NHK「紅白歌合戦」は今年67回目を迎える。ラジオ時代の1951(昭和26)年1月3日に第1回目が開催された、この番組が年末を飾るようになったのは第4回の1953(昭和28)年からのことである。

今年是NHK红白歌会的第67个年头。第1届红白歌会于广播时代的1951年(昭和26)1月3日举办,从1953年(昭和28)年召开的第4届开始成为年终的固定节目。

歌い継がれる「見上げてごらん夜の星を」

代代传唱的“抬头仰望夜空群星”

「歌は世につれ世は歌につれ」のように、この番組は歌によって世相を映してきた。それとともに、歌が誕生した時代を超えて、歌い継がれていく。つまり、人々が歌い始めた時に歌に託した感情が、時を経て変化して、歌が再生する。

所谓“以歌映世”,该节目通过歌曲反映着世间百态。与此同时,歌曲也会超越它们诞生的年代,代代传唱。也就是说人们在刚开始歌唱一首歌曲时寄托在其中的感情,随着时间变化,也令这首歌重现生机。

例として、坂本九の代表曲の一つ、『見上げてごらん夜の星を』(1963)を挙げる。この曲は、永六輔が作曲家いずみたくとともに制作した同名のミュージカルの主題歌である。今回の紅白では、ゆずがオリジナルの歌詞も加えて「見上げてごらん夜の星を~ぼくらのうた~」として歌う。

坂本九的代表作之一《抬头仰望夜空群星》(1963)就是一个很好的例子。这首歌曲是由永六辅与作曲家いずみたく(今泉隆雄)共同创作的、同名音乐剧的主题歌。在本届红白中,柚子将演唱在原曲基础上加入原创歌词的《抬头仰望夜空群星~我们的歌~》

人々の不安をいやす歌

歌曲抚平人们的不安

金融資本主義とグローバリズムが地球を覆いつくしたいま、格差の拡大とともに、国民国家は揺れ動いている。英国のEUからの離脱や米国の新大統領にドナルド・トランプ氏が就任するなど、メディアの予測を超えた各国の国民たちの不満と憤りが世界を変えようとしている。大国間のパワーバランスも大きく変化していくことだろう。

在金融资本主义及全球化席卷全球的现在,贫富差距不断扩大的同时,国民国家也动荡不安。英国脱欧、唐纳德特朗普当选美国总统等事件致使各国国民爆发超越媒体预期的不满及愤怒,也将导致世界的改变。大国间的实力平衡也发生了巨大的变化。

日本もまたその外に安住することはできない。人々の不安は解消されない。歌はそうした感情をいやしてくれる。今回の紅白では、デビュー20周年のPUFFYと来年に20周年を迎えるKinKi Kidsが初出場する。PUFFYは紅白のスペシャル・メドレーを、KinKi Kidsはデビュー曲の「硝子の少年」を歌う。

日本也不能够置身事外,人们的不安没法得到消除。而歌曲却能抚平这种不安。在本届红白中,出道20周年的PUFFY和明年迎来出道20周年的KinKi Kids将首次登台。PUFFY将带来红白特别组曲,而KinKi Kids将演唱出道曲《玻璃少年》。

「失われた20年」を経て、彼らの歌もまた誕生時に人々が抱いた感情を超えて、新たな意味を見出すのではないだろうか。

经过“失落的20年”,他们的歌曲或许将超越诞生时所蕴含的情感,被发掘出新的含义吧。

視聴率と「昭和」への郷愁

收视率与对昭和的怀念

今年の紅白のテーマは「夢を歌おう」である。2020年東京五輪の前年の19年まで4年間にわたって、このテーマを掲げるという。

今年红白的主题是“歌唱梦想”。直到2020年东京奥运会召开前一年的19年,4年间都将以此为主题。

紅白の視聴率は、1964年東京五輪の前年の第14回に記録した81.4%である。これは過去の視聴率でも群を抜いた第1位である。NHKが紅白にかける意気込みは、前回の東京五輪に向けた熱気の再現にかけているようにみえる。

1964年东京奥运会前一年的第14届红白歌会创下了81.4%的收视纪录。这是红白收视史上超群的第一名。由此可看出NHK想要再现迎接上届东京奥运会时的热情的决心。

「昭和」に郷愁を抱いたり、懐かしがったりするのは、まず家族のありようが要因ではないか。2016(平成27)年には、単身世帯と夫婦のみの世帯がそれぞれ全体の約四分の一を占めている。夫婦と子どもの世帯は約3割、三世代同居は約6%である。

怀念昭和时代的一个重要原因也许是家族构成的改变吧。2016(平成27)年,单身及仅夫妇两人的门户分别占总体的约四分之一。夫妇加孩子的家庭约占3成,三代同堂的家庭则约占6%。

これに対して、1961(昭和36)年は、夫婦と子どもの世帯が4割以上を占めていた。三世代同居も約15%もあった。単身世帯は約18%、夫婦のみの世帯も約14%だった。「一家4人」の世帯あるいは祖父母も含めて、紅白を見る時代は家族構成の変化をみると、視聴率が低下するのは当然である。

与此相对的,1961(昭和36)年夫妇加孩子的家庭占到4成以上。三代同堂的家庭则约占15%。单身约为18%,仅有夫妇两人的家庭约占14%。一家四口或是包括祖父母在内的家庭在内,从家族成员的构成来分析收看红白的时期,收视率下降是必然的。

紅白の視聴率の推移をみると、2006(平成17)年の第57回から40%前後である。多チャンネルと有料放送が普及してきた現代においては、この数字でも十分に「お化け番組」である。

分析红白收视率的推移,从2006(平成17)年的第57届开始就维持在40%左右。在多频道及收费电视已经普及了的现代,这个数字也足矣将红白称为“怪物节目”了。

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