优秀賞

民間交流と中日関係

宋改華(山西財経大学)

今、私は日本語科の三年生。大学に入学してから日本語の学習を始めた。はじめのうちは、日本語が全く分からなくて、いやになった。ひらがな、カタカナを覚えなくてはならない。中国語にない発音があって難しい。もう嫌だ、日本語の学習をやめようと思ったことさえあった。しかし、粘り強く学習を続けていると、少しずつ日本語がわかるようになり、おもしろくなった。そんな時、日本のアニメやドラマを見始めた。それは映像や画面がきれいで、内容もおもしろいと感じた。特に「ナルト」というアニメが一番好きである。これをきっかけに日本の文化や風俗に少しずつ興味を持つようになった。はじめは嫌いだった日本語もだんだん好きになってきた。こうして日本が大好きな女子大学生、私が誕生した。

このように日本について興味を持ち、日本語が好きになると、中日関系についても考えるようになった。確かに今の中日関係は良ない。戦後最悪だと言われている。テレビやインターネットでは毎日のように悪化する中日関係のニュースばかり流れてくる。いったいどうなっているの。これから中日関係はどうなってしまうの。そんな心配ばかりの毎日だった。日本文化と日本語が好きな私にとって、これはとても悲しいことである。
しかし、問題があるということは、決して悪いことではない。今後中日両国が協力して一つ一つの問題を解決し、新たな友好関係を生み出すことができるからである。そのためには、中日両国はお互いの文化を理解し、誤解を解き、偏見を取り除かなくてはならない。

では、具体的のどうしたらよいのだろうか。まず、中日両国共に、自国の主張ばかりするのでなく、相手国の主張にも耳を傾けるべきである。相手国の主張をすべて受け入れることはできなくても、相手の立場を理解し、相手の意見に賛成できなくても、その意見について理解する努力は怠ってはならない。今まで、中日両国ともこれができなかったのではないのか。そのため、中日関係は日に日に悪化の一途をたどっていったと考えられる。それに輪をかけたのがメディアである。

もし、中日両国がお互いの誤解を解き、お互いの文化を尊重したら、両国の交流はますます広がり、日中関係も調和の取れたものとなり、民間交流もかつてないほどに盛んになるに違いない。中日友好の障害もなくなると思う。中日双方にとって国益につながることである。これは中日両国人民の希望である。

中国と日本が一衣帯水の隣国同士であることは永久に変わらない。そんな中で、中国の大学生として何ができるだろうか。何をしなくてはならないのだろうか。私は、日本語科の学生として、今後も日本語と日本文化を勉強し、中日友好の架け橋になれるように一生懸命頑張りたい。

そこで私は、具体的な計画を立てた。2022年には北京で冬季オリンピックが開催されることが決定した。中国にとっても、北京にとっても二度目のオリンピックである。私も、中国人として誇りに思う。北京オリンピックには世界各国から、選手や応援団が駆けつける。もちろん日本人の選手や応援団も大勢中国に来る。それはまさにスポーツと平和の祭典である。その時私は大学を卒業している。もしかしたら、日本留学から帰国しているかもしれない。私は日本語を学習した経験を生かして、北京オリンピックでは日本語通訳ボランティアになりたいと思う。北京に来た日本人がみんな満足して、帰国してくれたらいい。そしてその人たちが中国を好きになってくれて中日友好の架け橋になってくれることを望んでいる。こうして得られた人材は中日両国にとって何にも変えがたい宝物である。

また、オリンピックが終わった後、私はボランティアの経験を生かして、学校を経営したい思う。日本人の留学生やビジネスマンには中国語を教え、中国人には日本語と日本文化を教える学校を経営したいのである。講師として、日本人留学生が日本語を教えたり、中国人の大学生が中国語を教えたりすることもあると思う。語学学習だけではなく、中日両国の若者たちの交流の場を提供できれば、草の根の民間交流も活発になるであろう。民間交流が活発になれば、政治・経済問題の解決の糸口が見つかるかもしれない。こうした活動を通じて、中国に理解のある日本人を大勢育てる一方、日本に理解のある中国人を社会に送り出せるのである。その卒業生の一人一人が将来の中日友好を担う人材として成長していくことを願っている。彼らもまた、何にも変えがたい宝物である。

このようにして私は中日民間交流を進めていきたい。日本と中国の友好的な関係に力を入れて平和の使者になりたい。これが私の夢である。その夢を実現させるために、今日も私は一生懸命机に向かって日本語を勉強している。

言葉を学ぶことを通して、中日両国の文化を理解し、共にアジアの美しい未来を築いて行こうではないか!