本文为日语知名口语学家笈川幸司原创,仅代表作者个人观点,仅供参考。

空気が読めない奴
“读不懂空气”的家伙

日本人の特徴を、「島国の中で、隣人同士で長い間交流してきた日本人は、あたかも家族の間のような『あうんの呼吸』でのコミュニケーションを、公の場でも行っている」など説明されることがある。敢えて説明を加える必要もないが、「あうんの呼吸」とは、すべてを説明しなくても、雰囲気などから相手のニーズや考えを察知することをいう。
有人将日本人的特征解释成以下内容——“日本人居住在岛国之中,长期和邻居进行交流。这使得他们在公共场合也像在家庭中一样,交流时倚仗彼此间的‘心有灵犀’。”无需多加解释,“心有灵犀”是指即使不进行任何解释说明,也能通过气氛等察知对方的需求和想法。

さて、数年前に「KY」という言葉が流行語にもなった。「KY」とは、その人の鈍感さを批判した言葉だが、実際の日本人は、ほんとうに空気を読むことができるのだろうか。
说起来,数年之前“KY”(即日语“空気が読めない”的罗马字拼音的简写,直译为“读不懂空气”,意指不懂得无言的默契、不会察言观色)一词成为了流行语。虽然“KY”一词是用来批评人的迟钝的,但实际上日本人真的能够很好地察言观色吗?

たとえば、「自分は絶対にKYではない」と思っている人がいたとする。数人でおしゃべりしているときに、誰かが「わたしってときどきKYだって言われるのよね」と言い出すと、周りの人たちは気をきかせて「そう?そうは見えないけど」「そういえば、わたしも言われたことがある」などと言うかもしれない。そこへ「わたしはKYって言われたことが一度もないわ」などと口走ってしまったら、その人こそ、周りからKYだと思われてしまうだろう。
比如说,有这么一个叫做A的人,认为自己绝对不是不懂得察言观色的人。当几个人一同聊天的时候,其中一人偶然提起说:“有人说我有时候很不会察言观色。”这时周围的人也许会很机灵地说:“是吗?这可看不出来”或者“这样说起来,我也曾经被人说过”等等。这个时候,如果A一时口快说:“我从来没被人这样说过”,那么恰恰就是他,会被周围的人认为是KY。

空気を読める人というのは、常に真実を語る人なのではなく、周りに合わせられる人、周りを気遣うことのできる人、周りを不愉快にさせない人のことだ。
所谓会察言观色的人,并不是总是说实话的人,而是可以配合别人的人、可以照顾别人心情的人、不会让别人不愉快的人

先日、北京の映画館へ行った。映画が終わってエンドロールが流れた瞬間、すべての観客が席を立ち始めた。わたしは絶句した。普通なら、もうすこし余韻に浸りたいと思うものだろう。なにせ、感動的な映画だったのだから。日本なら、映画が終わった瞬間に席を立つ人はまずいない。だから、わたしは思った。「中国人は、空気が読めない!」と。
前几天我曾去过一家北京的电影院。电影结束后播放片尾的一瞬间,所有的观众都开始起身离席。我对此目瞪口呆。因为这是一部十分感人的影片,在一般情况下,看完后会希望继续沉浸在余韵中回味一下。如果在日本,没有一个人会在电影结束的一瞬间就起身离席。因此,我认为中国人是“KY”的。

この話を、中国人の教え子にしたところ、「先生こそKYですよ。映画が終わったら、さっさと帰るのが普通です。いつまでも余韻に浸っているなんてダメです。もっとしっかり周りをみてください」と言われてしまった。
然而当我把这话告诉中国学生时,他们反而对我说:“老师您才是KY呢。电影结束了就应该赶紧走,总是沉浸在余韵中可是不行的。您要多看看周围的人怎么做的。”

なるほど、わたしはわたしのものさしでKYかどうかを判断していたようだ。
原来如此!我好像是在用我自己的标准来衡量什么是KY!

中国に来てもうそろそろ11年になるが、たまに日本人が集まっては食事をすると、きまって「中国人は空気が読めない」という話題が飛び出す。ある中国の方にこのことを聞いてみたところ、「確かに、私たち中国人は自分のことばかり考えて行動する傾向があります」と言っていた。その言葉を聞いたときは、わたしも鵜呑みにしてしまった。しかし、はたしてそうなのだろうか。
我来中国快11年了。偶尔和日本人一起聚餐的时候,总会有人抛出“中国人不懂察言观色”这个话题。当我向一位中国人请教这个问题时,他说:“确实,我们中国人确实有行动时只考虑自己的倾向。”刚听到这话时,我也悉数接受,然而,真的是这样吗?

もしかしたら、わたしたちが「中国人は空気が読めない」と言ったから、その方は気をきかせて「中国人は空気が読めない」と言ってくれたのではないだろうか。
也许,正是因为我们说“中国人不懂察言观色”,所以那位中国人才十分机灵地顺着我们的话说“中国人确实不懂”的。

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