关键词:井戸 物置 裏口
兵十が、赤い井戸のところで、麦をといでいました。 兵十は今まで、おっ母と二人きりで、貧しいくらしをしていたもので、 おっ母が死んでしまっては、もう一人ぼっちでした。 「おれと同じ一人ぼっちの兵十か」 こちらの物置の後から見ていたごんは、そう思いました。 ごんは物置のそばをはなれて、向うへいきかけますと、どこかで、いわしを売る声がします。 「いわしのやすうりだアい。いきのいいいわしだアい」 ごんは、その、いせいのいい声のする方へ走っていきました。 と、弥助のおかみさんが、裏戸口から、 「いわしをおくれ。」と言いました。いわし売は、いわしのかごをつんだ車を、 道ばたにおいて、ぴかぴか光るいわしを両手でつかんで、弥助の家の中へもってはいりました。 ごんはそのすきまに、かごの中から、五、六ぴきのいわしをつかみ出して、もと来た方へかけだしました。 そして、兵十の家の裏口から、家の中へいわしを投げこんで、穴へ向ってかけもどりました。 途中の坂の上でふりかえって見ますと、兵十がまだ、井戸のところで麦をといでいるのが小さく見えました。
兵十正在红色的井台上淘小麦。   兵十以前一直和母亲两人一块儿过着穷日子。妈妈一死,只剩下了他一个人。   兵十也和我一样孤苦伶仃了!阿权从仓房后面看着兵十,这样想道。   阿权刚离开仓房边,要向兵十那边跑去时,不知什么地方传来了叫卖沙丁鱼的吆喝声:    “沙丁鱼便宜卖喽!新鲜的沙丁鱼哟!”   阿权又朝那吆喝声的方向奔去。这时,弥助的妻子在房门口招呼道:    “拿点沙丁鱼来!”   卖沙丁鱼的将载有沙丁鱼筐的车子停在路旁,两手抓着白花花的沙丁鱼走进了弥助家。阿权趁这空子,从鱼篮中抓出了五六条沙丁鱼,又忙朝刚才来的方向跑去,并将鱼从兵十家的后门口扔了进去,然后便奔回自己的洞穴,半路上从一个坡顶上回首眺望,看得见还在井边淘小麦的兵十那小小的身影。