「毎日一文」眼鏡(三)
9月3日        眼鏡  (三) 
いつもは、校門を入ると、にぎやかな運動場を、顔を上げて、ゆうゆうと歩くのですが、 今日だけは、あまり人のいない倉庫の横を、こそこそと走っていきました。それから、あまり人の通りない西の階段を、急いでかけ上がりました。
 平时走进校园后,我总是从热闹的运动场上迎着同学们悠然自得地走过去。但今天不一样,我悄悄地从不太有人的仓库边上走过去,然后急匆匆地从很少有人通过的西边楼道拾级而上。
 教室の前まで来ました。「みんな、なんていうだろうか。」と、ちょっと心配でしたが、思いきってドアを開けました。まだ早いので、組の友達は三分の一ぐらいしか来ていません。
终于来到了教室门前,我有些担心“大家会说什么呢?”我一狠心推开了门。因为还早,班里的同学只来了三分之一左右。 
 「あ、めがねかけたの。」
 「いいわ。とてもよくにめうわ。」
 「それ、よく見えるの。」
 「あたりまえよ、よく見えなければ、だれがかけるもんですか。」
 みんなは、わたしの周り集まってきて、かってなことを言い合っています。けれども、冷やかしたり、悪口を言ったりする人は一人もいません。みんなめずらしがって、あれこれと言うのです。
“啊!戴眼镜啦!”
“不错嘛!挺配你的。”
“戴上后,看得清楚了一些了吗?”
“当然了,要看不清楚,还有谁去戴眼镜啊!”
大家聚集到我周围,随意地评论着,并没有人取笑我或说我的坏话。大家都觉得很新奇,说这说那的。
 
朝のあいさつがすむと、先生は、わたしに、
 「あ、もうめがねをかれたのか。よかったね。」とおっしゃいました。このことばを聞いて、わたしは、ほっと安心しました。今までの心配が消えてしまいました。難しい試験問題が、先生に出すまぎわになってから、やっとできた時のうよな気待ちです。
早上课前的寒暄过后,老师对我说:“啊,你戴眼镜了,不错。”听了这话,我总算安心了。
先前的那种面临老师出的难题,好不容易在考试时间结束前的一刻才做出来的感觉一下子消失了。

 昨日までは、黒板のはしのほうの小さい字が少し見えにくいので、目を細めて見ていました。でも、今日はよく見えました。文字が頭にすうっと、入ってくるようでした。
 みんなも、初めはめずらしくて、あれこれと言っていましたが、昼休みになると、もう、だれも何も言わなくなりました。それで、少し気ねけがして、一人で心配ばかりしていた自分が、おかしくおもえたり、くやしく思えたりしました。めがねをかれるという、私にとってたいへんな問題も、もうすっかりかたづいてしまいました。
 放課後に、町田だんと屋上に上がってみました。運動場で遊んでいる人の、洋服のもようがはっきりみえました。山川さんたちが。ドッジボールをしているのもよく見えました。なんだか世界が明るくなったようです。朝からの心配や、みんなのことばを思い出すと、ひとりでに、にこにこ笑えてきました。
 下校の時は、朝と反対に、胸をはり、両手を振って、校門を出ました。
昨天以前,黑板上那得眯着眼睛看的像小星星似的字,今天一下子看得很清楚了,文字一下子看得很清楚了,文字一下子进入我的大脑。
开始的时候,大家都很新奇,又说这又说那的。但到了中午休息时,已没人再对我的眼睛作任何评论了。我反倒稍感茫然若失。对自己所有的担心觉得有些可笑和后悔。“戴眼镜”这个对我来说很难处理的大问题,现在已完全解决了。
放学后,和町田同学一起来到屋顶上,站在屋顶上可以很清楚地看到在运动场上玩着的同学的服装样式,连山川同学他们在玩躲球游戏也看得一清二楚。我觉得这个世界一下子明朗清晰起来。想起大家的话和自己一早开始的那些担心,不觉暗自好笑。
下午离开学校时,与早上来学校时完全相反,我挺着胸膛,摆动着双手,大跨步地走出校门。
             教育出版「国語4下」による