英公共放送「BBC」が2月27日、ジャニーズ事務所の創業者ジャニー喜多川氏(故人)のドキュメンタリーを3月7日に放送すると発表した。

英国广播公司“BBC”2月27日宣布,将于3月7日播放日本杰尼斯事务所创始人Johnny喜多川(已故)的纪录片。

タイトルは「プレデター:Jポップの秘密のスキャンダル」とし、HPに掲載された予告には「50年以上にわたり、日本は喜多川氏の暗い秘密を守ってきた」「少年たちによる性的虐待の申し立ての長い歴史」「2019年に音楽界の大御所が亡くなった後も、日本のメディアはほとんど沈黙を守っていました」などと紹介している。

纪录片片名为《猎食者:日本流行音乐的秘密丑闻》,官网预告当中介绍该纪录片主要内容有:“日本为喜多川守了长达50多年的黑暗秘密”、“因性虐待儿童遭指控的悠久历史”、“2019年这位音乐界泰斗去世后,日本媒体几乎保持沉默”。

番組はジャーナリストのモビーン・アザール氏がリポートし、「(喜多川氏が)メディアに与えた影響を探り、目をつぶってきたことの残酷な結末を暴露」するという。

该片将由记者莫宾·爱资哈尔报道,旨在“探索喜多川给日本媒体带来的影响,揭露视而不见的残酷结局”。

これには《しばらく前ジャニーズ事務所のタレントがやたらジャニー氏との縁とその美談を強調した逸話を口にしてたけど、あれ多分この事件消したさにファン内世論を作ろうとしてたんだろうなと思う》、《放送内容によってはジャニーズ事務所はBBCを訴えて貰いたいけど、法廷で争えば事実認定されてしまうから、訴えないならクロを認めたも同じかもしれない》などと、ファンからの反響が続々とあがっている。

对此,很多粉丝认为“之前杰尼斯艺人一直对外输出很多与Johnny社长关系友好的美谈逸话,现在想想那可能就是为了消解这件事的恶劣影响,在粉丝心中制造舆论吧”、“如果播出的内容对杰尼斯不利,可能会起诉BBC,如果真的闹上法庭就会有事实认定,如果不起诉的话可能就相当于默认了”。

また、先日熱愛が報じられた「KinKi Kids」の堂本光一ファンとみられるユーザーからは、《BBCの番組とこの変なタイミングの報道が関係あるんだったら最悪…ジャニーズ守るために自分とファンの気持ち犠牲にしたってこと?》などと疑念を抱いている投稿もみられた。

前几天,杰尼斯组合“KinKi Kids”成员堂本光一被爆恋爱绯闻,一位疑似他的粉丝发文疑问:“要是BBC的节目和这个微妙的时间点公布的报道有关的话就太糟糕了......这不就是为了保护杰尼斯牺牲了自己和粉丝的感受吗?”。

这件事引起了网友的热议,很多网友吐槽日本媒体不作为,“这种新闻怎么又被外国挖走了,日媒完全不提这件事是不是有鬼”,希望日本媒体也能对此做些报道。而目前日媒对此的报道也仅停留在就事论事上,并没有提出什么具体观点。

ニューヨーク・タイムズのジョディ・カンターとミーガン・トゥーイ両記者が、ハリウッドの大物映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの性暴力・セクハラ疑惑を報道したのは2017年。アンジェリーナ・ジョリーやグウィネス・パルトローら有名女優が性被害を告発するなど、一連の報道をきっかけに始まったのが「#MeToo」だ。

2017年,《纽约时报》记者乔迪·坎托尔和梅根·吐赫报道了好莱坞知名电影制作人哈维·韦恩斯坦疑似性暴力侵害他人的新闻。之后,安吉丽娜·朱莉、格温妮丝·帕特洛等知名女演员纷纷告发其性侵害一事,这一系列的报道最终引发了一项运动——“#MeToo”。

この運動はSNSで世界に発信・拡散され、性的虐待はいまや、人道上取り組むべき重大な社会問題として認識されている。

“#MeToo”运动迅速在全球扩散,如今,性虐待被认为是人道方面需要尽快解决的重大社会问题。

こうした意識改革の流れのなか、BBC(英国放送協会)が注目したのは日本のジャニーズ事務所創業者による性的虐待だった。これは週刊文春が1999年10月から長期間報じたもので、芸能界で多大な影響力を持つジャニー喜多川氏がスカウトした未成年男子に対して優越的立場を利用し、性器を弄んだり、肛門性交するなどの虐待をしていたという内容だった。

在这样的意识改革潮流当中,BBC(英国广播公司)开始关注日本杰尼斯事务所创始人的性虐待传闻。日本杂志周刊文春曾自1999年10月起对此进行了长时间的跟踪报道,主要内容是,在娱乐圈影响力巨大的Johnny喜多川利用自己的影响力优势,对选拔出来的未成年男性儿童实施玩弄性器、肛门性 交等虐待行为。

同氏の少年愛は以前から噂にはなっていたもののタブーとされていた。1964年にジャニーズ事務所が新芸能学院と授業料の支払いを巡るトラブルで裁判となった際に彼の性的虐待も公になったが、当時は同性愛へのタブー視と重なり、口にするのは憚られていた。

过去就有喜多川恋 童的传言,但一直被视为圈内禁忌话题。1964年,杰尼斯事务所与新艺能学院因学费支付纠纷而闹上法庭时,他的性虐待行为也被公之于众,但由于同性恋在当时还是禁忌话题,所以人们也不敢提起。

週刊文春は一連の告発キャンペーンで、ジャニーズ事務所の教育的配慮の欠如や不公正な労働条件、不当な報酬配分などの人権蹂躙を指摘。好奇心を煽る単なるスキャンダルとしてではなく、声なき弱者の声を拾い、事実を可能な限り客観的に伝え、世に問うことが主眼だった。

周刊文春在一系列告发文中,揭露了杰尼斯事务所缺乏教育关怀、不公正的劳动条件、不正当的报酬分配等践踏人权的行为。这不是单纯地想要揭露一个丑闻挑起世人的好奇心,而是希望放大无声弱者的声音,尽可能客观地将事实传达给世人。

「なぜ、日本のメディアは取り上げないのか」

“为什么日本媒体不报道?”

BBCは以前からこの報道に関心があり、22年夏にロンドンから取材のために来日。当時取材班のひとりだった筆者は、文藝春秋で元同僚と共に撮影インタビューを受けた。

BBC很早之前就留意这份报道,2022年夏季从伦敦专程来日本拍摄采访。笔者作为当时采访组的一员,与文艺春秋的前同事一起接受了摄影采访。

優秀なBBCのスタッフは記事を熟読・研究しており、独自の取材を並行して進めていたが、詳細な証言に基づく文春の報道内容に大きな衝撃を受けていた。と同時に、「これが長年問題にされない日本はどうなっているのか」と、ありえないとばかりに首を横に振り、深刻な人権問題だと強く訴えた。

优秀的BBC工作人员研读了文春的报道后,开始了独立采访工作。文春基于详细证词的报道内容给他们带来了极大的震撼。与此同时,他们难以置信地摇着头感叹“这件事这么多年都不被当做一大问题来处理,日本究竟怎么了?”,反复强调这是一个严峻的人权问题。

私たちは当時を振り返り、実際に取材した被害者の証言や様子を伝えたが、BBCスタッフは「なぜ、少年たちはジャニー氏の性的虐待を受け入れたのか」と質問した。

笔者一行人回顾当时,告诉了BBC工作人员被害者在接受采访时的话语和状态,工作人员问:“这些孩子为什么要默许Johnny的性虐待行为呢?”

「少年たちはジャニーズでデビューしスターになることを夢見ている。彼らは寝泊まりする合宿所で被害に遭うのですが、断るとステージでの立ち位置が露骨に悪くなったり、無視されたりするのです」

“那群孩子的梦想是通过杰尼斯出道当明星。他们都是在一同生活的宿舍中遭受侵害的,一旦拒绝,他们在舞台上的位置就会很差,很容易被观众忽视”。

私たちが説明すると、彼らは「ではなぜ、公の場で告発しないのか」と続けた。

笔者进行说明后,他们则继续问:“那为什么不在公开场合告发他呢?”

「日本においては、性加害を受けた時点で被害者が世間的な差別を受けてしまうからです。

“因为在日本,被害者在遭受性侵害的时候,就注定会受到社会的差别对待。”

同性愛者の性的志向は尊重されるべきですが、未成年、ましてや性的な知識が十分でない小・中学生の少年に対し同性愛行為を強いるのはまったく次元が違う話です」

“虽然我们应该尊重同性恋人群的性取向,但与未成年,甚至性知识不足的中小学生强迫实施同性行为就完全不是同一码事了。”

そう語ると、BBCスタッフは大きく頷いた。さらに同じメディアの一員として素朴な質問をぶつけてきた。「なぜ、日本のメディアは取り上げないのか」と。

笔者这么回答后,BBC的工作人员也点头表示同意。之后,同样是一位媒体人提出了一个简单的疑问:“日本媒体为什么不报道这件事呢?”

無視を決め込んだ国内メディア

决定集体无视的日本媒体

当時、業界内では反響があったが、実際に後追い報道する主要メディアは皆無で、テレビやスポーツ紙は「ジャニーズを敵にしたくない」「広告絡みでNG」と忖度を決めした。

当时这件事在业内反响不小,但没有一家主流媒体进行追踪报道,电视台和报纸都觉得“不想与杰尼斯为敌”、“因广告缘由不能报道”。

一方でニューヨーク・タイムズなど海外メディアは積極的に報じたが、国内は無風状態。東京都青少年健全育成条例や児童福祉法、児童買春・児童ポルノ禁止法に抵触するのではないかと疑義を呈され、この問題は衆議院特別委員会でも取り上げられたが、それについても主要メディアが報じることはなかった。

那边《纽约时报》等海外媒体积极报道,这边国内却风平浪静。有人质疑该行为触犯了《东京都青少年健全培养条例》、《儿童福利法》、《儿童卖淫·儿童色情禁止法》,众议院特别委员会也提出了这个问题,但主流媒体也没有对此进行报道。

ジャニーズ事務所が文藝春秋を相手取り名誉毀損の民事訴訟を起こし、2004年2月の最高裁判決を各紙が報じたのが唯一記憶に残るところで、最も大事な点である「ジャニー氏による少年への性虐待の事実はあった」と認定されたことは、詳細に解説されることはなく、結果、何があったのかを世間で知る人はほとんどいない。

大家唯一记得的就是杰尼斯事务所向文艺春秋提起了名誉损害的民事诉讼,各大媒体报道了2004年2月法院的最高判决书,而最重要的法院认定“Johnny对儿童实施性虐待是事实”这件事却没有媒体进行详细解说,结果就是几乎没有人知道这件事。

「1999年以来、絶望しきっています」

“1999年之后,我就彻底绝望了”

この件で想起するのは2002年にボストン・グローブ紙が報じたカトリック教会の児童への性的虐待事件である。長年組織的に隠蔽されてきた事実を暴いた調査報道はピュリッツァー賞を受賞し、この実話を基に制作された映画『スポットライト 世紀のスクープ』は世界に多くの感動と勇気を与え、アカデミー賞作品賞を授与された。

这件事让笔者想起2002年《波士顿环球报》报道的天主教会神父性侵儿童事件。这则曝光了多年的、有组织的隐蔽事实的报道获得了普利策新闻奖,以此为原型拍摄的电影《聚焦》更是给全世界人带来了巨大的感动与勇气,最终获得奥斯卡最佳影片奖。

翻ってその3年前の文春報道はどうだったのか。海外メディアが価値あるものとして再取材する一方で、国内では過去を検証することなく、ジャニー氏の功績を礼賛する向きもあり、まるで独裁国家のようである。それを言及すると業界内で“村八分”、“危険人物”扱いが待っていた。私はBBCスタッフに感想を伝えた。

反观3年前的文春报道又是怎样的呢?外国媒体视其为极有价值的新闻进行重新取材,而国内媒体却从不检视过去,只是一味地赞扬Johnny的伟大功绩,俨然一个独裁国家。一旦谈起这类话题,就会被业内“联合排挤”,视为“危险人物”。笔者向BBC的工作人员感叹:

「1999年以来、私は、日本のメディアにずっと絶望しきっています」

“1999年之后,我就对日本媒体彻底绝望了。”

悲観的ではあるが、これまでのことを現実的に捉えると、このBBC報道が日本で大きく取り上げられることはまずないだろう。「日本のメディアは明らかに異常です」、ニューヨーク・タイムズ記者が23年前に呟いた言葉が今もリフレインしている。

这种说法或许过于悲观,但从现实的角度来看,BBC的这一报道应该不会在日本大肆传播。“日本媒体明显不正常。”——《纽约时报》记者23年前说的话至今依旧在被反复印证。

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