日本語教育において人や物などの「数え方」を教えるのは大変である。何しろ複雑な数え方がたくさんあるので我々日本人でも戸惑ってしまうのであるから、日本語学習者にはとても厄介である。

在日语教学中,人或物的数法教学很困难。因为有很多复杂的数数方法,连我们日本人都会不时感到困惑,对于日语学习者来说就更加棘手了。

しかしこんなことで日本語が嫌いになってしまうと教師としては困るので、最初はとりあえず「人」と「犬・猫」そして「物」の三つの数え方を先ず覚えてもら う。すなわち「人」は「ひとり、ふたり」、「犬・猫」は「いっぴき、にひき」、そして「物」に関しては最初は全て「ひとつ、ふたつ」と教えている。そのう ち段々と物によって「個」、「本」、「枚」や「杯」など 異なる数え方をゆっくり導入していくようにしている。

但是由于这些而讨厌日语的话,作为老师也会感到很为难,所以首先让学生记住“人”,“狗猫”,“物”三者的数数方法。也就是“人”是“「ひとり、ふたり」”,“犬・猫”是「いっぴき、にひき(匹)」,然后关于“物”的话全都是“「ひとつ、ふたつ(个)」”。然后渐渐地根据“物”的不同,导入「個」、「本」、「枚」和「杯」等不同的数数方法。

確かに日本語の数え方は複雑である。その代表例として「タンス」や「うさぎ」などがよく国語の試験問題に登場してくる。もちろんこんなもの日本語学習者に教える必要は全くないが、上級者のなかには先生を困らせようと質問してくる生徒もいるので・・・。ちなみに「タンス」は「(さお)」、「うさぎ」はご存知のように「羽」であるが、生徒にはとりあえず「匹」と教えている。

确实日语的数数方法很复杂。其中代表的例子就是经常在国语考试中出现的「タンス(衣橱)」和「うさぎ(兔子)」了。当然没有必要把这些全部教给日语学习者,但是有的高级学习者会问这些问题。那么告诉学生,「タンス」用量词「棹(さお)」、另外正如大家所知的那样,「うさぎ」是用「羽」,但是先告诉学生用「匹」这个量词。

さて、表題の「一人」と「一名」の違いであるが生徒にしてみれば「人」の数え方は「一人、二人」 と習ったので、この「一名、二名」が出てくると数字の読み方も変わるので、違いがとても気になる。うーん、それは名前が分かっているか分かっていないかの 違いですよ、と教えているのだが・・・。「名」は基本的に名前が分かっている場合に用いるので丁寧な表現である。確かにお店などでは「人」の場合は「お二 人さま」と丁寧さを強調するために「お」が必要であるが、「名」にはすでに敬意は含まれているので「お」や「ご」など付ける必要はなく、まして「二名組強盗」などとも絶対言わないのである。

提到标题中的“一人”和“一名”的区别,学生们已经学过“人”的数法,即“一人,两人”,但是「一名、二名」,数字的读法改变了,也会注意到两者的区别。告诉学生两者的区别就是是否知道名字。「名」一般用于知道名字的情况下,是一种郑重的表达。在店铺中提到“人”的话,为了强调「お二人さま」的敬意,有必要加上「お」,但是「名」中已含有敬意,所以就没必要加上「お」或「ご」了。更何况我们不会说「二名組強盗」。

さらにややこしいのがカレンダーである。これも1日から10日まではカレンダースペシャルとして有無を言わせず、「ついたち、ふつか、みっか、・・・」と覚えさせている。するとこんな質問がやってくる。どうして「ついたち」だけ「か」がないのですか・・・。

还有点更麻烦的是日历。从1号到10号是固定说法,这不需要多说,让学生记住「ついたち、ふつか、みっか、(一日、二日、三日)・・・」。但是存在这样的问题,为什么只有「ついたち」没有「か」呢?

こんなこと考えたこともなかったが、確かに「ついたち」だけ「か」が付いていない。でもなぜ・・・。これは太陰暦の月の満ち欠けからきており、「月立ち」が 訛って「ついたち」となり、月の最初の日を表しているとのこと。なるほどね・・・、生徒の質問がなければそんなこと調べようともしなかった。改めて日本語 教師として生徒の質問のありがたさと日本語の奥の深さを感じた次第である。

我从未思考过这样的问题,但是确实只有「ついたち」没有「か」。为什么呢?据说是来源于阴历中月亮的阴晴圆缺,「月立ち」错误发音,变成了「ついたち」,表示一个月的第一天。原来是这样。如果没有学生的提问,我也不会去弄明白这些。作为日语老师我再一次深深感受到学生提问的珍贵以及日语的奥妙深邃。

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