むかしから、佐渡ヶ島(さどがしま)は金(きん)が取れる事で有名でしたが、それだけに金の監視は厳しく、佐渡ヶ島からはたとえひと握りの砂を持ち出す事も禁じられていました。

很久以前,佐渡岛就以能挖到金子闻名,所以对金子的监管尤其严厉,甚至禁止从佐渡岛带出去一把沙子。

ある庄屋(しょうや)の息子に、寝太郎(ねたろう)と呼ばれる男がいました。

有个村长的儿子人称睡太郎。

この寝太郎は名前と同じ様に、毎日毎日寝てばかりいます。

这睡太郎人如其名,每天每天光睡觉。

ところがある時、この寝太郎が突然起き上がって、父親の庄屋にこう言いました。「お父さん、千石船(せんごくぶね)を二そう作って下さい」

可是有一天,睡太郎突然起床对村长父亲这样说道「父亲,给我做两艘千石船吧」

息子が可愛い父親は、「よしよし、さっそく船大工を呼び寄せよう」と、千石船を作ってやると、寝太郎は次に、「わらじを、千石船いっぱいに用意して下さい」と、言いました。

宠爱儿子的村长,说着「好的好的,马上把造船工人叫来」给他做好了千石船。睡太郎接着说道「在千石船上装满草鞋」

父親が、それもその通りにしてやると、今度は、「あの千石船にわらじを積み込んで、船乗りを七、八人やとって下さい」と、言いました。

父亲也按照他说的做了。这次,睡太郎又说道「在那艘船里装满草鞋,然后雇七,八个船员」

父親がその通りにしてやると、寝太郎は喜んで船に乗り込み、行く先も告げずに出発してしまいました。

父亲又按照他说的做了,睡太郎很高兴地乘着船,连目的地都没告知就出发了。

こうして船がたどり着いた場所が、佐渡ヶ島だったのです。

这样船到达的目的地就是佐渡岛。

寝太郎は港に船を着けると、さっそく島の人々を呼び集めて言いました。「はき古しのわらじを、新しいのと取り替えましょう。もちろん、ただ。はき古しのわらじは、古い程、ありがたい」

睡太郎的船靠上岸后,立刻召集了岛上的人们。「把穿旧了的草鞋换成新的吧。当然,是免费的。穿旧了的草鞋,越旧越好」

島のみんなは、ただでわらじを取り替えてくれるとあって、喜んで古いわらじを持ってきました。

岛上的人们知道能免费换草鞋后,都很高兴地拿来了旧草鞋。

そしてはき古したわらじが、船いっぱいになると、「さあ、用事はすんだ。村へ帰ろう」と、島を後にしました。

就这样,旧草鞋装了满满的一船。「好了,我的事办完了。回村子去吧」就这样离开了岛。

さて、はき古しのわらじを船いっぱいに積み込んで帰って来た寝太郎は、今度は大きな桶(おけ)を父親にねだりました。

睡太郎乘着装了满满一船旧草鞋的船回来了,这次又要父亲给他做个大桶。

父親はさっそく、桶職人をやとって桶を作らせました。

父亲马上雇了做桶的人做了桶。

桶が出来上がると、寝太郎は桶に水をいっぱい張り、船乗りたちにその中でわらじを洗わせました。

桶一做好,睡太郎就往桶里装满水,让船员们在里面洗草鞋。

この仕事は何日も何日も続けられて、やっと全部のわらじを洗い終わると、今度は桶の水を上の方からそっと汲み出させました。

这工作做了几天之后,终于把所有的草鞋都洗完了,然后把桶里的水从上面吸出来。

そうして水がだんだん減って来ると、桶の底に何か金色に光る物が見えます。

随着水慢慢减少,可以看到桶底金光闪闪的东西。

船乗りが手にすくってみると、それは金の砂でした。「金じゃ。金じゃ。金の砂じゃ」

船员拿到手里,发现那是金砂。「金子。金子。是金砂」

実は寝太郎、ひと握りの砂も持ち出す事を禁じられていた佐渡の土を、どうやって持ち出そうかと寝ながら考えていたのです。

其实,睡太郎每天一边睡觉一边在想着怎么从连一把沙子都禁止带出岛的佐渡带出金子来。

それから寝太郎はこの金の砂でもうけたお金で千町田という広い水田を作り、それを村人に分け与えました。

之后睡太郎把用那金砂赚来的金子做了称为千町田的广阔的水田,然后分给村民。

村人は大変感謝して、寝太郎を寝太郎大明神(ねたろうだいみょうじん)として、まつる様になったそうです。

村民对他充满感激,把睡太郎当做睡太郎大明神供奉起来。

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