蚂蚁烦人 下脚小心

台所にアリが出て困る。どうしたらいいでしょうと女性に聞かれて、アリ研究の権威が答えたそうだ。「足を下ろすときは慎重に」。これほどアリの身になった助言をする人は、めったにいないだろう。米国の昆虫学者が書いた『虫と文明』(築地書館)という本にあった愉快な話である

厨房里出现了蚂蚁,真烦人。有一位妇女前来咨询该如何对付,据传研究蚂蚁的权威回答说,“当你下脚的时候,务必小心再三。”如此站在蚂蚁的立场上为它们说话的人恐怕并不多见。这段令人愉快的故事摘引自美国昆虫学家撰写的一本专著《昆虫与文明》(筑地书馆出版)。

日本でも、お坊さんの中には、殺生を少しでも避けようと下駄を履く人がいる。接地面の広い草履は虫を踏みつける可能性が大きいからだという。そこまでの慈悲心は持てないけれど、拙宅にも大目にみている虫がいる

日本也是如此,为了尽可能地减少杀生,有些僧人就脚蹬木屐,因为接触地面面积较大的草履踩杀昆虫的可能性更大。虽然本人尚且不具备如此的慈悲心肠,不过寒舍却存在着放任自流的虫子。

毎年恒例の柚子坊(ゆずぼう)がこの夏もお出ましになった。柑橘類の木に居つくアゲハチョウの幼虫のことだ。まるまる太るのと引きかえに枝葉はぼろぼろだが、つまんで捨てずに見守っている

今夏,又到了一年一度的柚子坊隆重登场的时候了。它是燕尾蝶的幼虫,专门栖息在柑橘类木本植物的枝干上。身体吃得滚圆滚圆的,可枝叶却倒了大霉,被糟蹋得凋零不堪。于是,人们往往将其捉了来进行观察,并不轻易抛弃它。

今年はなぜか数が多く、鉢植えのユズを1本買い足した。初めは黒っぽい幼虫は、やがて葉っぱと見まがう保護色に変わる。そうやって天敵の鳥から身を守り、堂々のメタボ体形に育っていく

不知什么原因,今年的数量特别多,没办法只好又买了一盆柚子供它享用。起初黑不出溜的幼虫渐渐地变成了与叶片难以区分的保护色。这么一来它便可以保护自身不受天敌小鸟的伤害,堂而皇之地长成肥胖体型了。

夏休み、柚子坊の変身物語を自由研究に選んだ子もいようか。子どもの「生きもの離れ」が言われる中、虫と親しむ好季節だ。好かれる虫もそうでない虫も、多彩な命をひしめかせる

暑假里,不知道有没有选择柚子坊变身故事作为自由研究课题的孩子。虽然当今社会对孩子们“远离生物”的批评声居高不下,可盛夏的确是个与昆虫接近的大好季节。无论是喜欢的还是不喜欢的,昆虫自有其各自多彩的生命轨迹。

アリに戻れば、1匹1匹を数字の3と見て行列を「33333……」と表したのは仏の作家ルナールだった。歌人の与謝野晶子は「8、8、8、8……8の字の生きた鎖」と見た。地面に砂糖を少しこぼしておけば、お目にかかれる。ただし足を下ろすときは慎重に。

话题再回到蚂蚁身上,将它们一只一只看作是3字,将它们的队列用“33333······”来表现的是法国作家罗纳尔。和歌诗人谢野晶子则看成是“8,8,8,8······8字的生命锁链”。倘若在地面上撒上少许砂糖的话你就会看到这一景象。只不过在你下脚的时候可千万要小心哦。

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