关键字:はあっはあっ  ウマウマ イヤイヤ ジャックナイフ
大谷さんは、その晩はおとなしく飲んで、お勘定は秋ちゃんに払わせて、また裏口からふたり一緒に帰って行きましたが、私には奇妙にあの晩の、大谷さんのへんに静かで上品な素振りが忘れられません。魔物がひとの家にはじめて現われる時には、あんなひっそりした、ういういしいみたいな姿をしているものなのでしょうか。その夜から、私どもの店は大谷さんに見込まれてしまったのでした。それから十日ほど経って、こんどは大谷さんがひとりで裏口からまいりまして、いきなり百円紙幣を一枚出して、いやその頃はまだ百円と言えば大金でした、いまの二、三千円にも、それ以上にも当る大金でした、それを無理矢理、私の手に握らせて、たのむ、と言って、気弱そうに笑うのです。もう既に、だいぶ召上っている様子でしたが、とにかく、奥さんもご存じでしょう、あんな酒の強いひとはありません。
那晚,大谷先生还挺老实的,最后是阿秋付的钱,之后他们俩就从侧门一起回去了。不知为何,我总是忘不了那一晚大谷先生文雅的举止。魔鬼第一次来到人的家里的时候,居然会这么老实……会这么不经世事吗?自从那天晚上,我们店就看中了大谷先生。十天之后,大谷先生一个人从侧门进来了,一进门就拿出了张百元纸币,不,那时百元可是笔大数目,比现在两三千元还值钱呢。他硬是把那张钞票塞进我手里,说,求求你收下吧,接着浅浅地笑了。 “那个时候他好像已经喝了不少了。夫人您也知道,他的酒量不是一般的大