3組に1組が離婚しているといわれる現代。また、生涯未婚率も男性23.4%、女性14.1%(総務省統計局/2019年)となった今、“結婚”は当たり前の選択肢ではなくなり、人生のゴールとも、墓場とも言い切れなくなった。そんな現実を反映してか、今クールのドラマでは『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)、『リコカツ』(TBS系)と、“離婚”をテーマにしたドラマが目立っている。両作品とも結婚生活より離婚後・離婚決意後の元・夫婦の人間関係に焦点が当てられたドラマだ。昭和の時代から離婚を描くドラマはあったが、令和における離婚ドラマの描き方はどのように変わったのだろうか。

如今,每3对夫妻中就有一对离婚了的。此外,现在日本的终生未婚率男女分别为23.4%、14.1% (总务省统计局/2019年),“结婚”不再是理所当然的选择,也不能说是人生的终点或坟墓了。可能是反映了这样的现实吧,,今年春季档日剧中《大豆田永久子与三位前夫》(富士电视台)和《离婚活动》(TBS电视台)等以“离婚”为主题的电视剧格外引人注目。比起婚后生活,两部作品都是将焦点集中在离婚后・决定离婚后的前夫妻的人际关系。从昭和时代开始就有讲述离婚的电视剧,如今令和时代的离婚题材电视剧在描写手法上会有怎样的变化呢?

■不倫ドラマのヒット、結末として“離婚”描いた80-90年代

■不伦电视剧大热、以“离婚”为出轨婚姻结局的80-90年代

1980~90年代の離婚を扱ったドラマを振り返ると、核家族間の交流とそのなかで起こる不倫を描いた『金曜日の妻たちへ』に始まり、『ずっとあなたが好きだった』『不機嫌な果実』(以上TBS系)、渡辺淳一の同名小説が原作である『失楽園』(日本テレビ系)などが挙げられる。これらドラマのなかで、離婚は「別に好きな人ができた既婚者が、その人と結ばれる(結婚)ための手段」として描かれてきた。

回顾1980~90年代描述了离婚的日剧,第一部是讲述小家庭之间的交流以及在这其中发生婚外恋的《给周五的妻子们》,其后又出现了《一直都爱你》《不愉快的果实》(都出自TBS电视台),改编自渡边淳一同名小说的《失乐园》(日本电视台)等剧。在这些日剧中,离婚被描述为“有了其他喜欢的人的已婚者为了和那个人结婚的手段。”

それぞれのドラマは結果的に、「離婚後、夫は不倫相手と結婚、妻は既婚男性と不倫関係になる」(『金曜日の妻たちへ』)、「マザコン夫(冬彦さん)との子を妊娠するも離婚。ずっと好きだった人と結婚」(『ずっとあなたが好きだった』)、「不倫していた若いイケメンと結婚するも、結局また不倫」(『不機嫌な果実』)、「青酸カリで心中」(「『失楽園』)と、なかなかドラマチック。

每部剧的结局分别是“离婚后,丈夫和出轨对象结婚,妻子和已婚男发生不伦恋情”(《给周五的妻子们》)、“虽然和有恋母情结的丈夫(冬彦)有孩子,但还是选择离婚。最后和一直爱的人结婚了”(《一直爱的人》),“和年轻帅气的出轨对象结婚,最终再次出轨”(《不愉快的果实》),“用氰化钾双双殉情”(《失乐园》),相当戏剧性。

80-90年代というと、『男女7人夏物語』『東京ラブストーリー』など、若者たちのおしゃれな恋愛を描いたトレンディドラマが流行。一方で、前述の『金曜日の妻たちへ』によって“不倫”ドラマというジャンルが確立した時期でもあった。離婚というよりは“不倫”が主眼であり、性描写なども今では考えられないほど過激に描かれた。離婚はこうしたスキャンダルの山場として機能したのだ。

说到80-90年代,当时很流行《男女7人夏物語》《东京爱情故事》等描写年轻人时尚恋爱的偶像剧。另一方面,这也是“不伦”剧这一类型剧因为上文提到的《给周五的妻子们》被确定的时期。相比离婚,这类剧的重点更在于“不伦”,性描写也写得非常激烈,其程度是现在无法想象的。离婚变成了写这种丑闻的高潮内容的工具。

不倫一択ではなくなる離婚理由、世相を反映するドラマの中の離婚理由

出轨不再是唯一的离婚理由,反映社会百态的电视剧中的离婚理由

80~90年代と、別の愛する人と結婚するための手段としてドラマチックに描かれてきた離婚。それに比べて今クールドラマでの離婚の描かれ方をみると、『大豆田とわ子』の場合、はっきりと描かれていない部分も多いが「女性関係」(1人目の夫)、「姑問題」(2人目の夫)、「自尊心の欠如」(3人目の夫)と様々である。また『リコカツ』では、「生活環境や価値観の相違(いろいろと相性が合わない)」により即日、離婚を決意するなど、両作品において“愛憎の渦巻くドロ沼離婚”といった状態にはほど遠く、次の結婚ありきの離婚、といったものとしても離婚は描かれていない。

80~90年代,离婚作为与和其他爱人结婚的手段,一直以来都被描写得很戏剧性。相比之下,从今年春季档日剧中对离婚的描写方式来看,《大豆田永久子与三位前夫》虽然有很多东西没有讲清楚,但对离婚的描写却各有不同:“女性关系”(第一个丈夫),“岳母问题”(第二个丈夫),“缺乏自尊心”(第三个丈夫)。此外,在《离婚活动》中,主角因为“生活环境和价值观的差异(很多地方都合不来)”结婚当天就决定了离婚等,在这两部作品中,主角完全没有到“卷入爱憎的漩涡,泥潭的离婚”状态,就算离婚是为下一次的结婚,剧中也没有任何对离婚的描写。

こうした変化には、現代社会の実際の離婚理由の変化も影響しているかもしれない。データによると80年代から一貫して、離婚理由の1位は「性格の不一致」である。一方、「異性関係」となると、80、90年代では女性約30%弱、男性20%弱だったのが、2019年には女性15.4%、男性13.4%と明らかに下がっている。

这种变化可能也受到了现代社会实际离婚理由的变化的影响。数据显示,自80年代起,“性格不合”一直是离婚理由的第一名。另一方面,“异性关系”这一离婚理由,80、90年代男女性分别占比为不到20%和不到30%,而2019年男女性占比出现了明显下降趋势,分别为13.4%和15.4%。

さらに見てみると、『金曜日の妻たちへ』が放送された1983年、離婚理由の上位3つは「性格が合わない(42.5%)」「暴力をふるう(36.4%)」「異性関係(30.8%)」であった。それに比べて、2019年のデータによると妻側は「性格が合わない(39.2%)」「生活費を渡さない(29.4%)」「精神的虐待(25.2%)」。夫側は「性格が合わない(60.3%)」「精神的虐待(20.2%)」「その他(20.2%)」と、やはり夫婦ともに「異性関係」が離婚理由としてウェイトを下げていることがわかる。

进一步来看,《给周五的妻子们》播出的1983年,离婚理由前三名分别是“性格不合(42.5%)”“家暴(36.4%)”“异性关系(30.8%)”。与此相比,2019年的数据显示,妻子方面的离婚理由前三名分别是“性格不合(39.2%)”“不给生活费(29.4%)”“精神虐待(20.2%)”,丈夫方面的离婚原因前三名则是“性格不合(60.3%)”“精神虐待(20.2%)”“其他(20.2%)”,果然夫妻双方主要的离婚理由都是 “异性关系”。

離婚する理由として異性関係が要素として強く入れすぎるよりも、時にどちらかが一方的に悪いとは言い切れない多様な要因を描くことで、『大豆田とわ子』と『リコカツ』の両作品とも、より多くの視聴者から共感を得ているといえる。

可以说比起过于强调异性关系这一离婚理由,《大豆田永久子与三位前夫》和《离婚活动》两部作品采用的都是时而对离婚的多种主要因素进行刻画而不是断言其中一方单方面坏的描写方式,因此引起了更多观众的共鸣。

離婚が“あるある”となった現代、離婚の先に続く元夫婦の交流に主眼

离婚成为“常见题材”的现代,离婚之后的夫妻交流是重点

とはいえ、今期になって急に離婚を題材にしたドラマが増えたわけではない。天海祐希主演の『離婚弁護士』(フジテレビ系/2004年)は、離婚以外の家庭内のいざこざなども扱ったいわば“人間ドラマ”。『最高の離婚』(同/2013年)は『リコカツ』にも出演する永山瑛太が主演で、サブタイトルでは「なぜだろう。別れたら好きになる」と謳っている。つまり、2000年代に入ったあたりで80~90年代の“ドロ沼不倫劇”からはすでに脱し、“イマドキ離婚”が描かれていたということだ。

话虽如此,离婚题材的电视剧并非是在今年才突然增多的。天海祐希主演的《离婚女律师》(富士电视台/2004年)说起来就是一部描写除离婚外,夫妻间的争吵的“人生电视剧”。《最完美的离婚》(富士电视台/2013年)由出演了《离婚活动》的永山瑛太主演,副标题是“为什么呢。分手后就会喜欢”。也就是说,进入2000年后,就已跳出了80~90年代的“泥潭不伦剧”逻辑,讲述的是“当代离婚现状”。

離婚自体は今や一般社会によく見られる“あるあるネタ”の一つになったといえる。『大豆田とわ子』のように3回結婚し3回離婚したり、『リコカツ』のように主人公夫妻だけではなく、周囲でも離婚の話が同時多発的に起こる様子は、コメディである反面、リアルさも含んでいる。

可以说离婚本身现在已经成为了社会上常见的“某种题材”之一。像《大豆田永久子与三位前夫》中那样结3次婚,离3次婚,像《离婚活动》中那样仅是主人公夫妇,周围也同时发生很多离婚的故事,这既是喜剧,也包含着现实。

離婚が身近なものとなるなか今期のドラマで特筆すべきは、離婚・離婚決断後に元・パートナーと新たな関係を築きあげていくことに主眼をおいていることである。『大豆田とわ子』は、3人の元夫と離婚後も交流が続く様子を描く。LINEをし、元夫の店に行き、不本意なところはあるものの元夫たちが家に集い、元夫どうしも繋がっている。さらに、結婚初日に離婚を決意する『リコカツ』では、お互いにまだ微妙に惹かれ合っており、「離婚する理由を100考える」という“リコカツ”に入るが、どこか復縁しそうな気配すらある。離婚後・離婚決意後の元・夫婦のみせる関係ない/気になってしまうという絶妙なもどかしい空気感や、マイナスから関係を再構築していくところにドラマ性をつくりだしている点で、これまでのドラマでの離婚とは様相を異とする。

在离婚成为身边寻常事的情况下,今年的春季档日剧值得一提的是,将重点放在了离婚 ・决定离婚后与前・伴侣和构筑新的关系上。《大豆田永久子与三位前夫》描写的是女主和3个前夫在离婚后继续保持交流的模样。互发LINE,去前夫的店里,偶然间前夫们都在家中聚集,前夫之间也保持着联系。并且,在讲结婚第一天就决定离婚的《离婚活动》中,双方又重新互相吸引,虽然开始了“想出100条离婚理由”的“离婚活动”,但总有一种会在某一刻复婚的感觉。离婚后・决定离婚后的前・夫妻表现出来的没有关系但又很在意的这种绝佳的令人着急的气氛以及回到原点重新构筑关系等方面制造戏剧冲突的这一特点使现在电视剧中的离婚和以前的区别开来。

現実的には、これ以上結婚生活を続けるのが無理だと決断した夫婦が歩みよるのは難しく、離婚した元夫婦、ましてや元夫同士が仲良くなるようなケースはレアだろう。今期ドラマが描きだすような、離婚の先に続く元夫婦の関係性はドラマの世界の話だからこそ楽めるものだろう。しかしドラマの世界においては、図らずも「新しい離婚スタイル」を提唱することもありえるし、実際、現実のほうがドラマに近づく日も近いのかもしれない。

从现实情况来看,已经决定不可能再继续婚姻生活的夫妻是很难走到一起的,离婚的前夫妻关系融洽的例子本就罕见、更别说前夫之间。今年春季档电视剧所描绘的那种,离婚后保持的前夫妻关系正因为是电视剧世界的故事,所以才会觉得享受吧。但是,在电视剧的世界里,没想到也有可能提倡“新的离婚方式”,实际上,现实生活接近电视剧的日子可能也不远了。

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