【原作】:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
【朗読】:保志総一朗、諏訪部順一
地球の砂漠に降り立った王子は、まずヘビに出会う。その後、王子は高い火山を見、数千本のバラの群生に出会う。自分の星を愛し、自分の小惑星の火山とバラの 花をいとおしく、特別に思っていた王子は、自分の星のものよりずっと高い山、自分の星のバラよりずっとたくさんのバラを見つけて、自分の愛した小惑星、火山、バラはありふれた、つまらないものであったのかと思い、泣く。
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王子さまは高い山に登った。これまで、山と言えば、膝の高さの三つの火山しか知らなかった。死火山は、腰掛代わりに使っていた。
小王子爬上一座高山。过去他所见过的山就是那三座只有他膝盖那么高的火山,并且他把那座熄灭了的火山就当作凳子。
(こんなに高い山からなら、この星も人間も全て一目で見渡せるぞ。)
小王子自言自语地说道:“从这么高的山上,我一眼可以看到整个星球,以及所有的人。”
しかし見えたのは、針のように鋭く切り立った岩山の頂ばかりだった。
可是,他所看到的只是 一些非常锋利的悬崖峭壁。
「こんにちは。貴方は誰?友達になってよ。僕、寂しいんだ。」
王子さまは、それが
木霊だと知らないので、こう考えた。
“你好。”小王子试探地问道。
“你好……你好……你好……”回音在回答道。
“你们是什么人?”小王子问。
“你们是什么人……你们是什么人……你们是什么人……”回音又回答道。
“请你们做我的朋友吧,我很孤独。”他说。
“我很孤独……我很孤独……我很孤独……”回音又回答着。
(変な星だな。どこもかしこも乾いていて、尖がっていて、
塩辛い。人間には想像力がなくて、言われたことを
繰り返すだけ。僕の星には、花が咲いていた。あの花はいつも先に話しかけてきた。)
小王子想道:“这颗行星真奇怪!它上面全是干巴巴的,而且又尖利又咸涩,人们一点想象力都没有。他们只是重复别人对他们说的话……在我的家乡,我有一朵花。她总是自己先说话……”
砂と岩と雪の中を長い間歩いてきた王子さまは、ようやく一本の道を見つけた。そして、道は必ず人間がいる場所へと通じている。
在沙漠、岩石、雪地上行走了很长的时间以后,小王子终于发现了一条大路。所有的大路都是通往人住的地方的。
王子さまが行き着いた先は、バラの花が咲き揃った庭園だった。
这是一个玫瑰盛开的花园。
「こんにちは。」
“你们好。”小王子说。
「こんにちは。」
“你好。”玫瑰花说道。
王子さまはバラたちを
凝視した。どれも王子さまの花に
そっくりだった。
小王子瞅着这些花,它们全都和他的那朵花一样。
「君たちは誰なの?」
“你们是什么花?”小王子惊奇地问。
「私たちはバラよ。」
“我们是玫瑰花。”花儿们说道。
「そんな!」
“啊!”小王子说……。
王子さまはとても悲しい気持ちになった。王子さまの花は、自分は宇宙でたった一つだけの存在と語っていた。それなのに、この庭園だけで同じ花が五千本もあるなんて。
他感到自己非常不幸。他的那朵花曾对他说她是整个宇宙中独一无二的花。可是,仅在这一座花园里就有五千朵完全一样的这种花朵!
(あの花がこれを見たら、ひどく傷つくだろうな。笑いものにならないように激しく咳をして、死んだふりをするかも。そして
僕は花を介抱するふりをしなきゃいけなくなるんだ。そうしないと、僕に恥じ入らせようとして、本当に死んでしまう。)
小王子自言自语地说:“如果她看到这些,她是一定会很恼火……她会咳嗽得更厉害,并且为避免让人耻笑,她会佯装死去。那么,我还得装着去护理她,因为如果不这样的话,她为了使我难堪,她可能会真的死去……”
そして、王子さまはこう思った。
(この世に一つしかない花を持っていて、豊かだと思っていたけど、僕が持っていたのはただの有り触れた薔薇の花だったんだ。あとは膝までの高さしかない三つの火山。そのうちの一つは永久に火が消えたままかもしれない。これじゃ僕は立派な王子にはなれないよ。)
接着他又说道:“我还以为我有一朵独一无二的花呢,我有的仅是一朵普通的花。这朵花,再加上三座只有我膝盖那么高的火山,而且其中一座还可能是永远熄灭了的,这一切不会使我成为一个了不起的王子……”
そして王子さまは、草の上に突っ伏して、泣いた。
于是,他躺在草丛中哭泣起来。
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