——普段ゲラチェックのときに使っておられる文房具は、どんなものなのでしょうか?

——平时检查校样的时候所用的文具是怎样的呢?

校閲をするときはシャーペンか鉛筆、それと消しゴム、赤ペン、定規を必ずデスクに出しています。定規は指摘を少しでもキレイに入れるための必須アイテム。指摘の引き出し線があまりにグチャグチャしていると、読むほうもイヤになってしまうと思いますので。

校对的时候一般用自动铅笔或者铅笔,然后是橡皮、红笔、规尺是一定会放在桌子上的。即便是一点点,规尺能让校对看起来干净一些所以这是必备项目。检查校样的延长线画的乱七八糟的话,读的人也会容易变得不悦。

ペンも鉛筆も、太くてはっきり見えるもののほうがいいですね。文字が細いと見えにくいですし、鉛筆だとだいたいみんなB2以上のものを使っていると思います。HBとかだと、固くて消したときに跡が残ってしまうんです。

笔和铅笔也是,能够清晰的阅读的粗细是最好的。写的字太细的话也不容易阅读,铅笔的话大家大概都是在使用B2以上的把。HB的话,因为太硬了擦了之后会留下痕迹。

あとはゲラによっても、筆記用具を使い分けています。背景が黒っぽいページだと、指摘を入れても見えませんよね。その場合、コピーで反転させてそれに指摘を入れたりしています。

然后根据校样的不同,文具的使用也是分开的。背景偏黑的页面的话,写批注会看不见,这种场合就会用复印的反转功能然后在加上批注。

索引など文字が小さい箇所があれば、そのページを拡大コピーしてから指摘を入れることもありますね。

索引之类的文字位置比较小的话,就放大那一页再复印加上批注。

■壁に向かって仕事、メモでやり取り……校閲者の知られざる日常

■面对墙壁的工作,通过笔记交谈……校对员不得不知道的日常

——校閲のお仕事を始めてみて驚いたことや、意外だったことはありますか?

——开始校对的工作后有觉得吃惊、或者意外的事情吗?

机が壁沿いに並んでいて、みんなが壁に向かって作業しているのを見たときは驚きましたね。でも、実際に壁に向かって作業してみると無心になれて仕事がはかどるんです。一見変わった配置ですが、この仕事には向いている配置なのかもしれません。

桌子是沿着墙壁摆开的,看到大家都是面对墙壁工作的时候很吃惊。但是,实际上尝试着面对墙壁工作之后能够一门心思,工作进展也很顺利。第一次会觉得很奇怪的配置,但是确实最适合这份工作的配置吧。

職場は基本的にシーンとしています(笑)。ほかの人の話し声がすると集中力が途切れるので、雑談は基本的にないですね。業務上で話す必要があるときも、小さい声でささやく程度。メモを渡して会話することもあります。

这是工作场合的场景(笑)。如果有人说话的话会打断集中力,所以基本上没有闲聊。如果是工作上需要说话的时候也是很小声的程度。也会用传纸条的方式沟通。

出版される前のゲラは機密事項となるので、社外の人に口外しないのはもちろんですが、内容はもとより「この人がこういう本を書く」ということでさえも、意図しない時期に世に出てしまえば一大事になりかねません。そういう事情もあって、自然に職場が静かになるのかもしれないですね。

在出版之前校样是属于机密事项的,不对公司以外的人说这个是必须的,内容不用说,甚至连“这个人写这样的书”这样的话也不行,没有这意图的时期向世间流出内容的话是很严重的事情。正因为有这样的事情,职场上自然就安静了吧。

——なるほど! そのほうが効率的に仕事を進められそうですね。

——原来如此!这样还能更有效率地推进工作呢。

そうなんです。あとは机の整理整頓にも気をつけていますね。著者や編集者の方の赤字が入ったゲラというのは、世界に1つしかありませんから、汚さないよう細心の注意を払っています。

是这样的。再就是桌子的整理需要费心了。有着作者和编辑的批注的校样全世界仅此一份,需要注意不能弄脏了。

机はわりと広くて、ゲラ2つは置けるようになっています。場合によっては1つの案件で3つ、4つのゲラを同時に見なければならないこともあるので、机の上には極力ムダなものを出さないようにしていますね。筆記用具と辞書くらいです。

桌子比较大的话,就能放两份校样了。有时候一个案子会需要同时检查三份四份校样,需要极力避免桌子上出现不需要的东西。只要文具和字典就够了。

基本的に飲み物はゲラの近くに置きませんし、保管のときも濡れたり破れたりしないようにクリアケースに入れたりしています。プライベートではズボラな人も、仕事に入れば別(笑)。周りの人もみんな、ここは徹底しています。

基本上不会将饮料放在校样附近,保管的时候为了不弄湿弄破会放在干净的盒子里。私生活很吊儿郎当的人,在进入工作后也会变样(笑)。周围的人也在这做的很彻底。

これまで担当された本が並ぶ本棚を背に、生き生きと今の仕事のことを語ってくださった小出さん。校閲の業務は「ゲラの間違いをチェックする」というだけでは語りきれないほど、奥が深いものなんですね。そんなことに思いを馳せながら本を読むと、また違った発見があるかもしれません。

到现在为止,负责校对的书就在,生动地像我们描述了现在工作的内容的小出的背后的书架上排列着。校对的工作是“检查校样的错误”仅仅是这样表述是说不完的,其中还是很深奥的。说不定这时放飞思绪读一本书的时候,又能发现一处错误。