2020年に開催される東京五輪に向けて、日本は今後ますますグローバル化の加速が予想されます。そこで今回は、世界と比較した日本人の英語力やグローバル人材に求められる要素、バイリンガルの育成に重要な幼児教育に焦点を当て、Cosmo英語教室の校長であり、バイリンガル幼児園「Cosmo Global Kids」の理事長も務める甲斐実さんにインタビューを行いました。

面向2020年即将召开的东京奥林匹克盛会,可以预想日本今后全球化的加速发展。于是,这次,我们以“与世界相比,日本人的英语能力以及谋求国际化人才的要素”为题,聚焦双语育成最重要的幼儿教育,对Cosmo英语教室的校长、在双语幼儿园“Cosmo Global Kids”担任理事长的甲斐实进行了采访。

日本語は英語ともっともかけ離れている言語

日语是距离英语最远的语言

——日本の英語力を世界と比較するにあたり、EF EPI英語能力指数(世界各国の成人の英語能力を指数化したデータ)がひとつの目安になるかと思いますが、この2015年版の結果によると、日本は70ヶ国中30位。上位は、1位スウェーデン、2位オランダ、3位デンマーク、4位ノルウェー、5位フィンランドとヨーロッパの国々が並び、アジアは全般的に順位が低く、韓国は27位、中国は47位という結果でした。これには、どんな背景があると思われますか?

——将日本的英语水平同世界相比较,EF EPI英语能力指数(世界各国成人英语能力指数化的数据)是判断的手段之一,根据EF EPI2015年版的结果来看,日本在70个国家中位居30位。排名上位的国家有:1位瑞典、2位荷兰、3位丹麦、4位挪威、5位芬兰等欧洲国家名列前茅。亚洲地区整体的排名较低,韩国27位、中国47位。有关这个数据,你认为会有怎样的背景呢?

まずヨーロッパの順位が高いのは、「英語とヨーロッパの言語が非常に類似しているから」という理由が一番でしょう。語順・単語・文字において共通点が多く、日常的に使われる英単語1,000語のうち、約30%はフランス語が起源です。あと個人的な経験では、以前オーストラリアでオランダ人と住んでいたときに、オランダ語で書かれた彼のパソコンのトップ画面を見て、私でも単語の意味が理解できたということがありました。それは英語を学ぶうえで、大きなアドバンテージになります。

首先,欧洲的排名很高,最大的原因是“英语和欧洲的语言非常类似”。语顺、词汇、文字等有很多共通点,日常经常能使用到的1000个英语单词里,约30%都起源于法语。另外就是以个人的经验来看,以前在澳大利亚和荷兰人一起居住的时候,我看到了他荷兰语的手机待机画面,就连笔者也能理解那些单词的意思。这是在学习英语的基础上一个很大的优势。

一方、韓国語や日本語は英語とはもっともかけ離れた言語のひとつであり、単語も語順もまったく異なります。そうなると考え方の構造が変わるため、頭の中のモードを日本語から英語にシフトしないといけない。そういった意味で、英語を学ぶにあたり日本人はそもそも大きなハンディを背負っています。文法が理解できていても頭の切り替えに時間がかかるため、スピーキングが苦手なのも日本人の特徴。韓国人と話していても、日本人同様の性質があると感じます。

另一方面,说韩语、日语是离英语最远的语言还有一个原因,无论单词还是语顺都不相同。这样的话,由于思维方式的构造不同,在头脑中就必须将模式由日语转化为英语。在这个意义上,学习英语时日本人一开始就背负着巨大的不利条件。就算能够理解文章,在头脑中还需要转换模式的时间,口语很弱是日本人的特征。和韩国人交流的时候也会感受到和日本人同样的性质。

教育の質や意識からも英語力の差は生まれる

教育的品质、意识的高低也会产生英语水平之差

——では、ヨーロッパの英語教育の質が日本より高いというよりは、そもそもの言語のちがいの差が大きく、土台が異なるということが一番の要因なのでしょうか?

——那么,与其说欧洲的英语教育品质比日本高,倒不如说日语和英语之间的差距太大。根基不同才是最大的理由?

そうですね。一番の要因は、「英語と母国語の差がいかに大きいか」だと思います。ですが、ヨーロッパの英語力が高いといっても、フランスは上位に入っておらず、2015年の順位では37位と日本よりも下位です。これは、教育プログラムの質のちがい、そして英語を学ぶ必要性や意識の高さ、国民性も影響していると思います。

是的。我认为最大的理由便是“英语和母语的差距太大”。但是,就算欧洲的英语水平很高,法国也没有进入上位,2015年的排名在37位比日本还差。这便是教育体系的差距所在,还有学习英语的必要性以及学习英语的意识性高低、甚至国民性都有一定影响。

英語教育に対して、必死になって対策に取り組んでいるのは日本や韓国だけかと思いがちかもしれませんが、実はヨーロッパ各国では、日本より何年も前から小学生の英語学習をとり入れるなど、対策に注力してきました。その結果、英語教育の質が向上し、わざわざ他国からネイティブを呼ぶ必要がないほど、英語力が優れた講師がそろっているのです。

你可能认为对于英语教育采取十分拼命的对策来认真解决的就只有日本、韩国了吧,实际上欧洲各国在比日本早好多年就开始对小学生进行英语教育,在对策上下了功夫。其结果便是国民的英语品质大大提升,已经到了没有必要从别国寻找母语为英语的人来教学,本国英语水平优秀的讲师有足够多。

日本には現状そういった環境がないので、ヨーロッパとの順位の差は、教育の質や内容のちがいも大きな要因だと言えます。日本の英語教育環境が特段悪いとは思いませんが、幼児期からの英語教育に関しては、まだまだ遅れており大幅な改善が必要です。

日本的现状下,并没有这样的环境,所以与欧洲排名的差距,很大程度也可以说是在于教育的质量以及内容上的差距。虽然不觉得日本的英文教育非常恶劣,但是有关从幼儿期开始的英语教育,还是很晚,所以有必要大幅度地进行改善。

語学の学習は生後6ヶ月から始まっている

语言的学习从出生后6个月开始

——つづいては、英語を学ぶうえで重要だと言われる「幼児期の学習」について教えてください。まず、英語脳や英語耳という言葉がよく使われていますが、それは具体的に、どのような状態を指すのでしょうか?

——接下来,请告诉我们被称为学习英语最重要的时期“幼儿期的学习”情况。首先,经常能听到英语脑、英语耳等词汇,这些具体指哪种状态呢?

英語脳とは、単純に英語が話せるだけでなく、頭のなかでも英語を使って考えている状態を指します。たとえば、英語での呼び方がわからないものを目の前にしたときに、「How can I say…? / What’s it called? (これはなんて言うんだろう?)」と頭のなかでも英語で考えることです。

英语脑是指不单单用英语来说话,而是在头脑中也会使用英文进行思考的状态。举个例子,当面前出现了一个你用英语说不出来的东西的时候,“How can I say…? / What’s it called?(这该怎么讲?)”在脑海中也会使用英语来思考。

英語耳は、正しい英語の発音が聞き分けられる耳のこと。日本語と英語では発声時に使われる周波数帯(注:音域ではありません)が異なり、日本語は150~1,500Hz、英語は2,000~12,000Hzを主に使うとされています。そのため日本人は、語尾の子音が聞きとれない、「L」と「R」など音のちがいがわからないことが多いのです。

英语耳指的是能够分辨出正确的英文发音。日语和英语在发声时使用的周波数带(注:并不指音域)不同,日语主要在150~1,500Hz、英语主要在2,000~12,000Hz。因此,日本人不能够很清楚的区分句尾的子音,就像很多人都不知道“L”和“R”的区别。

——幼児期に英語を学ぶことは、英語脳や英語耳の育成にどう関わってくるのですか?

——幼儿期学习英语,与养成英语脑、英语耳有着怎样的关联呢?

乳幼児期は、頭のなかに言語のチャンネルが形成される大事な時期です。一概にはいえませんが、おおよそ3歳ぐらいまでの間にできあがるとされています。それまでの時期に日本語と英語を同等の比率で聞くことにより、日本語と英語の2本のチャンネルが形成され、これを必要に応じてスイッチを切り替えて使い分けるのがバイリンガルです。3歳を過ぎると新たな言語のチャンネルを形成するのが急にむずかしくなります。まして大人になってからでは、英語脳を形成するのは非常に厳しく、限りなく不可能に近いと言えるでしょう。

在哺乳幼儿时期,是脑部形成语言频道的最重要的时期。虽然不能一概而论,一般最多到3岁为止能够塑成。在此之前的时期,给孩子听相同比例量的日语和英语,便能够形成日语和英语2个语言频道,它能够根据需要来区分、切换,这就是双语大脑。3岁以后要想形成新的语言频道比较困难。再到成人之后,形成英语脑将十分困难,可以说接近不可能。

音の聞き分けでいうと、すでに生後6ヶ月の時点から英語耳は育ちはじめます。ただ、英語の音楽を聞かせたり、動画を見せたりするだけでは英語耳の育成はむずかしく、生身の人間が話しかけることがもっとも効果的との実験結果が出ています。

再说区分发音,在出生后6个月的时候已经开始慢慢养成英语耳了。只是听听音乐、看看动画就想养成英语耳有些困难,有实验结果表示,身边有人用英语和他说话是最有效果的方法。

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