河瀬直美氏(53)が総監督を務めた東京五輪の公式記録映画「東京2020オリンピック SIDE:A」(東宝配給)が3日に公開された。2部作で「SIDE:A」は選手を軸に描き、「SIDE:B」(24日公開)はスタッフやボランティアにスポットを当てる。アスリートと非アスリート、組織と個人、異なる視点が描き出す2つのドキュメンタリー。河瀬総監督に作品への思いを聞いた。

由河濑直美(53岁)担任总导演的东京奥运会官方纪录片《2020东京奥运会SIDE:A》(东宝发行)于3日上映。这两部作品中,《SIDE:A》以选手为中心,《SIDE:B》(24日上映)则以工作人员和志愿者的视角讲述。运动员与非运动员、组织与个人,这两部纪录片从不同视角出发,我们向河濑总导演询问了对作品的看法。

東京五輪は新型コロナウイルスの影響で史上初の1年延期、無観客開催という異例のものとなった。揺れる選手たちの心情を描いた「SIDE:A」は先日、第75回カンヌ国際映画祭で一般公開に先立って上映され、大好評だった。国内での公開を前に河瀬総監督は「感無量です。昨年8月8日に閉会式があり、そこから編集のヤマがとても高かった。ようやく皆さんに見ていただける」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

受到新冠肺炎疫情的影响,东京奥运会前所未有地延期一年,成为无观众的特殊赛事。前段时间,讲述摇摆不定的选手情绪的《SIDE:A》在第75届戛纳电影节上提前放映,反响热烈。在日本上映前,河濑总导演放心地说,“真的是感慨万千,自从去年8月8日闭幕式后,剪辑工作量很大,终于能让大家看到成品了”。

「SIDE:A」では難民選手団やジェンダー問題にもスポットを当てた。冒頭からシリア難民の兄弟選手が登場することに「さまざまな国のアスリートがコロナで本当に苦労してやっとたどり着けた姿。その人生を通して描くことができてよかった」と語った。編集作業中、ロシアのウクライナ侵攻が始まったことにも触れ「五輪は平和の祭典であることは確かなのに、コロナは人間を試している。それでも選手は私たちに感動を与えてくれた。金メダルだけではなく、負けても財産を残してくれた選手に焦点を当てた」と説明した。

《SIDE:A》还强调了难民代表团和性别问题。开头叙利亚难民出场,河濑导演说“因为新冠肺炎疫情,各国运动员历尽千辛万苦终于到达现场,很荣幸能他们人生过程中绘下浓墨重彩的一笔”。在剪辑过程中俄乌战争开始了,对此解释说“毫无疑问奥运会是和平的盛典,新冠肺炎疫情正在考验人类,即便如此选手们也让我们心生感动。不仅关注金牌,也关注那些即使输了也留下精彩的选手”。

閉幕から約1年後の公開、そして公式記録映画としての意義について「勝ち負けだけなら大会期間中に報道できちんと伝えてくれる。だから、これは100年後にも届くような映画でないといけないと思った。その観点は守ってきた」と語った。

闭幕式结束后一年上映,对于官方纪录片的意义,河濑导演这样说“胜负这些在比赛期间已经都被报道地很清楚了。正因如此,这部能流传到百年后的电影才不可或缺,我坚持这种观点”。

2部作とした理由は「伝えたいことが多かった」から。「全部を入れられないことはこれまでの経験で分かっているが、アスリートを中心にした五輪に入らない部分にも残さなければいけないものがいっぱいあった。組織委員会、IOCにお願いして2つにさせてくれないかということにした」と振り返った。

关于为什么分为两部,原因是“想要表达的东西太多了”,并回顾说“根据我以往的经验,我知道不能把所有想说的都放进电影,但在以运动员为核心的奥运会之外有太多背后故事。于是我询问组织委员会、国际奥委会能否将纪录片分成两部”。

「SIDE:A」にはカナダのバスケットボール代表のママさん選手が登場する。コロナ下でも夫と子供が来日。試合の合間を縫って母乳を与えるシーンが印象的だ。「選手は妊娠すると元の場所に戻ることが難しい状況だったりする。今の時代に、授乳する私とオリンピアンとしての私、両方の自分を持ってもいいのではないかとアピールするカナダの選手に勇気をもらった」という。そして河瀬総監督自身、高校までバスケットボールに打ち込んだだけに、日本女子の銀メダルを目の当たりにして「ホーバス監督が言うように金メダルが獲れたんじゃないかって思う。パリは狙うと思います」と喜んだ。

《SIDE:A》中有位来自加拿大做妈妈的篮球运动员,即便有疫情,丈夫和孩子也一起来了日本。在比赛期间见缝插针喂奶的画面让人印象深刻。河濑导演说“运动员怀孕后很难再回到原来的位置。在当今时代作为母乳喂养者的我与作为奥运选手的我可以同时存在,这样呼吁的加拿大运动员给予我们勇气”。河濑总导演在高中热衷打篮球,正因如此以日本女篮银牌为目标,她笑着说“就像霍瓦斯导演所说的为什么不冲击金牌呢?于是就把巴黎作为目标”。

また、日本伝統の柔道、実施と見送りを繰り返すソフトボール、初採用された空手、サーフィン、スケートボードなど特徴のある種目が印象に残る。事前合宿から密着したソフトボール金メダルの上野由岐子は「こうして形として残してもらえてうれしい。映画を通して私たちの思いをたくさんの方に知ってもらいたい」と感慨深げに語った。

另外,日本传统柔道、不断重复执行和出局的垒球以及首次增加的空手道、冲浪、画板等特色项目让人印象深刻。提前集训时期就关系亲近的垒球金牌得主上野由岐子感慨万千地说“很高兴能以这种形式留下回忆,通过电影奖我们的想法传达给更多人”。

さらに、社会問題に声を上げる米女子ハンマー投げの選手らも登場。河瀬総監督は「ジェンダーのイコーリティー(平等、対等)も今回の五輪で、大きな転換期を迎えたのかな」と説明した。

此外,在社会问题上发声的美国女子链球运动员也出现在了纪录片中。河濑总导演解释说“此次东京奥运会上,性别平等也迎来了一个重大转折点”。

「SIDE:B」(今月24日公開)はスタッフやボランティア、組織委員会の森喜朗会長(当時)の辞任など舞台裏に踏み込んだ。「人間模様が描かれる。いいも悪いも結果として出る」。こちらは公開ギリギリまで編集作業を続けるというので楽しみだ。

《SIDE:B》(本月24日上映)则聚焦工作人员、志愿者、组委会森喜朗会长(当时)辞职等背后的故事。“描绘了复杂的人际关系,是好是坏都会有个结果”。我会继续完善剪辑直到上映前一刻,大家敬请期待。

750日、5000時間という膨大な記録から厳選してつくった2部作。「スポーツだけではなく人間模様がたくさん描かれていて、AとBは双子のような作品。Aに出てきた人がBにも出てきて、ああ、こういう所にいたんだなという発見もある。物事の表と裏、反対側から見た時に私は何を感じるのかということも含め、楽しんでいただけたら」と笑顔でアピールした。

这两部作品是从750天和5000小时这些庞大的记录数据中精心挑选制作的。河濑总导演笑着呼吁“这部作品不仅描绘了体育,也展现了复杂的人际关系。作品A与B仿佛双胞胎一般,A中出现的人也出现在了B里,大家会发现‘啊、原来这里出现过’。作品涵盖了我从事物正反两面及另一面观察产生的感受,大家敬请期待”。

映画のメインテーマ曲は歌手の藤井風(24)が担当した。「The sun and the moon」と題した曲について、藤井は「2020年にデビューして、そしてその年に予定されていた東京オリンピック記録映画の音楽を担当させていただくという大変光栄なお話をいただきました。映像に音楽を添える、映像にインスパイアされた音楽を作る経験は初めてでしたが、河瀬直美監督の美しく繊細な描写は本当にたくさんのインスピレーションを授けてくださいました」と感謝した。

电影主题曲由歌手藤井风(24岁)负责。歌曲题目为《The sun and the moon》,藤井感激地说“2020年出道,我很荣幸在出道当年就能确定负责东京奥运会纪录片的音乐。虽然这是我首次为电影添加音乐,首次受到电影启发创作音乐,但河濑直美导演细腻的描写让我灵感爆发”。

そして「このドキュメンタリーで監督が描かれている光と影、そして人生の勝利とは何かという問いに導かれるように姿を現してくれたのが、メインテーマの「The sun and the moon」という曲になります。このドキュメンタリーを目にする方々、そしてこの記録映画がとらえた時代の歩む先が、光の方でありますように」とコメントした。

并谈到“从描绘光影变幻到疑惑何为人生赢家,导演以这样的方式展现纪录片,于是成就了主题曲《The sun and the moon》。希望看到这部纪录片的各位以及纪录片所记录的时代都朝向光明的未来前进”。

河瀬総監督は「藤井風という強く優しいきらめきが、今回のオリンピック映画のひとつの灯火(ともしび)になるはずだと確信して、一緒にこの作品を創ってもらえないかとお話ししました」と振り返った。

河赖总监督回顾说,“我相信藤井风散发出的柔和光芒会成为此次奥运会电影的灯火之一,于是就聊到要不要一起创作这部作品”。

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