ヒント： 　　　ベルギー　　 　　　ワッフル　 　　　香り　　 　　　調香部門 　　　中村祥二 　　　（『香りの世界をさぐる』）
ベルギーに６年いた。仕事場に近い地下鉄の階段はいつも、名物ワッフルの香りがした。バターと蜂蜜とココアが混じる「においの記憶」は、冷たい雨の風景に重なる。着任時の高揚と不安が溶け込んだ雨だ。未体験のにおいの印象は、それをかいだ場面と共に記憶されるという。資生堂の調香部門を率いた中村祥二さんの説だ（『香りの世界をさぐる』）。初めてのにおいは一生もので、それぞれが思い出に連なるのだろう。
我在比利时居住了六年。在离我公司不远处的地铁台阶上，总能闻到当地有名的华夫饼的香味。每当我闻到黄油、蜂蜜和可可混合在一起的香味，就会想起当年寒冷与雨水交加的情景，那是我刚刚到任，兴奋与不安都融入了雨水之中。据说，人会把未曾闻到过的气味和当时闻到这种气味时的情景同时留在记忆里。这是资生堂调香部门负责人中村祥二先生的观点（《探寻芳香世界》）。也就是说，一个人第一次闻到的气味将会留在其一生的记忆里。