台风过后 青空万里

争いといっても、みにくいものばかりとは限らない。詩人の吉野弘さんに「争う」と題する一作がある。〈青空を仰いでごらん。/青が争っている。/あのひしめきが/静かさというもの。〉。なるほど、「静」という字は青と争から成っている

即便是争斗也不见得都是丑恶的,诗人吉野弘先生就有一篇题为“争斗”的诗作,〈仰望青天/青争正酣/气势磅礴/静寂无声〉。说得不错,“静”字就是由青和争组合而成。

空が青いのは、太陽光の中の青系の光が空気の分子によって散乱しやすく、上空で広がるからという。ダブル台風が去った秋日和の下、昔習った豆知識が頭の隅からころがり出てくる

天空之所以青蓝,是因为太阳光中的青蓝光在空气分子的作用下极易散乱并遍布上空所致。在此双重台风过去之后所呈现的小阳春的日子里,从前学到的小知识不由自主地从头脑的一角蹦了出来。

その秋日和も、伊豆大島(東京都大島町)では違う受け止めとなろう。犠牲は33人となり、懸命の捜索が昨日も続いた。嵐が荒れ狂った後にいつも、なにごともなかったような空が広がる。非情にして明るい青空に、胸を突かれる思いがする

就是这个小阳春,在伊豆大岛(东京都大岛町)恐怕是另外的一种感受。33名死难者,竭尽全力的搜索直到昨天仍在持续。暴风雨过后总是一片若无其事的青空,可人们的内心却往往被这明媚得几近无情的青空所深深刺痛。

立ち上がれる人もいれば、涙の乾かぬ人もいよう。ともあれ長いのはこれからだ。大島が忘れられた被災地にならないよう、私たちは心したい。ふいに日常を断たれた人の悲痛は、災害の規模には関係がない

此时,既有顽强屹立的强者,也有流不尽眼泪的弱者,总而言之漫漫岁月还在后头。希望我们要经常提醒自己,不要让大岛成为一个被人遗忘的灾区。那些被这突如其来的灾害打断了日常生活的人们,他们的悲痛与灾害的规模并无关系。

台風の多発にも影響があるのだろうか、近年は秋が短い。夏の炎帝(えんてい)が領土を広げ、冬将軍も譲らず、板ばさみの秋が縮こまる。先の朝日歌壇に〈現代版『古今和歌集』編むならば春秋の巻なくなるだろう〉とあった。わけても秋はその感が強い

或许是受台风频发的影响吧,近年来秋季很短。夏日的炎热遍布领土,隆冬的严寒也是寸步不让,尽受夹板气的秋季只好缩短自己了。日前的朝日歌坛里有人调侃道,〈若是有人打算编撰现代版《古今和歌集》的话,春秋卷恐怕将不复存在〉。即便是分而行之,秋卷的这种感觉也会极其强烈。

今年も冬が早いらしく、今週の秋晴れは貴重と天気予報は伝えている。紅葉も北から南へ、山から里へ、急ぎ足という。青が争う静かな空に、さらなる天変の無きよう願うばかりだ。地異のことは言うに及ばず。

今年好像冬季也要早到,据天气预报称本周的朗朗秋日弥足珍贵,红叶从北南下,从山峦到村落,也是脚步匆匆。我们只能由衷地期盼,在此青争正酣的寂静天空里不要再有骤然发生的天变了。地动那就更不用说了。

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