主夫の勲章
作者:爱知县立时习馆高等学校 3年级 间濑木 拓

「あなたのお父さんの職業は何ですか?」
英語の例文にこんな一文があった。たかが例文であったが、僕は複雑な気持ちになった。「会社員です。」と答えれば無難だろう。もし「主夫です。」と答えたら相手の反応は変わるに違いない。
昨今、イクメンという言葉が流行し、家事をする男性がかっこいいと、もてはやされたが、まだ男性が家事全般を職業とするのは社会には受け入れられていない。だからそう答えるには抵抗があった。

“你父亲的职业是什么?”
在英语例句中有这么一句话。可是,虽然不过是个例句,却让我有了种复杂的情绪。“公司职员”这个答案应该万无一失吧。如果回答“家庭主夫”,对方一定会觉得怪怪的吧。
虽然最近“育儿男”这个称呼很流行,做家务的男性被认为很迷人,而且大受追捧。但男性包揽下全部家务、将家务作为职业这件事,目前还是不被社会接受的。因此要做这样的回答,我有些挣扎。

父は僕が中1の冬まで会社員として働いていたが、ある日突然倒れて、障がいが残った。
リハビリ病院で訓練をし、奇跡的に歩けるまでに回復した。1年間の入院生活を経て、我が家へ帰ってきた。僕の家はそれから変わった。家のあらゆる場所に手すりが取り付けられ、トイレも風呂場も改造した。でも一番変わったのは、父が家事を引き受けることになったことだ。

父亲之前一直是上班领薪的公司职员。直到我中学一年级冬季的某天,父亲突然倒下,留下残障的后遗症。
父亲在医院复健中心接受训练,奇迹般的恢复了步行能力,在住院一年后,回到了家里。我们家也从此大变样。家中到处都安装了扶手栏杆,厕所和浴室也经过了改装。不过,最大的变化还是——父亲接手开始做家务活。

病院で規則正しい生活をしていた父は、夜9時前に寝て、朝4時に起床する。僕と母は夜型の生活で朝4時なんて夢の中だ。父はその間ひとりで家族の洗濯を済ませ、弁当と朝食を作る。最近はそんな生活が当たり前になったが、慣れるまで大変だった。手すりにつかまりながら洗濯物を持ってベランダに出るのはひと苦労だ。何度もひっくり返したり、転んだりした。「ドタン」と大きな音がして、驚いて飛び起きたこともあった。

曾在医院过着规律生活的父亲,晚上9点前上床,清晨4点起床。我和母亲都是夜猫子型的,凌晨4点都还在梦中。父亲就在这期间一个人洗完了全家的衣物、做好了当天的便当和早饭。最近这已成为我们生活中的普通一景,然而在刚开始时可谓困难重重。一边把着扶手,一边抱着洗好的衣物去阳台,对父亲来说是项艰辛的工作。不知翻倒过多少次衣物,又摔倒过多少次了。我们甚至还被“咚”的巨大声响惊醒过。

父は身体の左右のバランスがうまくとれず、よく転んだり失敗したりする。いつも小さな傷が絶えない。傷を見つけ「大丈夫?」と聞くと「オレの勲章だ。」と言って笑っている。
決して弱音を吐かない。主夫の仕事に誇りを持ち、どんなに時間をかけてでもやり遂げる。
毎日家族のためにがんばっている父に「主夫の勲章」を贈りたい。
「僕の父は、主夫です。」と胸を張って言える日も近い気がする。

父亲很难掌控左右身体的平衡,摔倒失败是家常便饭。全身也是小伤不断。每次看到伤痕,问他“要紧吗?”父亲就会笑着答道:“这是我的勋章。”
绝没有示弱之言。怀着自豪的心情做主夫的工作,不管花费多长的时间,也要将工作彻底完成。
我想向为了家人而每天努力的父亲,送上一枚“主夫的勋章”。
“我的父亲,是家庭主夫。”我觉得,在不久将来的一天,我将可以堂堂正正的说出这句话来。

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