愚かな人間をさしていう言葉「バカ」は、古語で愚かなことや人を意味する「ヲコ」が、音便作用によって生じた言葉だとする柳田国男の説を、紹介したことがあるが、その際、「アホウ」と言う言葉については、とくに問題意識をもつようなことはなかった。ところが、この言葉も「ヲコ」の転訛 したものだという説を知るに及んで大いに驚いたことがある。

柳田国男(日本民俗学家)的观点之前也曾介绍过,他认为「バカ」一词指愚蠢的人,是根据古日语里表示愚蠢的事或人的「ヲコ」一词的音便作用(随口语变化而逐渐正式确定下来)产生的词语。,但那时,我对关于「アホウ」一词有关内容,并没有细究。然而,当了解到「アホウ」一词也是由「ヲコ」转化而来这一说法时,我大吃一惊。

この説を唱え ているのは、日本語学者の堀井令以知氏だ。氏は、唇音から始まるヲコが、同じ唇音としてのバを含むバカに転化したのにたいして、アホウに含まれるホウも唇音であることにその根拠 を求めているようだ。ヲがホになり、それに接頭語のアが結びついて、アホウになったという推論だ。(ちょっとこじつけのような気もするが)

提倡这一说法的是日本语学者堀井令以知。他认为,从唇音开始的“ヲコ”转化为包含有同样是唇音 “バ”的“バカ”, “アホウ”里包含的“ホウ”也是唇音,他在这点上寻求其观点的根据。据他的推论, “ヲ”变成“ホ”,与前缀“ア”连接,变成“アホウ”。(虽然有点牵强附会的感觉…)

バカは馬鹿と漢字で書き、主に東日本で流通した。アホウは阿呆と漢字で書き、主に西日本で流通した。バカもアホウも人間の愚かさ、或は愚かな人間そのものを指す言葉だが、愚か さということに注目すれば、似た言葉はほかにもある。

“バカ”汉字写作“馬鹿”,主要通用于东日本。“アホウ”汉字写作“阿呆”,主要通用于西日本。“バカ” “アホウ”二词都是指人的愚蠢、亦或是指愚蠢的人。若将焦点放在愚蠢性这点的话,还有其他与此类似的词语。

関東地方で、バカと並んで使われている愚かさの表現としては、マヌケがあげられるだろう。これは文字通り「間が抜けている」ことを表している。間とは、拍子といった意味合いの言葉だが、その拍子 が抜けている、つまり正常のリズム逸脱 しているというニュアンスで、マヌケといったのではないかと考えられる。

在关东地区,与“バカ”一词并列使用表示愚蠢性的词, “マヌケ”可以当选。如字面意思,表示“間が抜けている”之意。“ 間”指“拍子”,但是其拍子漏掉了。也就是说,脱离正常的节奏的意思, 这或许就是“マヌケ”一词的来源吧。

ノロマやトンマも愚かさの表現であり、マヌケと同じくマという文字を含んでいる。しかし、これらの言葉にあるマはマヌケのマとは違うようだ。

“ノロマ”和 “トンマ”也是愚蠢的表达方式,和“マヌケ”相同,都含有“マ”这个文字,只是这些词语里的“マ”和“マヌケ”的“マ”不一样。

ノロマは、ノロシ(のろい)という形容詞から発している。ノロノロのノロ、つまり愚鈍であることを表す言葉だ。トンマもトロシ(とろい)という同じような言葉に起源を持っている。トロトロもノロノロと同じように、かったるいといったニュアンスをもつ言葉なのだ。

“ノロマ”一词源于形容词“ノロシ(のろい)”。“。ノロノロ”的“ノロ”一词,即表示愚钝的意思。“トンマ”也与其类似的 “トロシ(とろい)”一词有着相同的起源。“トロトロ”也和“ノロノロ”一样,都有着“慢吞吞的意思”。

トンマの類語にトンチキというのがあるが、これはコンコンチキと同じような心理を反映した言葉だと思われる。コンチキショウのコンコンチキにトンマが加わって、トンチキになったのだろう。

“トンマ”的近义词里有“トンチキ”一词,我们认为“トンチキ”一词与“コンコンチキ”一词反应了相同的心理。

愚か者をタワケともいうが、これは「たはく=たわむれる」からきている。気取った人間をカブクからカブキモノといったように、戯れる ばかりのふざけ た人間をタワケといったのだろう。

愚蠢的人也可以说成“タワケ”,它是从“たはく=たわむれる”转化而来的。正如从用“カブク”形容“装腔作势摆架子的人”,到后来用“カブキモノ”形容一样,把总是戏谑、恶作剧的人称为“タワケ”。

木偶の棒もまた、愚か者の謂である。これは木偶の棒に心がこもっていないことからの連想だろう。木偶の棒のように、心ここに非ず、そうした人間は愚かな人間なのである。

另外“木偶の棒”也是愚蠢的人的说法。这大概是由木偶的棒没有心联想到的。如“木偶の棒”那样,心不在焉,这样的人即愚蠢的人。

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