【北京=共同】中国安徽省蚌埠市でこのほど、約7000年前の新石器時代の遺跡から、風景や人々の生活などを表現した文字のような絵や記号が大量に見つかった。新華社が26日までに報じた。

 専門家は、3000年以上前の中国最古の文字とされる「甲骨文字」を大きくさかのぼる漢字のルーツの1つとみている。

 絵や記号が刻まれているのが土器か陶器かは不明だが、同省考古研究所の研究者らによると600点以上あり、山や川、太陽、動植物、狩猟、養蚕など多様なテーマを描写。当時の衣食住の状況から、宗教、信仰まで示しているという。

 主に器の外側の底の見えにくい部分に刻まれており、装飾ではなく、特別な意味や目的があったとみられる。研究者は「簡潔で生き生きとし、文字としての特徴を備えている」と指摘している。

 遺跡は1980年代から発掘が続けられてきた。他の遺跡でも同様の記号などが見つかっており、一定の範囲の社会で通用していた可能性がある。