关键词:琵琶湖(びわこ) 大仏殿(だいぶつでん)
ほらふき村は子どもまで 京都府の民話 むかしむかし、あるところに、ほらふき自慢のおじいさんが住んでいました。 「おれにかなうほらふきは、どこにもおるまい。よし、ほら比べに行ってみよう」 と、ほらふきで有名な、ほらふき村へ行ったのです。  ほらふき村に着きましたが、村には大人は誰もいません。  小さい子どもが一人だけいたので、おじいさんはたずねました。 「坊や、お父さんはどこ行った?」 「ああ、富士山が地震でかたむいたんで、竹を二、三本切って、つっかい棒をしにいったよ」 「それでは、お母さんはどこ行った?」 「琵琶湖の水がもれ出して空っぽになるといって、おはぎを三つ持って、湖の底をぬりに行ったよ」 と、子どもなのに上手なほらをふくので、おじいさんはビックリしましたが、こんな子どもに負けてたまるかと、おじいさんもほらをふいてみました。 「わしはなあ、昨日は奈良へ行って、大仏殿(でハックショーン! と、大きなくしゃみしたら、大仏さんがこっちの村まで飛んでしもうたんだ。わしはそれを、探しに来たんだよ」  それを聞いた小さい子は、ケラケラ笑い出しました。 「なーんだ、その大仏さんやったら、昨日、あそこのクモの巣に引っかかって、ゆーらゆーら、ゆれとったよ」 「・・・・・・」  ほらふきじいさんは、子どもでさえこれだけのほらをふくのだから大人ではとうていかなわないと、そそくさと逃げて帰ったという事です。 おしまい