあげたそうだ」「よし、それならみんなで、藤太のところへ行こう」

「这样说来,前段时间,他还把拼命烧炭存的钱都给了病入膏肓的老奶奶呢」「好嘞,那大家就到藤太地方去吧」

そんな事とは知らない藤太が、次の朝に起きてみるとどうでしょう。 炭小屋の前に、キラキラと光り輝く小判が山の様に積み重なっているではありませんか。
 
对这事完全不知情的藤太第二天早上起来一看会怎么样呢。在小炭屋前面闪闪发光的小金币堆得像座山一样。

藤太は大喜びで大判小判を拾い集めると、さっそく困っている人たちに小判を分けてあげました。

藤太非常高兴,把大小金币都捡起来,马上都分给了有困难的人们。

それから残ったお金で家を建てて、可愛いお嫁さんをもらいました。

然后用剩余的钱建了房子,还娶了个可爱的老婆。

そして気前の良い藤太の事が町で評判となり、藤太の売る炭が飛ぶ様に売れました。やがて藤太は村一番のお金持ちになり、みんなから『炭焼き長者』と呼ばれる様になったそうです。

而且慷慨的藤太的事在镇里深受好评,藤太的炭卖的飞快。不久,藤太就成了村里最富裕的人,大家称他为「烧炭富翁」

声明:双语文章中,中文翻译仅代表译者个人观点,仅供参考。如有不妥之处,欢迎指正。