优秀奖

中日関係と情報発信

喩瑩(広東外語外貿大学 )

中国と日本がもっと密接な関係を持つように、情報のとらえ方は肝心なことだと思います。そして、情報を発信する主体として、私たちひとりひとりにできることは何かと言うと、知ることと伝えることなのではないかと、私は考えています。

まずは知ること。言い換えれば、「情報発信」の前提とする「情報収集」の段階とも言えるでしょうか。

番組で日本人留学生ボランティアグループ「PiaSmile」のメンバーたちが中国の河北省の希望小学校で活躍している姿を見たことがあります。最後の小学生向けのアンケートに「日本人留学生への印象は?」という設問があって、「テレビに出てくる日本人と違った」といった答えが見られることがあって、強く心を打つものでした。

彼らは辺鄙な地域に住んでいるので、日本人を知るためのルートはテレビや新聞といった媒体に限られています。しかし、彼らだけではなく、情報の不均衡というのは中国全体の共通問題になっているのではないかと、日本で留学していた間何度も気づかされたのです。

中国と日本の間の情報が時には偏っていること、情報交換のルートや手段における制限のあることを認識した上で、私たちはその制限を突破し、実際に接する中で実践的な「情報収集」を自分なりにするべきだと思います。

情報収集ができたことを前提として、情報を発信する段階では伝えることが自然に必要になってきます。

清華大学のある日本人留学生が「日本人は中国の食べ物をどのように食べる?」というシリーズの動画をネットにアップして一時期に人気になっていました。食べ物の交流を通して、一つの物事に対して同じ中国人であってもみんな違う意見を持っていることを彼が強く感じたといいます。ネットである人たちの攻撃的なコメントに対して、彼はこう言いました。「こう実際に接する中で、私が言ってることが日本全部ではないと、まず互いに了承した上で、こういう考え方もあるよ、自分みたいな日本人もいるよというふうに伝えていきたい。」と。

先ほど述べたように、間違いなく、情報の不均衡状態は中国と日本の中に存在しています。だからこそ、この状態を改善するため、多くの人がこの留学生のような「情報の使者」となるべきであると思います。勧誘でも説得でもなんでもなく、まず自分は国全体の代表者ではない、自分は絶対正しいとも限らないということを慎重に互いに認識した上で、ただ個人的になるべく偏っていない情報を世間に伝えていきます。その後の判断は口を出さずに聞き手に任せてもいいでしょう。

もし、実践的な活動で「情報収集」を行い、なるべく偏っていない「情報発信」がうまくできても一人ですぐ中日関係の全てを変えられることはないでしょう。しかし、一人一人が接触する中で構築していく繋がりは、薄くて弱々しいものでありながら、繊細で柔軟で、そして受け入れやすいエネルギーでもあると、私は思っています。従って、一人一人の個人的な知ることと伝えることによる情報発信は、きっと糸を紡ぐように、中日関係の未来を編んでいくのではないかと、私は思っているのです。

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