天が泣く時   
        
天が泣く......
一瞬はっとしますが、雲がないのに降る雨のことです。
これには、天気雨のほかに
遠くに流れていった雲から
雨が蒸発しながら降る現象も含まれるそうです。
天気雨は、日照り雨、狐の嫁入りともいいますね。
もともと、狐の嫁入りとは、
狐火が連なって見えることをいったそうです。
狐火とは、別名、鬼火、火の玉のことです。
夜、墓地や遠くの山などで連なって見える狐火は、
まるで提灯を持った狐が嫁入りのために
行列して行くように見えたのでしょう。
やがて、天気雨の不思議さ、異様さを、
人々は同じ狐の嫁入りという言葉で表すようになりました。
おろかな人間たちを見ていて、天が嘆くことも多いでしょう。
でも、晴れわたったお天気の日の雨は、
きっと、うれし泣きですね。

天泣

天空流泪了……。
一瞬间,让人不知所措,原本万里无云,却突降一场大雨。
这就是所谓的“天泣”。

这种现象,有可能是所谓的太阳雨,
也有可能是飘往远处的云朵上附着的雨滴被蒸发坠落,而形成的。

太阳雨,又叫日照雨,也被叫做“狐狸出嫁”。

“狐狸出嫁”原来说的是“狐火”连成一排向前移动的样子。
“狐火”,又叫“鬼火”,指的是野地里的火球。
深夜,在墓地或深山老林里看到的连成一排的“狐火”,
就像提着灯笼,送女出嫁的狐狸,排着队向前行进。
后来,人们将露着太阳还下雨这种奇怪的现象,
也叫做“狐狸出嫁”了。

看着世间愚蠢的人们,老天爷也会时不时的唉声叹息吧。
但是,碧晴的天空中,落下的雨滴,纵是泪滴,
也一定是喜极而泣吧。

   

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一般には夜の山中や川原などで、無数の狐火が一列に連なって提灯行列のように見えることをいい、狐が婚礼のために提灯を灯しているといって「狐の嫁入り」と呼ぶ。これらの怪火は遠くからしか見えないという特徴がある。徳島県ではこれを嫁入りではなく狐の葬式とし、死者の出る予兆としている。

怪火が狐の嫁入りと考えられただけでなく、江戸時代の随筆『古今妖談集』には実際に嫁入りに遭ったという話がある。寛保5年(1745年)に、本所竹町の渡し場に現れた男が、自分の仕える主人の家で婚礼があるために渡し船を多数寄せるよう依頼し、渡し場の亭主に祝儀として金子一両を渡した。亭主が喜んで多くの船を準備して待っていると、立派な嫁入り行列がやって来たので、亭主は丁重に一行を送り届けた。しかし翌朝には、祝儀の金はおろか、渡し賃まですべての金が木の葉に変わっていた。人々は葛西金町(現·東京都葛飾区)の半田稲荷から浅草の安左衛門稲荷への婚礼があったと噂したという。 新潟県の麒麟山にも狐が多く住み、夜には提灯を下げた嫁入り行列があったといわれる。これに由来する祭事が同県の狐の嫁入り行列である。

 
天気雨のことを「狐の嫁入り」と呼ぶのは、天気雨のときには狐の嫁入りがあるという俗信に由来しており、「狐の祝言」とも呼ばれる。江戸時代の浮世絵師·葛飾北斎による『狐の嫁入図』ではこの俗信に基き、狐の嫁入り行列と、突然の天気雨に驚いて農作物を取り込む人々の様子が描かれている。

狐の嫁入りと天候との関連は地方によって異なることもあり、熊本県では虹が出たとき、愛知県では霰が降ったときに狐の嫁入りがあるという。福島県では旧暦10月10日の夕方にすり鉢を頭にかぶり、腰にすりこぎをさしてマメガキの下に立つと、狐の嫁入りが見えるという。