母の作る餃子の味は、独特だ。どこに行っても同じ味の餃子は食べられない。結婚して、家をでた姉と私が帰省すると、「どこかへおいしいものでも食べにいく?」と父も母も聞いてくる。でも私たちが一番食べたいのは、どんな豪華な外食より、母の作った餃子だったりする。皮の中身はひき肉とニラとキャベツだけ。味付けは塩胡椒のみ。でもどこの餃子よりもおいしくて、ご飯がすすむ。あんな餃子はほかでは食べたことがない。

母亲做的饺子,有种独特的味道。是到其他任何地方都吃不到的那种味道。结婚后搬出去住的姐姐和我每次回老家,父亲母亲都会问:“要不要去哪里吃点好吃的?”但是,比起外面饭店豪华的料理,我们最想吃的却是母亲做的饺子。馅料仅仅用了绞肉、韭菜和卷心菜而已。调味也只有胡椒盐。却比任何饺子都美味,让人不忍停筷。那样的饺子在别处我从来没有吃到过。

「お母さんの餃子って、なんであんなにおいしいのかな。」姉と話し合ったことがある。私が「お母さんって、別にそんなに料理上手ってわけでもない し、あの餃子だって適当に作ってる感じなのにね。」というと、姉が「あの適当な感じがいいんだと思うな。うまくやろうと思えば思うほど、絶対に作れない よ。」といった。なるほど、たしかに、具はみじん切りではなく、適当に切り刻んであるので、ざくざくしている。そしてそれらはスプーンでさっさっと交ぜら れてるので完全に混ざってはいない。そして塩胡椒を適当にふりかける。さらに焦げ加減は絶妙。結果、具それぞれの味がしっかりして、それに皮の焦げがジューシーに絡み合って、いい感じ。

和姐姐讨论过为什么母亲的饺子会那么好吃。我说:“妈妈并不太会做菜,饺子似乎也只是随手一做的感觉……”“就是那种随便马虎的感觉才好呢。越想做的好吃,反而会越做不好呢。”姐姐这样答道。原来如此。确实,母亲并不将馅料一一剁成细末,只求大致将材料切碎,因此“刷刷刷”利落的就将材料切好了。 然后用勺子快速的将几种材料翻匀,也没拌得特别充分。胡椒盐也是根据感觉来撒上适量。最后连煎焦的程度也是难言的绝妙。结果做出来的煎饺,各种材料风味十 足,多汁的内馅由煎得焦焦的皮子包裹着,好吃极了。

娘二人からお手製餃子をリクエストされると、母はちょっと嬉しそうに、「なんか緊張するわあ。うまく作れるかな。」といいながら台所に立つ。「うまくやろうと意気込まなくていいって。あの適当な餃子が食べたいねん。」というと、「なんやの、それ。」といいながら笑う。出てきたちょっと焦げた餃子はやっぱりとてもおいしい。姉と、「やっぱりこの具が混ざりきってない感じとか、最高だねえ。」と言いながら食べる。山のように出てきた餃子はあっという間になくなっていく。

两个女儿点名要吃手工饺子,母亲似乎很高兴。“啊啊,有点紧张呢,不知道能不能做得好。”她一边喃喃自语,一边站在厨房忙乎起来。“不用想着要做好这件事哟。我们就想吃那种随便做出来的饺子嘛!”听到这话,母亲笑了起来:“什么呀,你们俩。”刚出锅的煎得略焦的饺子果然十分美味。我和姐姐一边说着“果然还是这种没有彻底拌匀的饺子馅最好吃呢”云云,一边吃着新煎好的饺子。堆得像小山般的饺子转眼就被我们一扫而空。

私たちがまだ学生だったころ、母はフルタイムでパートにでていて忙しかった。パートに出たきっかけは姉の私立中学進学だった。「うちは残してやれる財産はないけど、学歴だけは、本人が頑張るかぎりつけさせてやりたい。学歴はお金に勝る財産になりえる。」母はそういっていた。結局、私も姉も中学高校 と私立に進み、最後は大学院まで進学させてもらった。

在我们的学生时代,母亲既有全职工作又要打工十分忙碌。打工的起因是姐姐进了私立中学。“我们家虽然没什么财产,但至少学历这一项,希望你们可以通过个人努力来取得。学历比金钱更重要,它会最终成为你的财产。”母亲这样说道。结果,我和姐姐分别升入私立中学和私立高中,一直念到大学院毕业。

一日パートに出て、夕方帰ってきて急いで夕食を作る。そんな忙しい日々の中で、母のざつな餃子は作られていたのだ。なぜかそんな餃子が、本当に本当においしいのだ。

打完一整天的工,傍晚回家匆忙的准备晚饭。在这样忙碌的日子里,母亲经常就做粗糙的饺子。为什么这样的饺子,会那么、那么的好吃呢。

六十を超えて、娘二人を嫁にだした母は今、自分が若いころに行けなかった大学に、通っている。相変わらず忙しい毎日の母である。いつまでも元気で、私たちが帰る時は、餃子を作って迎えてほしいものだ。

如今已过了六十岁,两个女儿都嫁为人妻的母亲,又报上了自己年轻时没能念上的大学,每天走读上学。依旧是那个天天都忙个不停的母亲。希望母亲永远都健健康康,每次我们回家时,都做好饺子迎接我们。

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