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中野行き
その池のはたのベンチにいつまでいたって、何のらちのあく事では無し、私はまた坊やを背負って、ぶらぶら吉祥寺の駅のほうへ引返し、にぎやかな露店街を見て廻って、それから、駅で中野行きの切符を買い、何の思慮も計画も無く、謂わばおそろしい魔の淵にするすると吸い寄せられるように、電車に乗って中野で降りて、きのう教えられたとおりの道筋を歩いて行って、あの人たちの小料理屋の前にたどりつきました。  表の戸は、あきませんでしたので、裏へまわって勝手口からはいりました。ご亭主さんはいなくて、おかみさんひとり、お店の掃除をしていました。おかみさんと顔が合ったとたんに私は、自分でも思いがけなかった嘘をすらすらと言いました。 「あの、おばさん、お金は私が綺麗におかえし出来そうですの。今晩か、でなければ、あした、とにかく、はっきり見込みがついたのですから、もうご心配なさらないで」 「おや、まあ、それはどうも」  と言って、おかみさんは、ちょっとうれしそうな顔をしましたが、それでも何か腑に落ちないような不安な影がその顔のどこやらに残っていました。
老坐在池边的长椅上也解决不了问题,我又背起孩子,慢慢折回吉祥寺车站,逛了逛热闹的露天商铺,之后在车站买了去中野的车票。心中既无考量也无计划,仿佛被魔法的深渊越吸越深。我坐电车来到中野,按照店主昨天告诉我的走法,找到了那家小餐馆。 餐馆的大门关着。我就绕到侧门进了店里。店主人并不在,只有老板娘一个人在打扫卫生。一见到老板娘,我竟流利地说起谎来。 “老板娘,酒钱我应该能凑齐了。不是今晚就是明天,总之肯定能凑齐的,请您不必担心。” “哎呀,那真是太谢谢了。” 老板娘说完,面露喜色,可脸上的神情还是略带不安。